えびす(
ゑびす)
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蝦夷(えぞ、えみし)の別称。未開の民や東国の武士をさし、または外国人の蔑称。
# 日本の神。
七福神の一柱。この項目で記述。
# 外来の神や渡来の神。客神や門客神や蕃神といわれる神の一柱。この項目で記述。
# 神格化された漁業の神としての「
クジラ」のこと。古くは勇魚(いさな)ともいい、クジラを含む大きな魚全般をさした。この項目で記述。
# 寄り神。海からたどり着いたクジラを含む、漂着物を信仰したもの。寄り神信仰や漂着神ともいう。この項目で記述。
Wikipedia画像へのリンク(
気仙沼市、浮見堂にあるえびす像)
えびすは日本の
神で古来から
漁業の神でもある。
夷、戎、胡、蛭子、恵比須、恵比寿、恵美須などとも表記し、
えびっさん、
えべっさん、
おべっさんなどとも呼称される。
多様な神格とその由来
日本古来の神(漁業の神・市神・福神)としての変遷
現在では一般に
七福神の一員として日本古来の唯一(その他は
インド、
中国の神)の福の神であるが、それは
中世以降の信仰で、由来をたどると非常に複雑な経緯を持つ。「えびす」を称する神は複数あって、
イザナギ、
イザナミの子である
蛭子命(ひるこのみこと)か、もしくは
大国主命(大黒さん)の子である
事代主神(ことしろぬしかみ)とされることが多い。そのため、同じえびすを祀る
神社でも、場所によって神は異なっている。また、少数であるが、えびすを
少彦名神や
彦火火出見尊とすることもある。
留守神という神格も後に与えられた。詳しくは
神無月を参照。
外来の神(客神・門客神・蕃神)としての変遷
様々な記紀神話の神に当てられるえびすだが、いずれの神も後世の付会であって、元来の姿ではない。えびすの漢字に戎や夷などが当てられている事は、中央政府が地方のまつろわぬ民や東国の者を「えみし」や「えびす」と呼んで、戎や夷の字を当てたのと同じことで、いずれも異邦の者を意味している。「えびす」という神名の文献における初見は
平安時代後期の『伊呂波字類抄』であるが、そこには「夷 エビス 毘沙門」と記されている。少し時代が下った『諸社禁忌』には「衣毘須 不動」とある。古い時代には、えびすは
毘沙門天や
不動明王を本地仏とする神格として信仰されていたことがわかる。えびすの神像も、古い時代のものほど威厳に満ちたものとなっており、この時代のえびすは「荒々しい神」として信仰されていたものとみられる。端的にいえば記紀神話以外の外来神・蕃神である。
クジラ(海神・漁業の神)としての変遷
本来の神格は異邦より村に時たま訪れる外来物に対する信仰(神)であり、海の向こうからやってくる
海神である。日本各地の漁村では近年まで
イルカや
クジラ、
ジンベエザメなど(これらをまとめて「いさな」と呼び、クジラの意味)を「えびす」とよんで、現在でも漁業神として祀っている地域も多数ある。クジラなどの海洋生物をえびすと呼んだ理由としては、それらの生物は餌となる小魚群やプランクトン群を追うところ、人間の漁獲対象である
カツオなどの魚もしばしば同じ餌を追って行動を共にしている点にあるのではないかと推測される。つまり、クジラなどが出現すると漁獲対象魚も一緒に出現する相関関係があるため
[ニタリクジラにカツオが付いたり、イルカにキハダマグロがつくように、鯨類に同じ餌(鰯などの群集性小魚類)を食べる魚が付く生態があり、水産庁の加藤秀弘はニタリクジラとカツオの共生関係および、えびす信仰との共通点を指摘している。]、クジラが豊漁をもたらしてくれると理解されていたのではないかと思われる。
寄り神信仰(漂着神)
特殊な例として、海外からの漂着物や人(日本人以外の場合もある)や動物の遺骸のことをえびすと呼ぶ地域もあり、漁のときに漂着物や遺骸を拾うと大漁になるという信仰もあるという。
漁業に使う
網の浮きに神が宿り
正月などに祀る地域があるが、
四国の
宇和島周辺や
隠岐などでは、その浮きのことを「えびすあば」(あばとは浮きのこと)と呼んでおり、えびすが漁業神であることを示す好例である。
九州南部には、漁期の初めに海中からえびすの御神体とするための石を拾ってくるという風習があるという。これらの
民俗信仰は、えびすの本来の性格を比較的とどめているものと考えられる。
…
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