2012年芥川賞受賞の田中慎弥「共喰い」を読んだよ
受賞した作品自体よりも、
記者会見が話題になってしまった感のある田中さんですが、
芥川賞はとりあえず読む、を続けている僕としては、
あんまり気にせず今年も読むのであります。
で、アマゾンから内容抜粋。
第146回芥川賞受賞作「共喰い」――昭和63年。17歳の遠馬は、怪しげな仕事をしている父とその愛人・琴子さんの三人で川辺の町に暮らしていた。別れた母も近くに住んでおり、川で釣ったウナギを母にさばいてもらう距離にいる。日常的に父の乱暴な性交場面を目の当たりにして、嫌悪感を募らせながらも、自分にも父の血が流れていることを感じている。同じ学校の会田千種と覚えたばかりの性交にのめりこんでいくが、父と同じ暴力的なセックスを試そうとしてケンカをしてしまう。一方、台風が近づき、町が水にのまれる中、父との子を身ごもったまま逃げるように愛人は家を出てしまった。怒った父は、遠馬と仲直りをしようと森の中で遠馬を待つ千種のもとに忍び寄っていく.。川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の臭いがたちこめる濃密な物語。
というわけでエロとグロの話でした、と。
文字面としては伝統的な日本文学的で、
書いてあることは汚いんだけど、汚さを感じない、というか。
内容も文体も確実に人を選ぶ作品なんだけど、
僕はわりと好きで、
それがテーマかどうかは分らないけれど、
嫌悪さえする親の性癖や性格はどこまで遺伝するのか、
ということは、子を持つ身として気になったのでした。
主人公は表面的には共食いをしたのだが、
精神的にはそこから逃れられた、ということで良いのかな。
と、書いていて思ったのだけど、
全く違う人種の人々のお話にも関わらず、
自分が少しだけ感情移入できたのは、
この土地に生き続けるのか、という葛藤があったからなんだなと。
田舎から出てみると、そんな大した事ではなかったと思えるんだけど、
そこにいる時には、それは途方もなくすごいことと思えるのだよね。

共喰い
posted with ヨメレバ
田中 慎弥 集英社 2012-01-27
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