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老眼と自己決定 (27) エホバの証人、あるいは輸血拒否の論理 3

2009/10/16 22:21

この話題の前回は、「エホバの証人」の信仰を論じる場合、「輸血拒否」は、本来、中心となるべき話題ではないだろう、という書き出しで始まっていた。

 

 

その上で、彼らの示す、


 自分の信仰を家族(特にこども)にも強制する


という態度の結果、彼らの子供までが「輸血拒否」の対象とされてしまい、出血多量で死亡する事例について取り上げることを予告してしまっていた。

しかし、今回は、その問題の検討に入るのではなく、私の「エホバの証人」の存在への関心の核心にある、ナチスとの関係について書いておきたい。

 

 

 

高橋三郎氏の名著(と私は考えるが)、『強制収容所における「生」』(二月社 1974)に、強制収容所の収容者に対するナチスによる「分類」についての解説があった。

同書によれば、人種・国籍による分類(が形成するヒエラルキー)が大きな柱となる一方で、


 もうひとつの抑留者の分類は拘禁理由によるもので、政治犯、刑事犯、聖書研究会員、反社会的分子、同性愛者、亡命者といったカテゴリーである。抑留者はカテゴリーを示す色の逆三角形の布を左胸と右足に縫い付けさせられていた。基本的な色(カテゴリー)は次のようなものであった。

 「赤」=政治犯

 (この項の詳細説明の引用は略)

 「緑」=刑事犯

 (この項の詳細説明の引用も略)

 「黒」=反社会的分子

 (この項の詳細説明の引用も略)

 「桃色」=同性愛者

 (この項の詳細説明の引用も略)

 「紫」=聖書研究会員

 「エホバの証人」ともよばれるこのグループは、エホバにたいする信仰から兵役を拒否して、ナチスが政権を獲得した直後から弾圧されていた。しかし、強制収容所の内部ではやや特異な地位を占めていた。彼らは信仰の放棄書に署名さえすれば、いつでも完全に自由の身になることができたのである。また、すすんで勤勉に仕事を果たしたから、SSからもある種の敬意をうけ、比較的楽な仕事やSS隊員の家事に使われた。だが他方、SSは、ドイツ人でありながらかたくなな信仰の故にナチス・ドイツに協調しようとしない「紫」に強い憎しみを抱くことがあった。

 良心的兵役拒否者は、時により「黒」にも「紫」にも分類された。

 「青」=亡命者

 (この項の詳細説明の引用も略)

 「黄」=ユダヤ人

 (この項の詳細説明の引用も略)


として、「拘禁理由」による、ナチス強制収容所の抑留者の分類の実際が紹介されていた。それを読んで以来、「エホバの証人」に関して、ナチス強制収容所の収容者の独立したカテゴリーを形成した人々という強い印象が私のものとなった。ナチスへの非同調者としての「エホバの証人」、ということになる。

紫の標章を与えられ、つまり強制収容所において「独立したカテゴリー」を形成すべき集団としてナチスから評価されていたということの意味は大きい。裏返しの形ではあるが、そこにナチスによる、「エホバの証人」に対するナチス体制への非同調者としての高い評価を見出すことが出来るからだ。

 

『強制収容所における「生」』を読んだのは20年以上前の話だが、そこに「聖書研究会員」として登場した「エホバの証人」の印象は、強く私の中に刻印されたのである。

前後して読んだ、L=F・セリーヌの小説(多分『北』、あるいは『リゴードン』だったか?)中に、北ドイツの荒涼とした光景の中で黙々と作業をする「聖書研究会員」の姿が描かれていたことも、私の印象を強化したように思う。

 

 

 

以来、我が家を訪れる「エホバの証人」の人々に対して、あのナチスへの非同調者の末裔への敬意の混じった視線が(少しだけ)注がれることになったのである。

もっとも、その後、戦時期日本の灯台社と明石順三の事跡と、戦後の「エホバの証人本部」との関係の顛末を知るに及び、視線には若干の冷ややかさが加わることになったのではあるが…

 

 

     (ナチス体制と「エホバの証人」の関係の歴史的詳細は次回としたい)

 

 

 

 

 



Binder: 現代史のトラウマ(日記数:656/全体に公開)
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最新コメント

  • Comment : 1
    umasica :桜里
     2009/10/17 00:28
    いつまでもアラシの相手を続けてもつまらないので…

  • Comment : 2
    Mr.Dark
    Mr.Darkさん
     2009/10/17 00:46
    これは楽しみです♪

  • Comment : 3
    たぬき男いたち男
     2009/10/17 14:49
    そりゃ、つまらなくって悪かったな。だが、アンタの「日記」も相当

    つまらないぜ。毎度毎度同じ「話題」の蒸し返しばかりじゃあないか。

    いい加減「退屈」するってもんよ。「ダーク」さん、励ましは有難い

    が「ウマシカ」に同調してる様じゃやり切れんネ。たまには少しでも

    ツネってやりなさい。「テロル」と共に万年ペンペン草なんだから…。

    老眼のシミッタレた顔の小じわが一つ、二つと増えていくのが現実だ。

  • Comment : 4
    たぬき男いたち男
     2009/10/17 15:18
    最初の「月面着陸」から早くも40年経つ。何故NASAが一転して

    「月」に対し興味を失ったかの様に振る舞い続けて来たか、解るかい?

