umasica :桜里さんのマイページ

続々々・洋上のB−29

2011/12/06 22:40

今回は補足と訂正。



まずは補足。


文林堂の「世界の傑作機シリーズ」の『ボーイングB−29』を読んでいたら、飯山氏の著作に、


 B−17Hが全長八メートルのヒギンスA−1救命ボートを空輸したところ、スーパーダンボの場合は全長九.〇七メートルのエドA−3救命ボートを運搬。

          (飯山幸伸『B−29恐るべし』168ページ)


…と書かれていたエドA−3救命ボートについての詳細があった。



 SB−29

 戦後型の改造救難機でAPQ−13レーダーを前方に移動。爆弾倉部にあったエドA−3ライフボートを装備して15時間の滞空が可能であった。A−3は全長29ft9in(9.07m)のアルミ合金製で20区画の耐水コンパートメントと悪天候用のテントふたつを持ち、エンジンで500mile(805km)もの自力走行ができた。ARS(Air Rescue Servis)は1947年2月に最初の2機を受領している。

          (36ページ)



…ということなので、飯山氏が、



 一九四五年の初頭から数機のスーパーダンボが救難飛行隊(ARS)に所属してこの任務に就いたが、やがて16機がスーパーダンボとして用いられるように。波間に漂う要救助者を見つけるとA−3ボートはパラシュート投下されて不時着水機の乗員たちを収納。A−3ボートは耐水コンパートメント、防水テントも備えていたが、五百マイル(八百キロ強)の自力航行も可能だったという。

          (169ページ)



…と記したA−3ボートが、全長10メートル近いアルミ合金製で、海上の遭難者に十分な耐水防水性能を持ち、しかもエンジンまで装備されていた事実が、より詳細に把握出来たことになる。


また、「ARS(Air Rescue Servis)は1947年2月に最初の2機を受領している」という記述から推測すると、飯山氏が「一九四五年の初頭から数機のスーパーダンボが救難飛行隊(ARS)に所属してこの任務に就いた」と書いていることについては、戦中の組織である、



 4ERS(Emergency Rescue Squadron)

 1945年4月から20AFの隷下で、硫黄島を基地にして救助任務に従事。B−29の胴体下に救命ボートを付けた、「スーパー・ダンボ」のほか、B−17H「ダンボ」とOA−10A(PBY−5Aの陸軍型)を使っていた。

          (「世界の傑作機」シリーズ 52ページ)



…と、戦後の組織である(らしい)「ARS(Air Rescue Servis)」を混同している可能性がある(この点は前回の記事を訂正する必要がありそう)ことが見えてきたが、まだ断定するには早いかも知れない(もう少し調べる必要がありそうだ)。





で、不時着水後の流れを整理すると、搭乗員は、まず不時着水したB−29の機体に搭載されている小型のボート(ゴム製だろうか?)に乗り移る(3艘搭載されているらしい)。

捜索され、発見されれば、最終的に海軍艦艇に救助されるが、それまでの段階で、スーパー・ダンボ搭載のエドA−3がパラシュート投下され、そちらに移動して救助を待つという経過を辿ることもある(チェスター・マーシャル氏の著書では、その両方のケースを読むことが出来た)。




いずれにしても、エドA−3のスペックを読むだけで、米国の物量が単なる「量」に終わるものではなく、高い「質」に裏付けられたものでもあったことを痛感させられるのである。










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最新コメント

  • Comment : 1
    umasica :桜里
     2011/12/06 23:38
    戦中の「皇軍不敗」のロジックは、

     命を大事にすることが米軍の弱さの証明であり、
     それが命を捨てられる日本軍の強さを保証する

    …という構図が支えていたように思われるが、
    エドA−3のスペックを読むと、
    そのゼイタクさに(彼我の差の大きさに)、心ならずも溜息が漏れてしまう。

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