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ノルマンディーの橋下徹

2014/06/16 22:34



 大阪市の橋下徹市長(日本維新の会共同代表)は15日、大阪市内の街頭演説で、第二次世界大戦で米国などの連合国軍がナチス・ドイツ占領下のフランス北西部の海岸で展開したノルマンディー上陸作戦について、「ノルマンディーに上陸して、連合国軍兵はフランス人女性を犯した。これはたまったもんじゃないと慰安施設を造った。これは歴史の事実だ。不幸な過去だし、二度とやってはならない」と述べた。
     (毎日新聞 6月15日(日)21時30分配信)





 中国のネットではこのニュースについて、以下のようなコメントが出ている。

  「日米は同じ穴のむじな。この発言から明らかになった」
  「日米のかみつき合い、見ものだな」
  「オバマがどう答えるか楽しみだ」
  「慰安婦問題の核心は『強制』の二文字にある。第2次大戦で同盟関係にあった米仏と、日本人が中国・韓国の女性に行った行為を同列に考えることはできない」
  「この発言が事実だとしても、日本の従軍慰安婦問題を否定することはできない」
  「米国が世界に与えているイメージとは、こんなひどいものさ。弟分の日本にまでこんなこと言われて、世界のボスをやっていけるのか?」
  「フランス人の問題はフランス人が抗議する。当然、中国人は日本人に抗議する。まさかフランス人の代わりに米国に抗議するとでもいうのか」
  「どっちもどっちだろ」
     (Record China 6月16日(月)17時47分配信)







この問題については、中国人の一人の言う、


  フランス人の問題はフランス人が抗議する。当然、中国人は日本人に抗議する。まさかフランス人の代わりに米国に抗議するとでもいうのか


…との評価が正しい(私もそのように思う)。

そこに加害と被害の関係があれば、被害者が加害者に抗議するのは当然の話であるというだけだ。ベトナムでの韓国軍の振る舞いに被害者として抗議する資格を持つのはベトナム人であって日本人ではないし、ノルマンディーでの米兵の振る舞いに被害者として抗議する資格を持つのはフランス人なのであって日本人ではない。日本人はそこでは被害者ではないのである。



ちなみに、ノルマンディーでの米兵の振る舞いの問題については、



 第2次世界大戦(World War II)中の仏ノルマンディー(Normandy)上陸作戦に参加した米軍兵士たちは、フランスをナチスドイツ(Nazi)から解放した勇敢な英雄として描かれてきた。そうした「若いハンサムな米兵さん」のイメージに隠された負の側面を明らかにした研究書が来月、米国で出版される。
 6月に刊行予定の「What Soldiers Do: Sex and the American GI in World War II France(兵士らは何をしたのか:第2次世界大戦中のフランスにおける性と米兵」は、米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のメアリー・ルイーズ・ロバーツ(Mary Louise Roberts)教授(歴史学)が、米仏で膨大な量の第2次大戦中の資料を研究してまとめた著作だ。
 研究の趣旨についてロバーツ教授は、「GI(進駐軍兵士)はたくましい男で、常に正義に基づいて行動するとの典型的な『GI神話』の偽りを暴き出すことだった」と、AFPに語った。教授によると、米軍では当時「フランス人に対して優位に立つ」手段として性欲、買春、レイプが取り入れられていたという。
 米兵たちは、ノルマンディーの人々から「性のアバンチュール」を求めてやってきた、セックスに飢えた荒くれ者と見られていた。これは地元ノルマンディーではよく知られていることだが、一般的な米国人にとっては「大きな驚きだ」とロバーツ教授は述べている。
 米メディアがノルマンディーに上陸した米兵について、キスをする米兵と若いフランス女性の写真を掲載するなどロマンチックな視点で解放者として描いていた間、地元の人々は「問題」に直面していた。地元には、「ドイツ人を見て隠れるのは男たちだったが、米兵の場合は女たちを隠さねばならなかった」という話が伝わっているという。
     (AFP 2013年05月27日 14:38 発信地:ワシントンD.C./米国  http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2946474/10810152?utm_source=yahoo&utm_medium=news&utm_campaign=txt_link_Tue_r3






つまり米国の歴史学者の研究によるもの(米国人自らが、米兵のかつての振る舞いに批判的検討を加えているのだということ)。

日本でも、日本軍の慰安婦の問題を日本人の歴史学者が取り上げ、韓国でも韓国軍の慰安婦の問題を韓国人の歴史学者が取り上げていたように、戦時性暴力の問題は、歴史学の研究者の世界では、各国で、既に手の付けられている領域であるに過ぎない。

ただ、どこの国でも一般的風潮としては、そのような歴史学者の研究に真摯に向き合うことは避けられているのだし、自国の加害者性には目をつぶり、他国の加害行為を告発することだけに熱中する人が多いだけである。



参考のために付け加えておけば、このワシントン発のAFP記事と同日の2013年5月27日に、橋下氏は日本外国特派員協会での記者会見で、



 かつて日本兵が女性の人権を蹂躙(じゅうりん)したことは痛切に反省し、慰安婦の方々に謝罪しなければならない。日本以外の少なからぬ国々の兵士も女性の人権を蹂躙した事実に各国も真摯(しんし)に向き合わなければならない。日本だけ非難するのはフェアな態度ではない
     (産経新聞 2013年5月27日)



…と語っていたのであった。

万引きを見つかった中学生が、「自分が万引きをしたことは痛切に反省し謝罪しなければならない。しかし自分以外の少なからぬ中学生も万引きをした事実に真摯に向き合わねばならない。自分だけ非難するのはフェアな態度ではない」と居直っているのと同じに見えてしまうことに、橋下氏は気付いているのだろうか?








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