マグサイサイ賞に明石書店・石井社長…人権テーマの出版評価【マニラ=稲垣収一】フィリピンのマグサイサイ賞財団は7月31日、「アジアのノーベル賞」といわれるマグサイサイ賞の今年の受賞者(ジャーナリズム部門)に、明石書店社長の石井昭男さん(67)を選んだと発表した。日本人の同賞受賞は23人目。授賞式は8月31日、マニラで行われる。 石井さんは、1978年に同書店を創業。同和問題や外国人、障害者差別など人権問題をテーマにした出版が評価された。石井さんは、読売新聞の電話取材に対し、「創業から30年、一貫してきた出版理念が認められ、大変うれしい」と話している。(2008年7月31日 読売新聞)石井社長と明石書店関係者の皆様、おめでとうございます。僕も同社の出版物にはかなりお世話になっているので、この受賞の意味というのはよくわかる。因みに、昨年の同部門の受賞者はインドのP.サイナート氏。同氏といえばインドの農民の自殺問題を追い続けるジャーナリストで、論説がHindu紙によく掲載されている。サイナート氏が受賞するのなら明石書店の受賞は当然のことだと思う。
因みに、マグサイサイ賞とは正式名称をラモン・マグサイサイ賞 (Ramon Magsaysay Award))といい、フィリピン大統領ラモン・マグサイサイを記念して創設された賞である。毎年アジア地域で社会貢献などに傑出した功績を果たした個人や団体に対し、マニラ市のラモン・マグサイサイ賞財団により贈られ、「アジアのノーベル賞」とも呼ばれる。(Wikipediaより引用)
ところで、ノーベル賞にも幾つかの部門があるように、実はマグサイサイ賞というのにも幾つかの部門がある。 「政府サービス(Government Service)」「公共サービス(Public Service)」「コミュニティ・リーダーシップ(Community Leadership)」「報道・文学・創造的コミュニケーション(Journalism, Literature and Creative Communication arts)」「平和・国際理解(Peace and International Understanding)」「新興指導者(Emergent Leadership)」の6部門であるから、当然受賞者も最低6人はいることになる。1部門で複数の受賞者が出るケースもあるからだ。では、石井社長が「報道・文学・創造的コミュニケーション」部門で受賞したとなると、他の部門の受賞者は誰なんだろうか。実はここからが本題―――。
ここインドでは、「コミュニティ・リーダーシップ」部門であるご夫妻の受賞が話題になっている。先ずは新聞記事から。マグサイサイ賞、プラカシュ・アムティとその妻に2008年8月1日、Ramu Bhagwat記者(TNN)【ナグプール(マディア・プラデシュ州)】ババ・アムティ(Baba Amte)が公共サービス部門でマグサイサイ賞を受賞してから30年以上が経ち、今度は彼の息子であるプラカシュ・アムティ(Prakash Amte)はマンダキニ(Mandakini)夫人とともに、木曜日、アジアのノーベル賞と呼ばれる栄えあるマグサイサイ賞の「コミュニティ・リーダーシップ」部門で同賞を受賞することになった。 受賞の知らせを聞いた時、プラカシュ氏は自分がいちばん得意としていること、即ち動物の保護を行っていたという。「8フィートもある大きなニシキヘビが網に絡まっていたのです。先住民の何人かがそれをジャングルの中で見つけ、私のところに運んできました。私はそのヘビをネットから外し、怪我の手当をしていたところにこの知らせが来たのです。」――そう彼は言う。 35年前のこと、プラカシュ氏が父の足跡を辿るうちにマディア・ゴンド族という先住民のための最初の病院を設立することになる。マディア・ゴンド族はマハラシュトラ州ガチロリ(Gadchiroli)県から隣りのチャッティスガル州の一部であるバスタル(Bastar)地域にかけて広がる森林地帯の厳しい生活条件の中で暮らしている。医学の学位を持ち、プラカシュ氏は先住部族のために働けとの父の教えに従った。ババ・アムティは1975年に同賞を受賞している。 この医者夫婦は「マディア・ゴンドのキャパシティを高め、癒しや指導、そして慈愛に満ちた関与を通じ、マディア・ゴンド族が今日のインドにおいて積極的に適応するように仕向けてきた」ことが受賞のきっかけとなった」と、マニラのラモン・マグサイサイ,賞財団関係者は述べている。出所:Times of India今年2月、ババ・アムティが逝去した時も新聞各紙はその死を大きく取り上げていた。彼が亡くなった時94歳だったことが記憶に残っているのである。新聞の扱いは「巨星墜つ」といった趣きだった。今回はその息子夫妻が受賞したのだから、話題にならないわけがない。
