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自殺に至るいじめ 教育再生会議そして教育基本法 (現代史のトラウマ その11)

2006/12/03 17:31

さて、政府の教育再生会議有識者委員による「いじめ問題への緊急提言」について。

報道(毎日新聞11月29日夕刊)によれば、その一項目目は

ヽ惺擦蓮∋劼匹發紡个掘△い犬瓩枠深匆馘な行為として絶対許されないことであり、かつ、いじめを見て見ぬふりをする者も加害者であることを徹底して指導する。<学校に、いじめを訴えやすい場所や仕組みを設けるなどの工夫を><徹底的に調査を行い、いじめを絶対に許さない姿勢を学校全体に示す>

という文言となっている。傍観者の罪、という認識自体は正しい。傍観者の共同責任という考え方は正しいものであることに、私も同意する。

第二次世界大戦の経験が、特に戦後ドイツにおいて、もたらした認識でもある。抑圧的な体制の形成、抑圧的な体制の維持、抑圧的な体制による犯罪行為への加担のみでなく傍観自体が罪なのであるという認識がそこにある。


ところで、教育システムの現状である。
教育再生会議とは何なのか。
教育行政の責任は文部科学省にある。教育システムの現状に一義的に責任を負わなくてはならないのは文部科学省なのである。
一方で、戦後日本の政治の中枢を継続して担い続けてきたのは自由民主党である。教育再生会議とは、現在も政権担当政党である自由民主党の政府官邸主導により設けられた組織である。これまでの教育行政を、政治的に主導してきた政党による内閣により設置されたということだ。
一方に行政責任を負うべき文部科学省があり、一方に政治責任を負うべき自由民主党とその政府がある。日教組が果たした役割など小さなものだ(ブレーキ役としての存在を過小評価するべきではないと思いはするが)。
教育システムの現状とは、文部科学省と自由民主党政府が一体となって戦後の60年間をかけて達成されたその「成果」と考えなければならない。
そして、それを支え続けてきたのは、複数政党制による普通選挙を保障されてきた国民の選択である。
教育システムの現状について、国民もまた、政治的に、共犯者であることは免れないということだ。

教育基本法の文言を見る。

前文から
 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
第一条から
 教育は、人格の完成をめざし、平和な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。
第二条から
 この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めねばならない。

現状の教育システムが抱え込んでしまった問題。果たして、教育基本法の理念の実現の結果なのであろうか。
教育基本法の理念を放置し、逆方向を目指した政策・行政の存在こそが、この60年間の現実ではないのか。
教育システムの現状の象徴のようになってしまっている、自殺に至るいじめの問題。それは、決して教育基本法の理念が生み出したものではなく、一貫して教育基本法の理念に反した方向を向いた、政治と行政の責任と考えなければならないのである。そして、傍観者どころか、積極的に投票行動により現状を支えてきた国民の責任もそこにある、ということだ。

           続く


Binder: 現代史のトラウマ(日記数:656/全体に公開)
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最新コメント

  • Comment : 1
    ギャラリーZzz臓図
     2006/12/10 01:57
    コメント2もさせて頂きます。

    虐めに関しては、解決できるレベルというのがあると思うのですが。
    「虐めを無くそう・虐めは良くない」という視点ばかりで、解決策があまり世間では、論じられません。

    どうしても「現状の中で何とかしなくちゃいけない。」と、なっている様に思います。


    企業の改革は解決を伴なう様ですが、JRや行政はどうも対応止まり。
    国というのは、厄介なもんですね。

  • Comment : 2
    umasica :桜里
     2006/12/18 16:18
    それを生み出してしまうシステムの存在への想像力がなければ、「解決策」は見出しえないでしょうね。
    システムの生産物を、出来上がるたびに叩き潰すより、システムを変更してしまうのが真っ当な「解決策」なはずなんですが、ホントに厄介なもんです。

    とにかく、戦後61年ですから、今や、現在の官僚システムは、戦後教育システムの産物となってしまっているわけです。
    システムの製品にシステムへの批判性を期待する方が間違っているのかも知れません。

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