『
カムイ伝』(カムイでん)は、
白土三平の長編
劇画。
1964年から
1971年まで『
月刊漫画ガロ』に連載された。連載中、『
週刊少年サンデー』に「
カムイ外伝」を不定期連載している。1982年から1987年まで『
ビッグコミック』誌上に「カムイ外伝 第二部」を連載、そして同誌上に1988年から2000年まで「カムイ伝 第二部」が発表された。現在「カムイ伝 第三部」の発表が待たれている。
概要
江戸時代の様々な階級の人間の視点から重層的に紡ぎ上げられた物語となっている。
旧来の漫画が小説に比べてストーリー性が希薄であったのに対し、様々な群像が入り乱れる骨太のストーリーが高く評価され、それまで評価が低かった漫画に新しいジャンルを拓き、
時代小説に比しても遜色ない漫画路線の礎を築いた。それは「ヴィジュアルは映画を凌ぎ、ストーリーは小説を越えた」というかつてのキャッチコピーにもみて取れる。
「カムイ」とは主人公である忍者、およびサブストーリーとして語られる狼の名前である。主にカムイ(非人)、正助(農民)、竜之進(武士)という三者三様の若者を中心に物語は展開されてゆくが、第一部において人間のカムイは物語の進展にともない傍観者的になり、農民の正助が物語の中心となっていく。
カムイ伝は全三部作であると白土は述べている。名脇役が数多く登場する壮大なスケールのこの物語は、1964年の連載開始から40年以上経った現在も未だ完結しておらず、白土自身も漫画家生活の大半をこの作品に費やしていることから、白土のライフワークと言われている。しかし『カムイ伝』のバックボーンとなっている
マルクス史観(
唯物史観)に対する評価が、連載開始時と21世紀を迎えた現在では、著しく異なっているため完結できるかが危ぶまれている。
白土はこの作品連載のため「赤目プロダクション」を設立。『カムイ伝』前半の作画を
小島剛夕が、後半の作画を弟の
岡本鉄二がそれぞれ担当した。物語中盤において劇中の画風が漫画タッチから劇画タッチへと突如として大きく変貌するのはその為である(明確に分かれてはないが、
小学館文庫版第十巻第四章辺りから)。続く『カムイ伝 第二部』においては岡本鉄二が一貫して作画を行なっており、作画者としてもクレジットされている。
『カムイ伝 第二部』は連載中には、完結せず、単行本(二種)も最後まで収録されないまま続刊の発行中止。2006年発行の単行本『カムイ伝全集』第27巻(第二部12巻)でラストの5枚が初めて発表され完結を迎えた。
現在「カムイ伝 第三部」の構想が進んでいるが、未だ開始されてない。
2009年には『
カムイ外伝』の
崔洋一監督による実写映画が公開予定となっている。
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