『
ひぐらしのなく頃に』(ひぐらしのなくころに、英題:When They Cry)とは、
同人サークルである
07th Expansionが製作した
同人ゲーム。また、これを原作とする
ドラマCD、
漫画、
アニメ、
小説、
実写映画作品である。略称は「
ひぐらし」、「
ひぐなく」。
タイトルは『
ひぐらしのなく頃に』と「な」を赤文字で表記する。
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概要
Wikipedia画像へのリンク(
白川郷)
Wikipedia画像へのリンク(
ひぐらし)
本作品は
昭和50年代の
架空の
村落・
雛見沢村を舞台に、村にまつわる古い因習「綿流し」を軸にして起こる謎の連続怪死事件を題材にした連作式の
サウンドノベル(
ビジュアルノベル)である。雛見沢村の風景は
岐阜県大野郡白川村[【ひぐらし】竜騎士07氏製作日記まとめ@2002年]を参考にしたものである。
原作者の
竜騎士07によると、本作品は自身が書いていた
舞台台本が元となっており、その舞台台本は『
ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と『
八つ墓村』の影響を受けて書いていたとしている。
[ 「『ひぐらしのなく頃に』原作者:竜騎士07インタビュー」 シネマぴあ、2008年5月15日。]
原作の同人ゲームは、すべて
コミックマーケットが初発表。出題編である『ひぐらしのなく頃に』が4話(第1話『
鬼隠し編』、第2話『
綿流し編』、第3話『
祟殺し編』、第4話『
暇潰し編』)および解答編である『ひぐらしのなく頃に解』が4話(第5話『
目明し編』、第6話『
罪滅し編』、第7話『
皆殺し編』、第8話『
祭囃し編』)の計8話。そしてファンディスク『
ひぐらしのなく頃に礼』からなる。
夏と冬の各コミックマーケット毎に新しい話を発表。ただし第4話『暇潰し編』は冬のコミックマーケットに完成せず、夏に発売。新しい話は追加されるため、出題編と解答編それぞれの最新作に旧話を収録する形で発表(出題編と解答編は分かれており、別々に買う必要あり)。出題編は
2002年8月16日から
2004年8月15日までにかけて、解答編は
2004年12月30日から
2006年8月13日までにかけて、『ひぐらしのなく頃に礼』は
2006年12月31日に発表。
メディアミックス展開
同人作品としての人気を背景とした
メディアミックス展開としてドラマCD化・
漫画化・
コンシューマー化・
アニメ化などが行われている。漫画は本編の漫画化が8作品、書き下ろしの外伝が3作品。累計700万部突破。小説は2007年8月(鬼隠し編)〜2008年1月(祭囃し編)で累計80万部突破。PS2版はカケラ遊びも含むと累計20万、DS版は2巻までの時点で累計15万。日本国外では
香港・
台湾・
韓国でも刊行されており
[暮蝉鳴泣時(アキバBlog・2007年3月13日)。なお、同じ繁体字中文圏内でも本編は「」(台湾・青文出版集団)または「」(香港・玉皇朝)、外伝・鬼曝し編は「」(台湾国際角川書店)と出版社により訳題が異なっている。]、
2008年には
エン・プレスより
英語版が
北米で刊行される。
アニメは第1期「
ひぐらしのなく頃に」が
2006年4月から9月まで放送され(一部地域で差異あり)、第2期「
ひぐらしのなく頃に解」が
2007年7月から12月まで放送。そして第3期「
ひぐらしのなく頃に礼」が
OVAとして
2009年2月からリリースが開始され、原作の出題編・解答編・ファンディスクの内容全てのアニメ化が実現した
[罰恋し編(脚注10を参照)を除く]。
また、2007年6月より
米国[Anime - タイトルは「When They Cry - Higurashi」。]及び
フランス[Higurashi]で
DVD発売・ネット配信開始。
