卒業制作展、三日目は、実は仕事に狩り出され、お客さんではなく、お客さんを迎える側の人となっていたので、展示を見る時間がなかった。
知人に会うと、誰もが、「一日じゃ見切れない」とため息をつく。
そう言えば、鉢合わせした男の子から、「久しぶりです」と挨拶されたのだが、誰だかわからず、最初はアイマイに返事をしてしまった。会話を続けて、やっと、卒業制作映画の共演者であることに気付いた。彼は日芸で演劇を学んでいるのだ。その彼も、ムサビの「卒展」の規模に驚いていた。
で、今日は、昨日撮影分から、いくつかの展示をご紹介しよう。
最初は、12号館のエレベーター前で出くわした作品。
石膏像が並んでいるだけ?と思って、通り過ぎそうになったのだが、
顔が…
観察を続けると、
変化するのだ。
映像学科の、大塚愛さんの「MAKE FACE」と題された作品だ。「のっぺらぼう」の頭部に、プロジェクターから顔画像が投影されているのだが、しばらく立ち止まらないと、その変化には気付かない。気付いた時に思わずニヤリとなるわけだ。
やはり映像学科の、村上賀子さんの作品。
外の光景と、眼の組み合わせが魅力。窓の外も作品に取り込まれてしまっているわけだ。
彫刻学科の院生、平井晋作さんの作品は、
壁上の平面のようだが…
近寄って見ると、
正体は、バンドエイドなのだった。
血痕のあるバンドエイドに、日の丸マークのバンドエイドの翼。
「現代史のトラウマ」筆者としては、興味深い題材である。
血と日本軍機の組み合わせ。「特攻隊」、「戦没学生」そして「靖国」のイメージが重なる。なかなかに近現代の日本への批評精神を感じさせる作品だなぁ…なんて考えていたら、それはどうも誤解であったらしい。
作品のタイトルは、「リスト」と「虫」だった。考えすぎる批評家のカリカチュアを自演してしまったようである。
…と、まぁ、作品との出会いは続くわけだ。

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