選択−枠組みを変えてみる
コロンビア大学シーナ・アイエンガー教授の「選択」の授業3回目の放送は「最良の選択」です。より良い選択をするための実践的なノウハウを伝授します。私たちの選択のより大きな根拠となるのは「過去の記憶」です。その記憶がいかに曖昧なものであるかを、教授が鮮やかに紐解きます。過去の間違った選択をしていても、ついまた同じように選択をしていませんか?と、教授は問いかけます。その間違いをしないために選択の記録「選択日記」をつけようと、教授は勧めるのです。決断ををするときの情報の捉え方や情報の集め方にも影響する枠組みを効果的に利用したケースがあります。1981年、コカコーラ社にロベルト・ゴイズエタがという伝説的なCEOが就任しました。彼は話し合いの場所を持つために、幹部社員たちと食事に行きどうすれば新しい清涼飲料水のシェアを伸ばせるかを話しました。当時この会社は清涼飲料水で世界シェアの45%を占め、業界トップを走っていました。でも、就任から数日たつとゴエズエタ社長は経営幹部全員の成長見通しを達成できたとしても、最大10%の成長しか見込めないだろうことに苛立ちを感じるのです。彼はそれが本当に気に入らなかったので、ある日幹部たちのこう尋ねました。「人が1日に必要とする水分の量は?」「世界の人口は?」「飲料市場全体における我々のシェアは何%だ。」答えは2%。幹部たちは45%だから安泰だと思っていたのに、突然2%に下げられて驚きます。そしてそのゴイズエタの新しい基準のために、幹部たちの視点はリスクを回避する利益の視点から、リスクをいとわない損失の視点へと移行していくのです。1981年当時、このメーカーの時価総額は42億ドルでしたが、1997年にゴイズエタが亡くなったときには飲料水事業にも参入し、時価総額は1520億ドルになっていました。ゴイズエタは幹部たちを奮い立たせ、想像力をかきたてることに成功したのでした。過信した決断についてのいくつかのケースを説明します。面接中の判断はどの程度当たるのか・・・およそ2%(実際に仕事をさせてみたりすれば25%)何故、新商品の9割は失敗に終わるのか何故、合併した企業の80%が計画通りに業績を上げられないのか何故、新しい企業のほとんどが4年以内に破産するのか人は新しいことや物に取り組むとき、その良い面ばかりを見てしまいます。結婚相手の場合も同じです。私たちは取り組んでいるものや、一緒に過ごしている人のポジティブな面に集中する傾向があり、目の前にあるものを過信してしまうのです。何も知らない人は過信もせず、非常に多くの事を知っている人も過信しません。大多数の人がその中間であり、少ししか知らないのにそれ以上に知っていると思って過信する人たちなのです。ウォールストリート社はある実験をしました。投資の専門家にいくつかの銘柄を選んでもらう。ダーツで銘柄を選ぶ。どちらのリターンが良かったでしょうか?・・・ダーツです。投資家は過信しているのです。フィリップ・テトロップという人がTVに出る政治家の批評と予測を20年間にわたり検証しました。ほとんどの予測が、偶然という程度しか当たっておらず、正しく批評し予測した政治家は一握りだったのです。過信しない人はTVには出ません。過信しない人は、小さめの予測しかしないので面白くないのです。
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