umasica :桜里さんのマイページ

飛虎隊伝説 (2)

2010/08/20 22:17

フライング・タイガース(飛虎隊)をめぐるネット上のヨタ話の検証シリーズの2回目。




前回は、

 

 

昭和16年4月15日。米国大統領フランクリン・ローズヴェルトは、ある重要な大統領令(行政命令)に署名、直ちにその命令が実行に移されました。そしてその命令とは、


「米国空軍・海軍・海兵隊軍人は、クレア・リー・シェノールト陸軍大佐麾下の「フライング・タイガース」戦闘機部隊に志願すべし」


というものだったのです。

 

 

…というお話について、そんな行政命令の存在を否定する、『「幻」の日本爆撃計画 「真珠湾」に隠された真実』 日本経済新聞出版社 2008)の内容を紹介した。


まぁ、アラン・アームストロング氏によって書かれた同書の主張の信憑性という問題はあるのかも知れない。しかし、同書の内容は、カバーの説明によれば、

 

 

1941年7月23日、合衆国大統領ルーズベルトは「陸海軍合同委員会計画JB−355」と名付けられた極秘作戦を承認した。これは、中国本土から発進する爆撃機隊で、宣戦布告なしに日本の主要都市を爆撃する計画だった。実行日は41年11月――真珠湾攻撃の1か月前とされていた。

この作戦を立案したのは、元米陸軍航空隊のシェノールト大尉(のち現役復帰して少将)。中国の蒋介石総統に雇われていた彼に、日本爆撃の密命を与えたのはモーゲンソー財務長官、ハル国務長官、スティムソン陸軍長官、ノックス海軍長官――「プラス4」と呼ばれるルーズベルト大統領の側近たちである。もちろん大統領自身も、この計画に深く関与していた。

ではなぜ、日本爆撃は実行されなかったのか。日本のスパイは計画をどこまで察知していたのか。この計画の存在が、今日まで秘密にされてきたのはなぜか……。本書は、アメリカも真珠湾攻撃と同様の「宣戦布告なき先制攻撃」を計画し、実行の一歩手前まで来ていたことを明らかにする。新発見された資料をもとに、日米開戦の「常識」を覆すノンフィクション大作!

 

 

…というものだ。大統領の署名のある「行政命令」が実在するのならば、それはむしろ著者の主張の補強材料になるはずであり、隠す必要はないのである。にもかかわらず、その存在を否定している以上、その著者の主張を否定すべき材料を私は持たない。



それに、行政命令の内容自体がいいかげんなものに見えるのだ。ネット上のお話によれば、ルーズベルトによる「重要な大統領令(行政命令」の内容は、

 

 

「米国空軍・海軍・海兵隊軍人は、クレア・リー・シェノールト陸軍大佐麾下の「フライング・タイガース」戦闘機部隊に志願すべし」

 

 

…というものだったというのだが、「クレア・リー・シェノールト陸軍大佐」とは何事だろうか!

アームストロング氏の著書のカバーにある通りで、クレア・リー・シェノールトの肩書きは、

 

 元米陸軍航空隊のシェノールト大尉

 

…なのである。米陸軍航空隊大尉であったシェノールトは米陸軍航空隊を除隊の後に、中華民国空軍の大佐として現地に赴任したのである。である以上、

 

 

「米国空軍・海軍・海兵隊軍人は、クレア・リー・シェノールト陸軍大佐麾下の「フライング・タイガース」戦闘機部隊に志願すべし」

 

 

…という文言の「重要な大統領令(行政命令」など、そもそもが存在し得ないものなのである。それに米国に独立した空軍が誕生したのは第二次世界大戦後のことである。つまり、二重の意味で、存在し得ない「行政命令」なのだ。


なので、続く、

 

 

「フライング・タイガース(以下、飛虎隊と略)」とは、蒋介石軍(支那軍)の空軍顧問だった米軍佐官・クレア・リー・シェノールト(支那名は陳納徳、日本では一般にシェンノートと書かれる事が多い)が、
蒋介石夫人・宋美麗の資金提供を受け、米国陸海軍航空隊に所属していた一癖も二癖もあったならず者の現役戦闘機パイロット約100名と、整備士等の地上支援要員約200名をもって創設した傭兵戦闘部隊「アメリカン・ヴォランティア・グループ(American Volunteer Group:略称「AVG」)の事です。

 

 

…というお説にある「蒋介石軍(支那軍)の空軍顧問だった米軍佐官・クレア・リー・シェノールト(支那名は陳納徳、日本では一般にシェンノートと書かれる事が多い)」という記述、この「米軍佐官」という肩書きも事実を正確に反映したものとは言い難いが、「「蒋介石軍(支那軍)の空軍顧問」という記述については、中華民国「空軍」は当時既に存在していたので誤りではない。

 
 
 
 
このまま続けると、「間違っていないとこ探し」の方が難しそうな予感がして来たのだが…

 

 

 

 


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Binder: 現代史のトラウマ(日記数:646/全体に公開)
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最新コメント

  • Comment : 1
    umasica :桜里
     2010/08/20 23:09
    しかし、読めば読むほど、いいかげんな話だということが見えて来る。

  • Comment : 2
    umasica :桜里
     2015/09/19 19:32
    いまだにデマ記事が「拡散」されているようなので…

    加筆修正して、ココログ版の「現代史のトラウマ」記事としてアップ。


     飛虎隊伝説 (1)
     http://uma-sica.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-0e14.html

  • Comment : 3
    umasica :桜里
     2015/09/21 22:09
    《タイトルを変更した》

     飛虎隊伝説 (1)

       ↓

     飛虎隊(フライング・タイガース)伝説 1

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