
読み逃した人はまずは 「前編」をこちらで
そして 後編。
アキバのホコ天レポート 「最後の軌道修正」
4月27日日曜日。
この日からパトロールが強化された。
行過ぎた表現の自由と 欲望に感化された人の主体性を奪う表現。
僕はその真の意義を問うために 演説を開始した。
「秋葉原を通行中のみなさん、突然の無礼を許していただきたい。
私はかつてシャア・アズナブルと呼ばれたこともある男だ。」
ただの売名行為と 散々罵られてきた私は、
自分が本当に売名行為をしているのか それても 信念により立っているのか
わからなくなったことがあった、
だが、炎上事件と戦う中で 売名行為では確実にきり捨てることの出来ない
使命感が自分の中にあることがわかった。
かつて 昔、テレビでみたことのある 月光仮面のコスプレをして拡声器で
しゃべる男。おそらく20年くらい前のニュース映像だと思う。
こんな正義の味方が 「本当に正義のための演説を行なったらすごい」
という 思いからこの行為は始まっている。
こんかいは ガンダム0083 のアナベル・ガトーをベースにした演説だった。
「なんと不甲斐ない。鎧袖一触とはこのことか!」
「パフォーマンスをやめてはいけない。この最後の軌道修正が・・・・!!」
ガトー最後の台詞は この演説の骨子となるところだ。
そう!無法地帯の秋葉原と メディアにレッテルを貼られた。
そして かつての僕と同じように 大衆の意見に抗うことが出来ずに
正義は風化する。
その前に 僕は「最後の軌道修正をしようとした」
アキバは無法などではない。
なぜなら僕達は アニメや漫画の正義を見てきたのだから。
本当の表現はヲタクを欲望の卑劣な奴隷に 貶めるようなものではない。
携帯のカメラを向ける若者たちが一気に膨れ上がると
二人の警官が 2時の方向から歩いてきた。
もはや、ここまで。
マイクを止めて 演説を終了した。
片付けながらも 激昂する警察官に
僕は話した。
「なんで やるんだよ!やっちゃいけないって書いてあるだろう」(警官)
「はい、わかってます。しかし、本当の表現がどういうものか、それをあらわしたかったんです。
警察をバカにとか、ってそんなのは嫌なんです。僕は本当の正義を伝えたいんです」(ウェルダン穂積)
テレビカメラが二台くらい近くにより 高感度集音マイクを向けられる。
警察とのやりとりをつぶさに撮影しているようだ。
僕はここぞとばかりに 語り始めた。
「今の日本社会に必要な正義をみせたい。
自殺する人とかを留まらせるため、・・・」
という趣旨のことを言った。
「いいから手を動かして片付けろ」(警官)
語りながら手を動かす。そのとき人がどんどん集まってきてしまっていた。
すると5人くらいの警官に囲まれていたのだが 一人の警官が突然 激昂した。
僕の手首を掴み
「はい、連行だ。署に来なさい。」
と強引に連行された。
「ちょ、ちょっと僕、バイトがあるんです(事実)」
「ダメだ。来なさい。はい、今、一名署に連行します(無線で)」
マスクをとったリアルシャア・アズナブル ついに逮捕か?・・・
周りの群衆は 驚いた
「すげ〜、シャアがついに捕まった」
横断歩道を渡る人たちも
「すごい衝撃的だ。シャアが逮捕されちゃったよ」
言い始める。
僕はどうどうと連行された。今こそ僕の正義の真価が問われる。
「お前何回目だよ!」(警官)
「なんであんなことすんだよ!」
僕は二人の警官に連行されながらも とうとうと、自分の思想を語った。
「本当の悪ってなんなのか、
規制の中で、本当にやめるべきことと残すべきことはなんなのか。
それを示したいんです」(ウェルダン穂積)
「絶対的な悪ってないと思うんです。じゃあ、いったいなにが正しくてなにが間違いなのか。
本当の正義ってなんなのかな、って思うんです」
語れば語るほど警官は怒り心頭した。
「悪なんだよ。お前は悪なんだ。やっちゃいけないことしたら悪いに決まってんだろう」(警官)
署につくまでの15分くらい ずっと口論を続けた。
署につくと その警官は言った
「ここまで 折れないやつは 初めてだよ!」
万世橋警察署の取調室のような場所に連れて行かれて