ところでここでふと疑問に思ったのは、インド人ないしインドに住む人で同賞を過去に受賞した方が何人いらっしゃるのかということである。興味がわいてきたのでちょっと調べてみた。以下がその結果である。
Government Service 4人
1959 C D Deshmukh - India
1994 Kiran Bedi - India
1996 T N Seshan - India
2003 James Michael Lyngdoh - India
Public Service 8人
1965 Jayaprakash Narayan - India
1974 M.S. Subbulakshmi - India
1982 Manibhai Desai - India
1985 Baba Amte - India
1989 Laksmhi Chand Jain - India
1993 Banoo Jehangir Coyaji - India
1997 Mahesh Chandra Mehta - India
2005 V Shanta - India
Community Leadership 17人
1958 Vinoba Bhave - India
1963 Verghese Kurien, Dara Khurodi, Tribhuvandas Patel - India
1966 Kamaladevi Chattopadhyay - India
1971 M.S. Swaminathan - India
1977 Ela Bhatt - India
1979 Mabelle Arole, Rajanikant Arole - India
1981 Pramod Karan Sethi - India
1982 Chandi Prasad Bhatt - India
1996 Pandurang Shastri Athavale - India
2000 Aruna Roy - India
2001 Rajendra Singh - India
2003 Shantha Sinha - India
2008 Dr. Prakash Amte and Dr. Mandakini Amte - India
Journalism, Literature, and the Creative Communication Arts 11人
1961 Amitabha Chowdhury - India
1967 Satyajit Ray - India
1975 Boobli George Verghese - India
1976 Sombhu Mitra - India
1981 Gour Kishore Ghosh - India
1982 Arun Shourie - India
1984 R. K. Laxman - India
1991 K.V. Subbanna - India
1992 Ravi Shankar - India
1997 Mahasweta Devi - India
2007 P. Sainath - India
Peace and International Understanding 5人
1962 Mother Teresa - India
1964 Welthy Fisher - American in India
1976 Henning Holck-Larsen - Danish in India
2000 Jockin Arputham - India
2004 Laxminarayan Ramdas - India
(インド在住外国人を含む)
Emergent Leadership 2人
2002 Sandeep Pandey - India
2006 Arvind Kejriwal - India
合計 38人
結構受賞しているんですね。38人というのは23人の我が国と比べて圧倒的に多い。中には新聞報道でよく名前を見かける人々も含まれている。サイナート氏の他には、マザー・テレサ、サタジット・レイ、キラン・べディ、M.S.スワミナサン、エラ・バット等は超有名人である。また、創設されて日が経っていない「新興指導者」部門はともかく、「政府サービス」では受賞者が少なく、逆に「コミュニティ・リーダーシップ」部門では最大17人の受賞者を輩出している。なんか、インドでは政府の役割など当てにせずにコミュニティが自ら進んで地域を良くする活動を行なっているというのを象徴しているような気がしないだろうか。
これらの名前には注意しておこうと思う。

絵文字入力パレット



※入力欄では、コード文字で表示されます。




医療保険の税控除 (0)
ブログ管理のジレンマ (0)
チェンナイの老人ホーム事情 (0)
『オリンピックの身代金』 (0)
街で撮った写真 (0)
