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ポーランド南東部の
カルパティア山脈に見られる地層)
地層(ちそう)とは、
粘土、
砂、
礫等の砕屑物や火山礫、火山灰等の
火山砕屑物、生物遺骸などが、水や風の力により運搬され、
堆積してできた堆積物ないし堆積岩の内、垂直方向に比して水平方向の広がりが十分に広い(層状に分布している)ものの総称である。
地層の形成と地層に見られる構造
地層は、その成因から水成層と風成層に区分される。以下に挙げるのは、水成層の形成過程である。
地球上には、水中や
窪地などの環境がある。そのような所に、他の場所から
侵食されてきた岩石や土砂が、降り積もったり、水によって
運搬されてきたりして、
堆積物が溜まっていく。これが層になり、地層が形成される。
地層は一般的に、水中のほぼ
水平な面の上に、一定の厚さで溜まっていく。比較的均質な構成物からなる1枚の地層を
単層と呼び、単層と単層の間の境界面を
層理面という。普通、地層は地面の中に隠れており見ることはできないが、何らかの原因で地面の断面が見えるようなところでは、地層が観察できる。これを
露頭という。典型的な露頭は、
崖や、道路脇の地面が削り取られたところ、
採石場、川岸の
土手などで、粒径や構成物が異なった層からなる
平行な帯のひとつとして観察することができる。
グランドキャニオンのような大
渓谷では、数億年に渡る期間の地層が観察できることもある。それぞれの単層の厚さは、1 mmにも満たないものから、1 kmを越えるものまで様々な場合がある。
それぞれの地層から、その層が堆積した
環境を推定できる。水成堆積物では
河口に近い位置で堆積したものほど粒度が荒い
砂、離れるに従い細かくなり、
シルト、
粘土となる。地層を構成するものが
生物である場合もあり、泥炭地で植物が堆積した
石炭や深海で微生物が堆積した
チャートなどがある。現在見つかっている最古の地層は、
グリーンランドにある約40億年前の地層で、海底で作られたものと考えられている。
地層は、堆積する速度に変化はあるものの、おおむね連続して堆積している。これを
整合と呼ぶ。これに対し、地層と地層の境界に非常に長い不連続があり、侵食により一部の地層が欠落しているものを
不整合という。堆積が止まっている間に、地層が侵食されたり、傾いたり、褶曲したりといった変動があることも多い。そのようなところに、再び水平に地層が堆積したりする。下の地層と上の地層が平行なものを
平行不整合と呼び、上の地層と下の地層が傾いていたり、下の地層が褶曲したりしているものを
傾斜不整合と呼ぶ。また、下の地層が
火成岩からなる場合は、
非整合と呼ぶこともある。地層の欠落を伴わず、不連続の時間が非常に短い場合、
時間間隙と呼んで不整合と区別することもある。不整合は、陸上でも海底でもつくられるが、いずれの場合も、岩石や土砂が堆積するような環境だった地域が、浸食される環境へ変化し、再び堆積する環境に戻ったことを示している。不整合面のすぐ上には、比較的大きな粒の礫が堆積していることが多く、
基底礫岩と呼ばれる。これは、侵食された下部の地層の岩石から供給された礫である場合がある。
地層に見られる特徴的な
堆積構造として、以下のものがある。
斜交層理(斜交葉理、クロスラミナ、
cross-bedding)
水流や風の速さ、向きが変化する環境で堆積が起こったときにできる、層理面と斜交した細かな縞模様である。当時の水流などの方向が推定できる。
級化成層(級化層理、級化構造、
graded bedding)
構成粒子が、下部が粗粒で、上部に向かうにつれて連続的に細粒へと変化している単層のことである。時間とともに粒子を運搬する水流が弱まった場合や、乱泥流によって運ばれた粒子が堆積した場合に生じる。粗粒のほうが堆積した時点での下部だと分かるため、もともとの地層の上下方向を決めるのに役立つ。
漣痕(砂紋、リップルマーク、ripple mark)
水底に
波が形成した模様が残ったものである。堆積した当時の上方に尖った形で残るため、上下判定に役立つ。
スランプ構造(スランピング、slumping structure)
海底などに堆積した堆積物が、固化していないうちに海底などの斜面を滑り落ち、不規則に乱堆積してできたものをいう。
火炎構造(フレーム構造、flame structure)
泥質堆積物が固結していないうちに上に砂質堆積物が堆積し、その重みで上位の砂が沈み込んで下位の泥が上昇したために、層理面が炎のように不規則な形になったものをいう。
底痕(ソールマーク、sole mark)
堆積粒子や水流そのものにより堆積物表面につけられた溝が、その上に堆積した砂礫によって充填されたもの。特に
タービダイトのように泥層上に砂礫が堆積する際に形成されたものは、露頭では差別侵食のために観察しやすく、古流向を知る手がかりとして役立つ。
化石層(fossil bed)
水流などにより、化石が掃き寄せられて密集したものをいう。貝殻はよく化石層を形成している。
砂管(サンドパイプ、sand pipe)
海底の砂の中に生息していた動物が作った巣穴の跡である。巣穴の最上部は当時の海底で、巣が掘られている方向が当時の下だと推定できる。
地層は、
地殻変動などがあると傾くことがある。地層が傾いている場合、層理面と水平線の交線の方向を
走向、層理面と水平面のなす角を
傾斜と呼び、この2つを使って、傾いた地層の方位を表す。走行・傾斜は、
断層や、
不整合面など、地質学で扱われる様々な面の方向を表すのにも用いられる。
地層に大きな力がかかったりすると、地層が曲がってしまうことがある。これを
褶曲と呼ぶ。上に凸の部分を
背斜、下に凸の部分を
向斜と呼ぶ。また、曲がらずに、ある平面を境にしてずれることもある。これを
断層と呼ぶ。地層が激しく褶曲した場合でも、地層が低角度の断層を伴ってずれ、ちぎれることがある。
石油は、地層が背斜構造を示し
ロックキャップとなっている部分に溜まっていることが多い。
地層の中には、過去に地層を切って貫入したマグマが固結して残っていることがあり、
岩脈と呼ばれる。岩脈は、過去のマグマが通った火道である。一般に、かなりの急傾斜であることが多い。また、過去に地上にマグマをもたらした火道が層状に残っている場合があり、
岩床と呼ばれる。一般に、岩脈ほど傾斜はきつくない。また、
花崗岩質岩石の作る大規模な岩体で、露出面積が100 km2以上のものを
底盤(
バソリス)と呼ぶ。
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