書類を書かされる。
いよいよ、書類送検かなにかで、もう社会的に抹殺されるのか・・・
俺は本当に 「悪」になってしまうのか・・・
悔しかったが、どうにもできなかった。
警察は 一方的に僕を悪と決め付けて
少しも僕の言い分は聞かなかった。
そのことが必ずしも いけないとは思わないが、
なぜ 話を理解しようとしないのか 筋が通っていなかったように思える。
今までに僕がやってきた行いが全否定されたようだった。
4・6伝説の新宿デモ。
青木ヶ原の樹海の自殺防止活動、
アニメのキャラクターへの哀悼式
僕の周りを駆け回った子供の笑顔、
泣きたくなってきた。
「はい、ちょっと立ちなさい」(警官)
ポラロイドカメラで写真を撮る。
俺は、いよいよ犯罪者になるのか・・・
鞄の中を執拗にチェックされる。
「ナイフみたいなのはないのか。あるなら今言え、あとで見つかったら大変なことになるんだぞ。」
あるはずないのだが、なぜか あったらどうしよう、という不安を催させる。
こういう恫喝に近いことはいけないらしいのだが、
まあ、それをとやかく揚げ足を取るのもいいと思えない。
職業、年齢、電話、免許証、
すべてをチェック、記入させられる。
「もう二度と無許可で路上パホーマンスをしません。」
という文面が書かれた (パホーマンス?というのが笑えたが)
宣誓書に署名と拇印をした。
秋葉原の歩行者天国専用に 作られた紙のようだ。
ビラ配り、路上ライブ、パホーマンスの3つの欄があり 僕はパホーマンスに
属された。
「迷惑かけちゃだめなんだよ、人に迷惑をかけることをしちゃだめなの」(警官)
「はい、わかってます。でも、人に迷惑をかけちゃダメだ、ダメだ、
と規制を強化した世の中が、本当に人に迷惑をかける人間を生むんです。」(ウェルダン穂積)
「それは抑圧であって、自立した本当のありかたではないんです」(ウェルダン穂積)
その間も ずっと警官と 口論をしていた。
「本当の正義なんてないんだよ。」(警官)
「君のは表現じゃないの。ギリギリのところでわかるもの?そんなものなんてないんだよ。
君はやっちゃいけないことしたの」(警官)
「もうだめだよ、君は。なんにも訴えられることなんてないよ。
テレビだって映っちゃうよ。悪い人として」(警官)
なんでだ、なんでこんなことになってしまうんだ。
「はい、じゃあ親呼ぶからね。どこで働いてるの。」(警官)
ついに 親を呼ぶということになった。
「いや、お母さんはまずいです・・・」(ウェルダン穂積)
「ダメだよ。親に来てもらわなきゃ・・・。
君はそれだけのことをしたんだから」(警官)
「あの人は・・・」
急に 涙がこみ上げて来た。
肩を痙攣させながら 溢れる涙を拭った。
嗚咽を漏らす僕の声だけが 響いた。
「幸せにしたいんです・・・」(ウェルダン穂積)
「誰を?!」(警官)
「お母さんに・・・あの人は警察沙汰とか、すごく嫌うし、誤解すると思うんです。
犯罪者を悪としてレッテルを貼って 他人事のようにして自分は笑っていて、
・・・それは 幸せなんかじゃないんです・・・」
(ウェルダン穂積)
僕の行為を微塵も理解してくれないであろう母を思うと悔しかった。
今、この現場だけは母に見せたくなかった。
「じゃあさ、あんた社会的に正義を訴えるならさ。
老人ホームとか行ってやりなよ。そこでパフォーマンスしてさ、
それが合ってるから。違う形で表現しなよ。それで世に出なよ」(警官)
ちなみにこの警官は 一番アキバでお世話になったいつも僕を注意する人です。
取調室の 机を涙でぐしょぐしょに濡らした 中年。
親呼ばれる、と言われて泣いている 恥ずかしい中年。(今年で30です)
僕は 泣きながら思った。
「僕は 母を愛してるんだ」
多少、自惚れた自己中心的な考えだったが、そう思った。
なんだか とてもいいことをしたような気さえしてきた。
僕が机に向かっている最中に 若者がひとり となりの部屋に連れてかれて来た。
「おい!お前、またやったのか!!」(警官)
若者に向けて どなる警官・・・いったいなにをしたというのだろう。
麻薬か?それとも・・・
「またスケボーで走ったのか!」(警官)
す、スケボー?