    彼らは「月面上」で、実際トンでもないものを発見したからなんだよ。

    それについて疑問を抱く民間人は少ない。何故固く沈黙しているのか、

    NASAの上層部に尋ねる必要があるのに。ハッブル望遠鏡を使った

    「月面」の詳細分析が行われない理由が、どこにあるのか考えて見ろ。

  • Comment : 5
    umasica :桜里
     2009/10/17 15:43
    そりゃ、つまらなくって悪かったな。だが、アンタの「日記」も相当
    つまらないぜ。毎度毎度同じ「話題」の蒸し返しばかりじゃあないか。
    いい加減「退屈」するってもんよ。「ダーク」さん、励ましは有難い
    が「ウマシカ」に同調してる様じゃやり切れんネ。たまには少しでも
    ツネってやりなさい。「テロル」と共に万年ペンペン草なんだから…。
    老眼のシミッタレた顔の小じわが一つ、二つと増えていくのが現実だ。
     (たぬき男いたち男 2009/10/17 14:49)


    >そりゃ、つまらなくって悪かったな。
    >だが、アンタの「日記」も相当つまらないぜ。
    >毎度毎度同じ「話題」の蒸し返しばかりじゃあないか。
    >いい加減「退屈」するってもんよ。

    そりゃ、つまらなくって悪かったな。
    だが、アンタの「コメント」も相当つまらないぜ。
    毎度毎度同じ「管巻き」の蒸し返しばかりじゃあないか。
    いい加減「退屈」するってもんよ。

  • Comment : 6
    たぬき男いたち男
     2009/10/17 16:32
    又、そうやって話をはぐらかす!!「答え」になってないじゃないか。

  • Comment : 7
    umasica :桜里
     2009/10/17 17:32
    又、そうやって話をはぐらかす!!「答え」になってないじゃないか。
     (たぬき男いたち男 2009/10/17 15:43)


    >「答え」になってないじゃないか。

    …って、
    「Comment 3(2009/10/17 14:49 たぬき男いたち男)」では、
    いったい何が「質問」されていたのかい? 

  • Comment : 8
    たぬき男いたち男
     2009/10/17 19:30
    何を云ってるのか、サッパリ解らんよ。一体何が「質問」されて…??

    頼むから「私」の様なバカでも理解できる様に、具体的に云ってくれ!

  • Comment : 9
    Mr.Dark
    Mr.Darkさん
     2009/10/17 20:03
    「答え」を要求するということは、すなわち「質問」を突き付けていることじゃありませんか?

  • Comment : 10
    Mr.Dark
    Mr.Darkさん
     2009/10/17 20:03
    という質問をしてみました。
    返答や如何に♪

  • Comment : 11
    Mr.Dark
    Mr.Darkさん
     2009/10/17 20:05
    はぐらかしちゃいけませんぜ!
    大将!

  • Comment : 12
    Mr.Dark
    Mr.Darkさん
     2009/10/17 20:05
    さあさあ。

  • Comment : 13
    たぬき男いたち男
     2009/10/17 20:31
    「大将!」って「私」の事? 「ウマシカ」が「大将!」だろうに…。

  • Comment : 14
    たぬき男いたち男
     2009/10/17 22:01
    アンタん所へ「コメント」付けといたぜ。考えてくれよ、な?

  • Comment : 15
    umasica :桜里
     2009/10/17 22:18
    「大将!」って「私」の事? 「ウマシカ」が「大将!」だろうに…。
     (たぬき男いたち男 2009/10/17 20:31)


    それなら、泥舟艦長のタヌキは、さしずめ「提督」か?

  • Comment : 16
    umasica :桜里
     2009/10/18 17:58
    【タヌキ劇場】


    >「大将!」って「私」の事? 「ウマシカ」が「大将!」だろうに…。

     ↓

    >又、そうやって話をはぐらかす!!「答え」になってないじゃないか。

     ↓

    >アンタん所へ「コメント」付けといたぜ。考えてくれよ、な?

     ↓

    >何を云ってるのか、サッパリ解らんよ。一体何が「質問」されて…??

     ↓

    >又、そうやって話をはぐらかす!!「答え」になってないじゃないか。

     ↓

    (以下、繰り返し)

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