2007年12月31日から原作PCゲームのダウンロード販売が開始。
ヒットの経緯
当初は
コミックマーケットのみで頒布された同人ゲームに過ぎず、第3話
祟殺し編までは数ある同人ゲームの一つという扱いでそれほど話題になっていなかった。そのため第4話
暇潰し編が収録されていない出題編は入手困難となっている。しかし
2004年5月頃、
インターネット上の公式サイトで体験版(第1話
鬼隠し編全編を収録)の公開や、元広報の矢野氏による各レビューサイトへの広報活動などが功を奏して、主に
ネット掲示板を介した口コミ人気が上昇した。『暇潰し編』からは大規模なショップ委託がされ、簡単に手に入れられるようになった。
「和製ホラー要素を絡めた猟奇殺人」等、従来の同人ゲームにあまり見られなかった分野であることや「正解率1%」に代表されるような挑戦的なキャッチコピー、全編に張り巡らされた謎や伏線、プレーヤー同士が謎や互いの推理を話し合うコミュニティサイトの存在等が話題の要因となった。
同人作品として10万枚を売り上げ、雑誌等にも取り上げられるところとなり、知名度は一気に上昇していった。その後、
漫画、
ドラマCD、
アニメ、
PS2、
小説とメディアミックス化が進み、そのどれもがヒットを記録し、原作シリーズ累計売り上げも60万枚を突破
[映画公式メディアミックス 日刊スポーツ・2007年8月13日]、漫画は累計700万部を超えた。また、実写
映画は、5月10日の公開開始から池袋シネマサンシャインでは、2日間合計で動員3532名・興収514万2500円(土日2日間充足率=101%)、全国18スクリーンでは、2日間合計で動員1万6085名・興収2301万6500円(土日2日間スクリーンアベレージ=127万6894円)をあげ、東京単館(ミニシアター)で観客動員数2週連続1位を記録し、14映画館でしか上映されていなかったのが33映画館で追加上映が決定した。最終的に60館で公開され、単館系作品としては異例の興行収入2億円を突破した。
2008年7月、第11回ベクタープロレジ大賞で「ゲーム部門賞」、「goo検索部門賞」を受賞。
ゲーム制作
Wikipedia画像へのリンク(
白川八幡神社)
製作については兄弟で行っており、経理は両親が担当している
[NHK総合 『にっぽんの現場「秋葉原・年の瀬物語」』(2005年12月27日放送)より。後日竜騎士07の製作日記で番組内では家族に焦点が置かれたが、実際はBTも製作に大きく関わっていると述べている。]。シナリオ執筆及び
キャラクターデザイン・
CGは
07th Expansion代表の「
竜騎士07」。
プログラミング(
スクリプト)は竜騎士07の弟である「八咫桜」が担当している。ゲームエンジンには「
NScripter」が使用されている。
BGMに関しては『ひぐらしのなく頃に』はフリーBGM素材集等から選択されていたが、『ひぐらしのなく頃に解』は当作品を愛する
同人音楽創作者の呼びかけによって有志を募り、ゲーム専用BGMが製作された。
スタッフ
特徴
本作品の特徴とされるのは、サウンドノベルでありながら「
ストーリー展開に影響を与える選択肢が存在しない」ことである
[「PCゲーム→漫画・小説→映画 ネット社会の疎外感 受ける――公開中「ひぐらしのなく頃に」」『朝日新聞』2008年5月14日付朝刊、第12版、第23面。]。
通常のサウンドノベルでは、シナリオのポイントごとにプレーヤーに対しいくつかの選択肢を用意し、その選択が物語の進行に大きく影響を与える。ところが本作品ではそのような選択肢が存在しない為、プレーヤーは最初から最後まで文章を読み進めるのみである。その意味では通常の小説となんら変わらず、本編にゲーム性が一切無い点からいえば、厳密にはゲームではないとも言えてしまう(ただし、祭囃し編における「カケラ紡ぎ」は例外と言える)。
