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日本の思想と文化(講義要旨)

2016/02/18 00:22

参考書:

・吉村均『神と仏の倫理思想〔改訂版〕』北樹出版

http://www.amazon.co.jp/dp/4779304571

http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011071704168.html

・苅部直・片岡龍編『日本思想史ハンドブック』新書館

http://www.amazon.co.jp/dp/4403250947

(中国語訳 ISBN:9787513519137)

http://www.baike.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%80%9D%E6%83%B3%E5%8F%B2%E5%85%A5%E9%97%A8&prd=so_1_doc

(韓国語訳 ISBN: 9788963574066)

http://www.yes24.com/24/goods/3775605?scode=032&OzSrank=1

通史

・佐藤正英『日本倫理思想史〔増補改訂版〕』東京大学出版会

・丸山真男『日本政治思想史』1964〜1967(丸山真男講義録4〜7)東京大学出版会

・末木文美士『日本宗教史』岩波新書

講座

岩波講座日本の思想(全8巻)岩波書店

日本思想史講座(全5巻)ぺりかん社


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(『神と仏の倫理思想〔改訂版〕』一章1、3、補論)

梗概:

 西洋諸国のアジア進出、植民地化。このままでは日本も植民地化されかねないという危機意識から、明治維新。鎖国から転じて、急速な近代化を図る。日清・日露戦勝の勝利で世界的に注目、アジアの独立運動の担い手が日本の近代化に学ぼうと、留学。日本に敗れた中国からも。しかし西洋諸国とアジアの利権を相互承認するという方針により、独立を目指すアジア諸国の人々の失望。西洋諸国との対立深まり、アメリカとの全面戦争、敗戦。経済的には復興したが、思想的には。。。

トピック:

 学校教育制度・近代的な学問、西洋の知識や技術取り入れる目的で明治時代に設けられたもの。現在の状況には合わなくなっている。日本のことも本の中の知識・西洋のことをスタンダードとしその応用として。

 学校・学問のあり方への危機意識から生まれたのが柳田国男の創始した民俗学(その性格、『日本の祭』に)。日本の文化を生み出す元となった信仰の古い姿明らかに。

理解を深めるために(『日本思想史ハンドブック』関連箇所):

・「近代日本における「植民地」の影」(p148-150

・「「大東亜戦争」とは日本思想にとって何だったか」(p166-169

・「西洋から見た「日本」」(p30-33

・「柳田国男のえがいた日本」(p150-151


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(『神と仏の倫理思想〔改訂版〕』三章1)

梗概:

 中国・朝鮮半島から知識・技術を取り入れ、律令国家を建設。ただし他のアジアの国々と違い、科挙(試験による官僚採用)制度導入せず。豪族の連合体を超えた統一国家を建設するために、仏教を柱に(憲法十七条。その実現としての、全国に国分寺国分尼寺・奈良の都に大仏)。僧尼令で統制(本来、出家は世俗の法の外。国家のための祈祷者という位置づけ)。

トピック:

 当時の仏教の実態は、日本最古の仏教説話集『日本霊異記』に見ることできる。

 橋や港を僧が修築・管理し、旅人に教えを説くことにより、教えを広める(朝鮮半島への出兵をきっかけに仏教持ち帰った豪族多い)。

 自身も旅して修行する僧も現われ、土地土地の信仰に関わるように。神のまつり・死者のまつりを僧が担うように(前者は明治維新の際の神仏分離、後者は現在に至るまで、日本の一般的なあり方に)。
 伝統的な理解では、仏教は一律ではなく、相手に合わせて異なる教え。独自性は共同体の中よりも、共同体の外や共同体間で発揮される。共同体の都合を論理を超える因果。それゆえ豪族の連合体を超えた古代国家の原理となり得る(憲法十七条)。

理解を深めるために(『日本思想史ハンドブック』関連箇所):

・「律令貴族の思想」(p44-45

・「日本人にとって仏教とは何だったか」(p14-17

・(もっと知りたい人のために)「古代」(p196-197

・「『古事記』と『日本書紀』の世界像」(p40-43


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(『神と仏の倫理思想〔改訂版〕』一章3、三章2、3.「その後の展開」)

梗概:

 中国をモデルにした国家による歴史書編纂が終わり、それに代わるように日本独自のものとして勅撰和歌集編纂の時代へ。

 『古今和歌集』は和歌を四季に分類しており、四季という捉え方は。その後の日本の伝統的美意識のスタンダードに(じめじめとうっとおしい梅雨が排除されている、月=秋など、実際の自然環境とは必ずしも一致していない)。

 和歌・物語が文化規範となる(歴史も物語として語られるものに。『大鏡』『増鏡』など)。

 仏教(特に密教)の伝授をモデルに、秘伝として伝授(伊勢灌頂、古今伝授)。神道も、仏教の理論を手がかりに理論構築(中世神話)。様々な芸道生まれる。

トピック:

 歌・物語も、中性には芸道(今に残るものとして、お茶や生け花などのお稽古事)として。仏教に取り込まれた仏教以前からの要素が、仏教の理論を手がかりに発展。神道も同様(中世神道)。例として、古典芸能の能(楽)。世阿弥は世界の演劇の歴史をみても突出した存在。宗教的な背景を自覚(『風姿花伝』第四神儀)、しかし観客に対して演じることで思いもかけない事態(『風姿花伝』第二物学条々・鬼の条)。それを乗り越えるために、夢幻能の様式とそれを演じるための体系的稽古論(二曲三体)。

理解を深めるために(『日本思想史ハンドブック』関連箇所):

・(もっと知りたい人のために)「中世」(p198-199

・「「中世神話」の世界」(p50-53

・「『神皇正統記』の思想世界」(p54-55

・コラム「中世の芸能」(p64


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(『神と仏の倫理思想〔改訂版〕』「その後の展開」)

梗概:

仏教、元々一律の教義を持たず、土地土地の信仰と結びついて定着。儒教も古代に仏教と共に日本に。中国で体系的・理論的な朱子学(宋学、新儒教とも)おこり、アジア諸国に大きな影響。日本でも幕府の官学とされたが科挙制導入されず、朱子学批判の形でおこった諸説が日本儒教の中心に。

儒教、特に朱子学は仏教を虚なるものとして批判(排仏論)、神道・学問も仏教の影響下に構築されたものから、実なる知を標榜する国学に(その背景して木版印刷の発達も)。秘伝からオープンな知へ。明治における西洋の知の受容の基盤に。

理解を深めるために(『日本思想史ハンドブック』関連箇所):

・「朱子学と陽明学」(p76-79

・「儒学と神道との関連」(p82-85

・「中江藤樹と伊藤仁斎の思想」(p88-91

・「分水嶺としての荻生徂徠」(p92-95

・「「国学」の誕生」(p106-109


方法論:

(『神と仏の倫理思想〔改訂版〕』「補論」)

 戦後、いかに西洋的な知確立しうるかという観点からの丸山真男の研究大きな影響(『日本政治思想史研究』)。しかしそれは戦前に和辻哲郎が批判的に論じたもの(「町人根性」)の評価を否定から肯定に変えたもの。

 和辻は倫理学が西洋の学説の紹介であることに疑問、独自の「人間」の学構築。西洋は普遍道徳・個人道徳(普遍的な正しさを個人が知りうる)=一神教の伝統から。しかしそれには問題も(他人は物として欲望の対象に→資本主義・さらには帝国主義(アジア・アフリカの植民地化)。基本構造として「人間」(人は個であると同時に全体でもあるとう二重性、しかも個であることを否定して全体たりえ、全体を否定することで個たりえる)、具体的な当為は時代・地域によって。明治維新・日清日露戦争は全体性の発現として評価するが、維新の際に産業振興おこなったことにより西洋諸国の後追いで植民地化おこなうようになったと批判。

 和辻が「人間」の学において、一神教にかわる宗教的背景としたのが仏教の「空」。和辻独自の仏教理解による(出発点として仏像を美という観点からとらえた『古寺巡礼』。当初日本文化・精神史を研究。仏教以前終え、仏教の影響受けた時代の研究にはいり(論文「沙門道元」)、日本仏教の理解には中国仏教の、中国仏教理解にはインド仏教理解の必要痛感。しかし仏教を思想史として捉えた研究ないため、文化研究をいったん打ち切って仏教研究に。京都帝国大学で『仏教倫理思想史』講義。和辻は仏教を「自然的立場」批判と見、十二支縁起の形成を論じて、無明即明の構造をより高次から捉えたのがナーガールジュナの「空」であるとした。和辻は輪廻説を混入として仏教思想から除いたが、それは当時のヨーロッパの研究で、無我、空では倫理成り立たず、後に輪廻説が導入されたという説に対し、空の志向こそを倫理(菩薩行)とする立場から)。

 丸山は後年、「古層」論を提唱。神信仰(それを理論化したのが神道)は神とそのまつりを基盤。理論は後付けであるため、無意識的な部分で浸透(エートスとしての宗教)。それに対して仏教は一律の教義を持たず、段階的に物の見方変えていく教え(道としての宗教)。日本の神をあつかう民俗学では、柳田国男と折口信夫の間に解釈、研究対象の違い、対立(仏教への評価も異なる)。対象となる文化のレベルの違いと捉えることで、どちらも生かすことできる。それは共同体内では形は仏教となっても仏教以前の信仰がつづき、仏教の独自性は共同体の外や共同体間において、という実態とも合致。



Binder: ナーガールジュナ仏教研究所(日記数:87/全体に公開)
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