無縛さんのマイページ

セレベス記録映画

2010/02/09 17:17






もうひと月近くも前ですが、、川崎市民ミュージアムの上映シアターで、大東亜戦争時のセレベス
記録映画「セレベス」の上映があったので見てきました。セレベスとは、今はインドネシアに
属しますが、東南アジアのボルネオ(カリマンタン)、ミンダナオ島、小スンダ列島、それに
ニューギニアに囲まれた卍形の島で(画像1)、当時はオランダの植民地でした。

このセレベス(スラウェシ)島を、日本は開戦より約1年後の、昭和17年初頭に、落下傘部隊に
よる急襲により奪取しました(画像2,3)。記録映画は帝国海軍所属の報道部隊の制作による
もので、この隊員のご子息がこの記録映画保存していたところ、市に寄付をしたものです。

報道部隊と言っても官製ですので、映画は基本的に、日本兵がいかに勇敢であったか、日本軍が
現地人や敗戦オランダ人をいかに紳士的に扱ったか、更には治安がいかに良くて人々はとても
戦時とは思えない平穏な生活を送っているか(画像4,5)の宣伝が多い点は否めません。

しかしこの映画はそれのみにとどまらず、おそらくは海軍本営をうまくすり抜けつつも、原住民で
ある山岳諸民族の風俗や文化を、文化人類学的視点から良く伝えており、学問的にも十分貴重な
映画です。その中には、コーヒーで有名でかつては首狩り族であった、ドラジャ族も含まれています。

しかも車の入らない奥地にまで積極的に取材するなど、取材は極めて精力的です。全編通じて
楽観調の映画ではありますが、その取材はその年の開戦記念日まで約1年間に及んでおり、
と言うことは取材の半ばにははるか太平洋上で、帝国海軍の機動部隊がほぼ全滅した、ミッド
ウェー開戦があったはずなのですが、映画は悲観的なところは全く出していません。

また、戦後の別の証言からは、実はこの地域でもいわゆる慰安婦問題のような陰の部分があった
ことが分かっているのですが、このような陰の部分にも触れていません。むしろ現地の首長たち
が、日本軍のおかげでオランダのくびきから解放されて喜んでいるところに焦点を当て、首長たち
による天皇陛下万歳の場面まであったのですが、まあこれは仕方ないでしょう。

かような面を差し引いてもなお、貴重な情報満載の映画でした。


Binder: 無縛のバインダー(日記数:1328/全体に公開)
Gg[ubN}[N
最新コメント

  • Comment : 1
    熊ヶ峰
    熊ヶ峰さん
     2010/02/11 20:27
    私がまだ小学校に上がらない江戸時代だった頃、
    オヤジが『肉弾三勇士』なる読み物(漫画本)
    を読んでいたことを記憶しています。当時のオ
    ヤジのこと、思いだしてもそんな数はないので
    すが、肉弾三勇士なるロゴだけは忘れないでい
    ました。
    この上海事変で、自爆で進撃路を開いたことで
    3人の兵士を英雄視したものでした。


    戦後、当時その報の第一報を発信した上海特派
    員だったという人物(匿名)が、戦地の将校の
    断片話を事実確認をしないまま、功を焦り、美
    談に仕立てあげ特ダネ狙いで発信したことを某
    出版社に告白する。

    つい、こんなことを思い出した次第であります。

  • Comment : 2
    無縛
    無縛さん
     2010/02/12 18:01
    肉弾三勇士、江戸時代じゃないですよ(笑)、
    武士道の発露ではありますが。この時には
    本人たちの2階級特進、軍神扱いはもとより、
    家族や親族たちも大いに称賛されました。
    最近は、「単に逃げるタイミングを逸しただけだ」という
    説も出てきているようですが、研究者にとっては
    新説の提示は出世のネタかもしれませんが、
    本人たちは浮かばれないですよね。

このブログにコメントをつけるには、ログインする必要があります。
マイページをお持ちでないひとは「マイページを作成する」ボタンを押してマイページを作成してください。
不適切なブログを見つけたら、こちらからご報告ください!

Mail Address(GMO ID):

Password:

自動ログインパスワードを忘れた方

最近書いたブログ


http://www.freeml.com/feed.php?u_id=1330514&f_code=1



Copyright(C)2017 GMO Media, Inc. All Rights Reserved.