しかし、わざと選択肢を与えず最後まで決まったストーリーとすることで、全てのプレーヤーに事件解決への情報を等しく与え「
プレーヤー自身に物語の謎を推理、想像させる」ことによって、全員が同じ情報・同じ条件で意見を述べる事となり、結果として上述のようなコミュニティサイトの盛り上がりを生み出したとされる。なお、PS2版『
祭』およびDS版『
絆』では、前半部分がオーソドックスなアドベンチャーゲーム形式に変更されており、選択肢により後半部分が○○編になるかが決まる。
作品の性質上、故意に残虐性を強調した殺傷表現など暴力的・猟奇的な描写が多いため、
PS2版『
ひぐらしのなく頃に祭』において
CEROの審査が難航していたが、最終的に
D(17才以上対象)区分とされた(コンテンツアイコンは「暴力」のみ)。しかし、『
ひぐらしのなく頃に絆』においては若干残虐性の規制は少なくなっている。
作品の構成
本作品は大きく2つに分ける事が出来る。1つは物語の前編・問題提示編といえる『ひぐらしのなく頃に』4編(これらはまとめて「出題編」ないし「問題編」とも呼ばれる)。そしてもう一つは前編で示した謎の解答を行う後編『ひぐらしのなく頃に解』4編である。
『ひぐらしのなく頃に』の「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」では物語が同一の時間軸上で
パラレルワールド的に展開、「暇潰し編」では前日譚のエピソードとなっており、様々な角度から謎や手がかりが提示され、プレーヤーは各編を読み進め、または読み比べながら与えられた手がかりを元に事件の真相を推理する。ただし、それぞれのストーリーは何らかの形で結末は迎えるが謎の解答は示されない。解答は後編『ひぐらしのなく頃に解』(「目明し編」「罪滅し編」「皆殺し編」「祭囃し編」)にて行われる事となる。ただ、解答編とは銘打ってはあるが、出題編の4作に対して解答編の4作が対になって答えを示す作りでは必ずしもなく、また、幾つかの重要な伏線が放りっぱなしにされた事や、無理の有る解答や場面が続出したために、「祭囃し編」の発売直後には様々な批判も集中した。
なお「罪滅し編」-「鬼隠し編」、「目明し編」-「綿流し編」、「皆殺し編」-「祟殺し編」、「祭囃し編」-「全ての編」という風に、一応は話の流れが対応している。また、出題編ではオマケの項に各シナリオが終了する毎に本編中のキャラクターが面白おかしく推理談議する「お疲れさま会」が追加される
[「目明し編」でも当初はお疲れさま会が収録された。この中には一部につぎの罪滅し編につながる重要な伏線が含まれてはいるが、全体としては目明し編の内容とはほとんど関係がないギャグストーリーとなっていた。このお疲れ様会はひぐらしのなく頃に解からははずされ、ひぐらしのなく頃に礼にて「罰恋し編」として独立に納められている。また、ひぐらしのなく頃に礼にはひぐらしのなく頃に解を含めた全体のお疲れさま会も納められている]。
上記のように、原作各編の名前はいずれも「○△し編」(○、△はいずれも漢字一文字)というフォーマットで統一されており、二次創作でもそれが踏襲されていることが多い。
シナリオ
物語は平穏でゆったりとした日常のシーンから始まるが、進行していくにつれて違った趣きを見せてくる。この平穏な日常のシーンをシナリオの冒頭に持ってくることで、いつの間にかプレーヤーは登場人物に対して深く感情移入をし、後半部分の展開の変わりようを印象深いものにしている。これだけならば
映画などでよく使われるテクニックなのだが、平均してシナリオの3 - 5割近くが穏やかなシーンで占められているため、初めて本ゲームをプレイする者にとっては、変哲のない
恋愛ゲームなどをやっているように感じられる。しかし、そのような平穏な日常のシーンの中に、さり気なく重要な伏線が張られていることもある。
…
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