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というより、お久しぶりです。
大昔いた大河原です。
お元気でしょうか?
いろいろあって戻ってこれませんでした。
またよろしくお願いします。
現在は、ニックネームを太鼓とあらためました。
よろしくお願いします。
読み込み中...-
MLNo.3593
老いぼれ猫さん
(0) 2011/06/04 17:08 [メール表示する]


大河原さん、こんにちわ。ごくまれに顔を出す老いぼれ猫です。
少しずつ老いぼれてきて、ハンドルもますますふさわしくなって
きた今日この頃でありますニャー。
わたしのメルマガに書いた話を転載します。
金庫の中にネックレスが2本ある。いつ、何のために買った物かも覚えていな
いが、つれあいは装身具をまったく身につけない人なので、金庫のこやしにな
ってるだけ。5月末には固定資産税と自動車税等を払わねばならないし、金価
格は高騰しているそうだし、この際売却することにした。
新聞には金製品買取店のチラシがしょっちゅう折り込まれている。しかしネッ
トで検索してみると、グラムあたりの買取価格を明示せずに相場よりも非常に
安い金額を提示して客がそれに応じれば儲けもの、という悪質な商売のようだ。
そこで都会まで車を飛ばして『田中貴金属』特約店まで出かけた。燃料代はか
かるもののごまかされるよりましだ。当日の貴金属品位“金K18”の買取価格
はグラム当たり2806円だった。
ところで、『ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高
い10分間の大激論の謎』(デヴィッド・エドモンズ他著・筑摩書房)という
長過ぎる題名の本を読んでいると、金(きん)が出てくる驚くべき話があった。
ウィトゲンシュタインは二十世紀哲学界のスーパースターである。その超絶的
天才ぶりは伝説となっていて、かの大経済学者ケインズがウィトゲンシュタイ
ンに会った時のことを………
「神が到着しました。五時十五分の列車に乗ってきた彼に会ったのです」
と、手紙に書いているほどである。ウィトゲンシュタインの博士論文の審査は
かのバートランド・ラッセルとG・E・ムーアが行ったが、本来は厳しい質問が
飛ぶところを、単なる雑談に終始したそうだ。
最後に立ち上がったウィトゲンシュタインは二人の大物哲学者の肩をたたいて
「気になさらぬように。あなたがたにとうてい理解できないのはわかってます
から」と慰めたという! (いずれも上掲書より)
(わたしは一冊5千円もするウィトゲンシュタイン全集の内の三冊を持ってる
が、こりゃ読む前に諦めたがよさそうだ)
さて、ウィトゲンシュタインはオーストリアきっての大富豪の家に生まれた。
家はウィトゲンシュタイン宮殿と呼ばれ、ブラームスの曲が初演され、プロコ
フィエフやラヴェルはピアニストだったウィトゲンシュタインの兄のために作
曲し、クリムトは姉の肖像画を描いた……という調子のとんでもない家である。
ここに危機が迫った。ナチスが台頭しオーストリアも併合されてしまったので
ある。ウィトゲンシュタイン家は先祖にユダヤ人を持ち、一般にはユダヤ人と
見なされていた。
ウィーンに残った姉二人を救出するためにウィトゲンシュタインは奔走した。
ナチスの規定では、祖父母4人の内の3人がユダヤ人ならユダヤ人と認定する。
そこで2人まではドイツ人だったと認めさせるために弁護士を代理人に立てて
交渉した。
亡くなっていた彼の父は賢明にもアメリカに資産の多くを移していた。ナチス
は軍備費のためにユダヤ人の金持ちの資産を没収したいが、アメリカには手を
出せない。そこで交渉は成立した。
ウィトゲンシュタイン家の資産の外国通貨建ての大半をドイツ帝国銀行に譲渡
する。その代わりナチスはウィトゲンシュタイン一族の先祖に関する申立を認
める。
「こうして、ベルリンのナチス政府の高官もすぐさま関心をよせる巨費をなげ
うって、ウィトゲンシュタイン姉妹の安全は買いとられたのである。それは目
もくらむ膨大な額、じつに1・7トンの黄金であった」
上掲書より引用
ウィトゲンシュタインの姉二人はとくにいやがらせも受けず、もちろんアウシ
ュビッツなどに送られることもなく、ウィーンで終戦まで生きのびることがで
きたという。
地獄の沙汰も金次第の、とてつもない実例であろう。
老いぼれ猫拝

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MLNo.3594
老いぼれ猫さん
(0) 2011/11/21 22:14 [メール表示する]


