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弘法大師空海『秘蔵宝鑰』第八住心―慈母会館の講座より―

2016/03/05 10:29

今日(3月5日)の慈母会館の『秘蔵宝鑰』勉強会は、第八住心、法華経の教えについてでした。

http://dharmadrop.blog.fc2.com/blog-category-21.html
学生時代から法華経やそれに関連する教えについては苦手意識があり、正直、あまり勉強してこなかったのですが、弘法大師の説明に接して、ああ、そういう教えだったのか、と納得いくところがあり、私自身、とても勉強になりました。

法華経では仏陀が額の白毫から光を放ったり、地面が割れて宝塔が出現したり、SFXの映画のような不思議な光景が描かれていて、では何が説かれているのかというと、よくわからない、という印象を持っていたのですが、
弘法大師の説明では、(私たち凡夫は眼にすることができない)報身の仏陀が説いた、(瞑想中にすでに空性を体験した)初地〜十地の菩薩たちへの教えです。言い換えると、自分と自分が捉える世界を実体視する凡夫には体験できない、空性を体験した菩薩たちの眼に映る世界を描いた経典ということです。
実際には法華経では釈尊が教えを説かれていますが、それを後半で語られる久遠実成の仏(釈迦族の国に生まれ、修行してブッダガヤでさとりを開き、涅槃にはいる姿を示すのは方便で、実際にははるか昔に仏陀となっていて、このあとも存在しつづける)の境地を、(自身でもある無言の報身仏に代わって)化身の仏陀である釈尊が説かれている、と解釈されているようです。


「寂光の如来は、境智を融して心性を知見し、応化の諸尊は、行願を顧みて、分身相に随う。」加藤純隆・精一『空海「秘蔵宝鑰」』角川ソフィア文庫p241
「心・境絶泯して常寂の土なり。語言道断して、遮那の賓なり。身心也(また)滅して、大虚に等しく、随類影現して、変化の仁なり。」同p245
http://www.amazon.co.jp/dp/4044072132


これは華厳経にひきつけた法華経解釈で、天台大師智の解釈の影響が強いようですが、どの部分が直接天台大師の解釈に依拠し、どこが弘法大師ご自身の理解なのかは、勉強不足もあり、今回の勉強会には間に合いませんでした。

瞑想の境地にとどまりつつ、化身を生んで利他をなすというのは、チベットで有名なトクメー・サンポ『三十七の菩薩の実践』(「日本仏教がチベット仏教に学ぶもの」『現代仏教塾』妓古濕烹唯辰防嬾燭箸靴銅録)の冒頭に、
http://www.amazon.co.jp/dp/4344971671


 一切法は行くことも来ることもない(不去・不来)と観じられているが、
 衆生のためにひたすら励まれる、
 最高の師と守護者観自在に、
 常に三門(身・口・意)をもって恭敬礼拝します。


と説かれていて、チベットの伝統においては、よく知られた考えです。

それとまったく同じことを弘法大師が説かれていて、来日されるチベットの高僧方が弘法大師を高く評価されることに納得がいきました。


質問の時間に紹介した本のうち、
一冊は『図説法華経大全』学習研究社で、

http://www.amazon.co.jp/dp/4054013643/
もう一冊の天台宗の修行について、実際に修行された方が語られている本は、中野英賢『籠山十二年』日本文芸社でした。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000J9CL1S/


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