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現代史のトラウマ、その3 なんて題で書いてしまう今日もフツー日記 (再録)

2007/05/12 11:33

(本日も、昨日に引き続き、「現代史のトラウマ」、といっちゃいます。内容の解読に苦労することはないでしょう。多少硬派一般向け日記となるはずです。泥沼でなくてトラウマ、いぢわるもないことでしょう、多分)


昨日、20世紀半ばの戦争の名称をめぐり、「欧州における第二次大戦、日本における大東亜戦争」という記述をしました。
その背景にある(私なりの)論理についてお話しすることから始めましょう。
”World War 供匹、第二次大戦の原語です。後に第一次大戦と呼ばれることになる”World War”(世界大戦という訳語の方が正確のような気もしますが、大戦という表現に局地戦ではないという意味も込められていると勝手に決めて、大戦でいきます)がもう一度起きてしまったので、第二次大戦なわけです。欧州全域が巻き込まれ、歴史的には「総力戦」という概念が誕生したのが第一次大戦だった、ということになります。つまり、欧州を中心とした(後に参戦した米国を含む)概念であるということです。
「大東亜戦争」という名称は、1941年12月12日の閣議決定に基づく、12月8日の真珠湾攻撃に始まる戦争の、公式名称です。
私が、「大東亜戦争」という呼称を採用する理由の一つは、この歴史的呼称であるということ。第二点は、「今次の対米英戦は、支那事変をも含め大東亜戦争と呼称す、大東亜戦争と称するは、大東亜新秩序建設を目的とする戦争なることを意味するものにして、戦争地域を大東亜に限定するものにあらず」(朝日新聞による)という情報局発表にあります。遡及的に、支那事変もこの「戦争」の名称に含めると言う宣言・認識がここにあるということです。
支那事変とは中華民国の主権領域内へ、宣戦布告することなく、中華民国政府軍への武力行使を拡大して、ついには首都占領に至る、大日本帝国の軍隊の行動をさすものです。独立した統帥権という概念は、この軍事力行使が、天皇の名の下に行われた(これは、天皇自身の思いとは別の問題です)大日本帝国の国家意思に基づくものであったことを示しています。「事変」という呼称の使用は、不戦条約調印国の一国として、戦争という呼称が、条約で禁止されている「侵略」にあたるものとされるのを避けるための措置と考えられています(そのために「宣戦布告」はされていないわけです)。
「大東亜戦争」とは、あらためて、その軍事行動、武力行使が戦争の名をもって語られた、ということなのです。

この意味は重い、と私は考えています。「アジア解放のための戦争」という論理がここに崩壊するからです。12月8日に始まる対米英戦は、基本的に、欧米諸国の植民地となっていたアジア地域における宗主国との戦争でした。形式的には「解放戦争」という論理は成り立ちます。しかし、支那事変とは、宣戦布告抜きで、他国の主権領域内に正規軍を送り込み、敵対的な軍事行動を続けた事態への大日本帝国からの呼称でした。それが、遡及的にであれ、「大東亜戦争」という呼称の下に含まれることとなった以上、その「侵略戦争」としての性格付けを免れることは出来なくなる、と私は考えます。12月8日の対米英開戦自体が、支那事変の帰結としてのものでしかない以上、大東亜戦争をアジア解放戦争と位置付けることを、論理的で、説得力のあるものとしては、私は信ずることが出来ません。
憲法9条の「改正」をめぐる議論の中で、わが国への「北朝鮮」による敵対的行為、軍事力行使の可能性への対処、を理由とするような議論が横行しています。
が、しかし、「北朝鮮」が宣戦布告することなく、ミサイルを発射したり、わが国の領域内に工作員を送り不法な行為を行ったとしても、それをわが国への侵略行為であると認定する根拠を、大東亜戦争(支那事変)の侵略的側面を認めない限り、わが国は論理的に持ち得ない、と私は考えています。これは、「北朝鮮」の脅威を持ち出すだけでは、自衛隊、あるいは自衛軍の行動の根拠をわが国は持ち得ない、ということも示しています。
憲法9条をめぐる議論、自衛隊の地位をめぐる議論で、その改正、その強化を主張するなら、まず、大東亜戦争(支那事変)の侵略性を認めることが、それらを説得力ある主張とするための第一歩でなければならない。これが、私の考えです。

                                   続く



                    (2006年10月8日の日記の再録です)


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Binder: 現代史のトラウマ(日記数:647/全体に公開)
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