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止まるべきか行くべきか・・・

2012/02/09 08:39



Go−Around の話題が出たところで、私が訓練生だった頃の失敗談を思い出しました。
パイロット稼業の始まりは、セスナC150での飛行訓練だったのですが、最初の苦労は自動車運転の癖から抜け出せない事でした。まずは、地上滑走中の方向転換。
軽飛行機の場合、ノーズ・ギアと連動しているラダー・ペダルで方向転換を行うのですが、自動車の癖が出てしまって、操縦桿を回して曲がろうとしてしまうのです。
そこで教官からのアドバイス。「操縦桿から手を離して、腕を組んでろ」 確かにこれは有効でした。神経がラダー・ペダルに集中できますので、上手く曲がる事ができたのです。

も一つの問題が、スロットル・レバーでした。セスナC150のエンジン・パワー調整は、昔の自動車のチョーク・ノブのように、柄の丸いドライバーが計器板から突き出ているような形状だったのですが、チョーク・ノブの場合は、手前に引く事によりチョークが働き、同時にエンジン回転が上がるように設計されています。
ところが、飛行機のスロットル・ノブの場合は全くの逆でして、手前に引けばアイドル回転となり、一杯に押し込みますとフル・パワーとなるのです。

その日は教官を乗せずに単独でのタッチ・アンド・ゴー訓練を行っていました。
初ソロが終わった後は、自信をつけさせるためでしょうか、ソロ・フライトを行う機会を3回に1回ぐらいは与えられていたのです。
双発機の場合、エンジンが1発不作動になった時の片肺飛行が重要な訓練科目となるのですが、単発機の場合は、エンジンが停止してしまいますと飛行継続が不可能となりますので、不時着に適した場所をいち早く見つけ出して、その場所(例えば河原とか)まで滑空させながら、飛行機を安全に不時着させる事が求められているのです。
ただし、実際に河原に不時着する訳には行きませんので、180 Spot Landing と呼ばれる、滑走路を不時着場所に仮定しての模擬訓練を行うのです。その方法とは、


図のように滑走路の接地点標識のアビーム(真横)でエンジンをアイドルとし、その後は滑空を続けながら滑走路上へと着陸させるのです。
ただ、赤線のように滑走路から遠く離れてしまいますと、滑走路にたどり着けなくなって万事休す、対処の方法がなくなってしまいます。そんな時、無理に機首を上げて降下率を減らそうとしますと、同時に速度も減って失速してしまいますので(正確には失速させてしまう)、滑走の手前で敢えなく墜落となってしまうでしょう。もちろん模擬訓練ですので、そんな事は起き得ないでしょうが。
この場合の正しい対処法は、とにかく高めに飛行機を持ってきて(緑線)、最後の最後、サイド・スリップと言うテクニックを使って、速度を増やす事なく降下率を増加させ、滑走路の接地帯まで飛行機を持って行くのです。

解説が長くなってしまいましたが、その時の飛行時間は20時間そこそこだったでしょうか。
いつものようにアビームでパワー・アイドルとし、滑走路へと向けて旋回して行ったのですが、どう言う訳かフライト・パスがとんでもなく高くなってしまったのです。
なぜそうなったのかは分かりませんでしたが、何とか滑走路内には着陸できそうでしたので、そのまま進入を継続したのですが、Go−Around する事など全く頭に浮かばなかったと言うのが正直なところだったのです。

接地点は大きく延びてしまったのですが、1,200メーター滑走路の中間点付近に着陸する事ができましたので、本来なら難なく滑走路内で停止できるはずだったのですが、ブレーキを掛けてもタイヤがロックしてしまい、キィーキィーと悲鳴を上げるばかりで、減速してくれる気配が全くなかったのです。
「何故だ!何故だ!」 と、頭の中で思考が回転するのですが、理由が思い浮かびません。
訳が分からないまま滑走を続けていますと、滑走路の末端がどんどんと迫ってきます。「このまま飛び出すのか」 と思った一瞬の後、ハッと気付いたのでした。
「エンジンが完全にアイドルになっていないのではないか?」 と。もしそうであるのなら、フライト・パスが高くなってしまった原因も説明がつきますし、着陸後も揚力が残っていて車輪に十分な荷重がかからず、ブレーキが効かないのも当然の事です。

「よしっ、分かった!」 とばかりに、すかさずパワーをアイドルにしようとしたのですが、ここでまた自動車の癖が出てしまい、再び大ポカを犯してしまったのでした。
自動車のチョーク・ノブの場合は押し込みますとアイドル状態となりますので、スロットル・ノブをチョークを戻す感覚で思わず押し込んでしまい、エンジンがフル・パワー状態となって、飛行機は滑走路末端へと向かって勢いよく加速して行ったではありませんか!この期に及んでも、Go−Around には考えが及ばず、とにかく止まる事にしか考えていませんでした。
しかし、最後には冷静さを取り戻し、スロットル・ノブを手前に引く事により、あっけなく飛行機を停止させる事ができたのでした。
教官はハラハラしながら見ていたのでしょう。後で、「何をやってたんだ!」 と叱られました。

文章にしてしまいますと、長い時間のように感じられますが、全ての事は数秒間のうちに起こった出来事だったでしょう。
着陸を継続するか、Go−Around するか。離陸を継続するか、中止するか。決断は一瞬のうちに、しかも間違いなく行う必要があるのです。パイロットが最も緊張する瞬間だと言えます。



民主党内では耳を疑うような人事が行われたらしい。何と!
鳩山由紀夫を外交担当の、菅直人をエネルギー担当のアドバイザーに任命したそうですが、どう見ても
ブラック・ユーモアとしか言いようがありません。
この人事を主導したのが、例の輿石東幹事長。そう言えば、一川、田中の両防衛大臣の任命をごり押ししたのもこの方だそうですが、全くもって政治的センスの欠片もない御仁のようですね。何しろ、
「なぜ外国人からの政治献金が禁止されているのか承知していない」 と言い放った前科がある方ですので。
民主党と言うコップの中をかき回すだけの政治屋。この人の限界がかいま見えています。
やはり、前回の選挙で落選すればよかったのです。山梨県教職員組合の全面的バック・アップを受けて、やっと当選したようですが、これって、いま沖縄で問題になっている公務員の選挙活動ではないのかね?



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