「はい、走っちゃいました」(若者)
こののどかな光景・・・、ある意味これが僕の求めている青春の世界である。
ついに拘束を解かれたウェルダン穂積。
アキバのホコ天はなにごともなく 流れていた。
路地から出てきた二人の少女が コスプレ衣装貸し出しの店で借りた
かわいらしいメイドの格好で楽しそうに歩いていた。
これが 秋葉原のあるべき姿か。
古より、人は自由というものを勝ち取るために闘ってきた。
傷つき倒れたものの意志を継いだものたちが
社会を作る。ルールを作る。
ニュース映像で見るかぎり 一見 無法地帯で騒ぐ若者たちも
なにか外国のニュースでよくみる
「自由を勝ち取るために闘うものたち」
のようにも見える。
当然その志にちがいはあれど、闘うべきものが見えずらい現代社会で
闘うには こうするしかないのかもしれない。
僕はブレずに主張と活動をしたつもりだ。
そしてその意味も意義も 知っている。
まだ戦いは終わっていない。
よ〜し、ルールを守ってやろうじゃないか。
警察は言った。
「その模範になろう、と思っている君がルールを破っちゃだめでしょ」
僕は ルールを越えるには 理念と意義がなければいけないと思っている。
大事なのは その中にある哲学の規範になりたかった。だがそれは
あまりに難しい表現なのかもしれない。
だが、そこにメスを入れていかない限り、
マスコミがわかりやすすぎる報道を続ける限り ほんとの自由や愛を社会は育むことなどできない。
100年後、いや10年後、いや1年後には
僕の行いが 間違いじゃなかった。
金八先生の言っていた
「悪いことをしたが 間違っていたとは思ってないんだな」
そう、
僕は 悪いことと認識した上で
本当の自由と正義を 炙りだそうとした。
エアガン乱射や下着撮影、それがいいわけがない。
アキバ文化は腐敗したというレッテルを 貼られないように
規制してものいわぬ 文化にするのではない。
本当に情熱のあるものを 選び取っていかなくてはいけない。
新宿警察24時をみればわかるが、
こんな些事は 社会の本当の悪とは程遠い。
我々は 暗部を隠したりするのではなく
すべてを照らす光足るべく情熱を注がねばならない。
ならば、私は今一度 アキバ解放デモを 立ち上げたい。
2007年6月30日に行なわれ400人近い動員があったあのアキバデモ。
最終的に 空中分解して 「敗北」のレッテルを貼られたあのアキバデモ。
規制された表現を
認められた場で みんなで行なおうではないか。
できうる限り表現しやすいように 行ないたい。
まだ草案すらできていないが 今こそほんとうにアキバを開放するときだろう。
メディアも警察も敵ではない。
そのあり方を 共に模索すべく
我々はテーブルにつかなければいけない。
はっきり言って「正義」という言葉に ほとんど反応しなかった
「警察」のリテラシーは多少疑問を持たざるをえない。
今回の僕のケースは温かったが、
あれはきっと痴漢の冤罪などの場合 すさまじい理不尽な道を歩むこともあるだろう。
「君は自分がどれだけ危険な存在か、わかっていない」
それは アキバのヲタクも同様、
我々は今、その存在の危険性を認識してそのあるべき処し方を見極める目に
哲学の底上げをしなくてはいけない。
立てよ国民!!ジーク日本!!
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