(自分のメルマガに書いた話を投稿します)
これまでウイスキーには無知無関心だったのが、急に飲まなきゃならない
ことになり(飲まなきゃならないってことはないんだけど)とりあえず4〜5冊、
ウイスキー本を読んでみました。
すると思いがけず、ウイスキーと猫は縁が深いことがわかったのですニャー♪
ウイスキーを作るには何はともあれ大量の大麦がいる。これは鼠や雀の大好物
である。そこで勝手に住み着いた野良猫も有害動物駆除員として正式に(?)
雇用されるというわけです。それも本当の終身雇用です♪
グレンタレットというスコットランド最古(自称)の小さな蒸留所では(以下
引用)
>試飲のために見学者が集まっている小さな応接室から外をのぞくと、コンク
リートの上に猫の足跡がくっきりと残っているのに気がついた。
「ああ、あれはタウザーの仕業です」と、ガイド嬢。「新しいコンクリートを
打つとやって来て、ああして自分の足跡をつけるんです」。
ハリウッドのスター並じゃないか、と私は思った。タウザーはこの蒸留所で生
まれ、以来、十九年間、ここに住みついているのだという。ここではちょっと
した「カオ」だ。
『WHISKY C・W・ニコルのスコットランド紀行』
C・W・ニコル著 森洋子訳 徳間書店
これが1982年のことらしいが、平澤正夫という方が書いた本では、この猫
はすでに伝説と化しているのですニャー(@_@)
>この蒸留所には「タウサー」という有名なネコがいて、1987年に二十三
歳で死ぬまでに、とらえたネズミが二万七千八百九十匹という大記録を樹立し
た。
蒸留所は大量の大麦を貯蔵するので、ネズミのかっこうの棲家であり、どこも
たいていネコを飼っている。グレンタレットにも、「タウサー」にかわる二代
目がいる。
平澤正夫著 『スコッチへの旅』 新潮選書
二万七千………って、誰が集計してたんだ? とは思うけど(笑)、ネズミが
いくらでもいるなら、一日三匹ぐらいは難なく捕獲できたのか。
タウサーの名前が残るところは、やはりその精勤ぶりに他の猫を圧倒するもの
があったのでしょう。わたしが猫なら怠ける日もあったに違いないからね(笑)。
C・W・ニコルさんはここの猫について(以下引用)
>蒸留所の猫は気質的には、船で飼われる猫と似ているようだ。飼われている、
といっても、船員たちはやたらと構って甘やかしたりはしない。彼らは獲物を
求めて船内を自由に動きまわる、誇り高き狩人なのだ。農場の猫よりは親しみ
やすいが、家庭の飼い猫よりは勇猛果敢である。
『WHISKY C・W・ニコルのスコットランド紀行』
蒸留所には麦芽を乾燥させたり原液を蒸留させたりの設備があって暖かいし、
獲物が豊富で大事にされるなら天国ではないか。
だが、近代化のために麦芽を発酵させて原液………ビールのようなもの、単純
化していうとブドウ酒を蒸留させたのがブランデーなら、ビールを蒸留させた
のがウイスキーということになるらしい………を作る作業は外部委託が進んで、
今では大麦を直接扱う蒸留所は少数派のようだ。猫達はどうなった。
平澤正夫氏の本にはとても印象に残る話がある。暗い話だが………(以下引用)
>ウイスキー樽は大きいのから順に、バット、ホグシェッド、バレル………と
あり、バレルでも約180リットルの大きさだ。
ところがひとつだけ、二、三十リットルぐらいしかはいりそうにない小さい樽
が目についた。しかも、鏡板には195X年と書いてある。これはもうとっと
きのウイスキーにちがいない。私は目をかがやかせて、マネジャーに質問した。
だがーーーーーーー
「あれは、ある父親からの預かりものです。スコットランドでは、男の子が生
まれると、その年に仕込んだウイスキーを一樽買い、熟成させ、こどもが成年
に達したときに贈り、樽をあける習慣がある。
この樽もそうなんだけど、実は息子が失踪してしまった。生死がわからない。
父親は息子をあきらめきれず、こうして樽はあずかりっぱなしになっています」
薄ぐらい倉庫のなかで、マネジャーは静かに話した。おもわず、たがいに顔を
みあわせ、出口へといそいだ。
平澤正夫著 『スコッチへの旅』(新潮選書)より
前半だけなら、スコットランドには何と素敵な風習があるのだろうと思うのだ
が、後半を読むと………
さらに、195X年と思わずぼかしてしまったが、これは正にわたし(老いぼ
れ猫)の生まれ年なんですよねえ。つまり、わたしと同じ年にスコットランド
で生まれた男の子が、
「失踪」としか事情は書かれていないが、可能性としてもっとも高いのは幼児
の頃に誘拐されて行方不明になったということではないか。殺されてしまった
のか、他人のもとで育てられて生きてはいるのか………
もはや、わからずじまいとなるのであろう。
老いぼれ猫拝

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