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宇都宮での入菩薩行論の勉強会が終わりました

2016/08/05 14:29

8月3日の宇都宮大学で、夏休み前の大学の授業はすべておわりました。宇都宮では、授業のあと、隔週で少人数の勉強会をおこなっていて、最近は入菩薩行論を学んでいました。
宇都宮に行くのは半年だけなので、入菩薩行論の勉強会も、2年にわたりましたが、無事最後まで読み終えることができました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
最終日は、九章後半と十章を取り上げたのですが、
自分が学ぶ側・読む側ではなく、説明する立場になることで、はじめて気づいたこともありました。


空とは、私たちが思っているような実体はない、ということで、
知識や信仰で理解することは困難で、実際に自分が本当かどうか確かめる(分析瞑想)必要があります。

九章では、
(空を理解する)智慧こそがさまざまな苦しみを根本から断ち切る手段であることが冒頭で示されたうえ、

仏教の説く二諦(勝義諦/世俗諦)について、前者が日常意識では捉えることのできない対象を捉えない深い瞑想中に体験するものであることが示されます。

その上で、中観派と(何らかの実体的なものを認める説一切有部・経量部のような)アビダルマ、唯識派との議論が示され、
実際に空を理解する段階にはいっていきます。

まず、「私」がどこにあるかを探し、どこにも「これが私だ」というものを見つけることはできないことで、人無我を理解します。
次に、法無我を理解するために、四念住の身・受・心・法の順番で、実体的なものが認められるか、分析していきます。

そのうえで、非仏教の無因説、自在天(シヴァ神)による創造説、サンキャ、ニヤーヤの所説を論駁し、
有/無を超えた仏教の縁起(これは『中論』や『入中論』で説かれているものです)を理解します。

その言葉を超えた境地を真に理解した時、私たちの心に、縁起を知らないがために苦に陥っている衆生をなんとかして救いたい、
という痛切な思いがわきおこってきます(九章の最後)。


入菩薩行論は、一章冒頭で説かれているように、シャーンティデーヴァが山の頂上から私たちに向かって、ああしろ、こうしろと命令するのではなく、自身が山に登りながら自分自身に言い聞かせる、というスタイルをとっています。
とはいえ、私たちがそれを読むことで同じ境地に進んでいくことは困難であるわけですが、

もし、シャーンティデーヴァが語っているのと同じ境地に到達しているなら、
十章で説かれている、六道輪廻の衆生を菩薩たちが救うさまは、まさに私たちがこれからおこなう実践になります。
「入菩薩行」というタイトルの、「菩薩行」に入るための教えが一章〜九章で、入った菩薩行の世界が描かれているのが十章です。

まだ、そこまで到達していない者にとっては、十章は、そうありたいという目標、願望になります。
(チベットでは十章は「チュンジュクモンラム」(入菩薩行の誓願)と呼ばれ、日課経にしている僧侶の方もすくなくありません。ダライラマ法王が東日本大震災の際に、アメリカへ渡られる途中、日本に立ち寄られて護国寺で法要を営まれましたが、そのとき、般若心経や(華厳経・入法界品の)普賢行願讃とともにお唱えになられたのが、このチュンジュクモンラムでした)

六道に苦しむ衆生の救済は、目を上げて救うために現れた菩薩たちのお姿を目にすることによって果たされます(苦しみは間違った実体視によるものであるため)。菩薩の姿を目にすることができれば、周囲の地獄の世界も浄土のような花園に変わります。

東京の慈母会館の勉強会では。今、浄土七祖の教えを学んでいますが、
親鸞聖人の説かれている救いは、まさにこの、自分に差し伸べられている阿弥陀仏のみ手に気づくこと、です。

その前は、弘法大師空海の秘蔵宝鑰を読んでいましたが、密教の灌頂は、すでにその世界の変容を体験した師の瞑想の境地に、弟子が一時的に引き入れていただいて、それを体験するためのものです。

入菩薩行論は、私たち凡夫がいかにして仏陀の境地を目指すかについての、ほとんど唯一の手がかりとなるもので、それなしに正しく歩みをすめることは困難ですが、それを学ぶことで、日本の高僧方が(入菩薩行論の手助けなしに)どのような境地に到達されたのかが、私たちにも理解できるようになります。


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