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セダン

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セダンについて

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

thumb(前期型)]] thumb
ハッチバックセダンの例]] セダン()は、自動車の車体形状による分類であり、乗用車の代表的な形状である。

概要

呼称

thumb セダンの名称は17世紀頃に貴婦人の乗り物であったセダンチェアにあり、フランススダンの町で作られたことから由来する。 英国ではサルーン ()、ドイツではリムジーネ、フランスではベルリーヌ(ベルリネット)、イタリアではベルリーナ(ベルリネッタ)もしくはクワトロポルテ(「4つの扉」の意) と呼ばれる(ただし一部の欧州ではクラシックと呼ばれる場合もある)。日本および米国では一般にはセダンが一般名称で、サルーンは上級グレードの商標として用いられることが多いが、実質は英国と米国の呼称の違いであり、JISや自動車技術会での技術的な扱いではまったく同じものを表す。

セダンとサルーン

日本のJISや自動車技術会では、「サルーン」という呼び名が基本で、「セダンともいう」と規定されている。日本では各メーカーが、一時期英国高級車のサルーンをイメージして、大型上級セダンに「サルーン」と名づけたことから、「サルーン」に高級感のイメージが付加された日産・セドリック/グロリアトヨタ・クラウンなど。

セダンの種類

一般的にはリアデッキを持つ3ボックス型の乗用車のことをいうが、中にはリアデッキを持たない2ボックス型も含まれる。 セダンには独立したトランクを持つタイプ(2ドア/4ドアセダン)と独立したトランクを持つかわりにリアハッチを設けたハッチバックタイプがある。2ドアセダンはかつて、小型大衆車を中心にオーナードライバー向けとして設定されていたが、使い勝手の乏しさなどの理由で需要が激減し、1980年代になると日本国内ではほとんどが4ドアセダンとなる。2ドア乗用車は、現在ではほとんど3ドアハッチバックかクーペに分類されるため、用語としての2ドアセダンはほぼ使われていない。

ノッチバックセダン

thumb (E30)
2ドアノッチバックセダンの例]] ボンネットと、独立したトランクリッドを持つトランクルームの間に車室を持つ。現在のセダンとしてはもっとも一般的な形状となる。「3ボックスカー」と呼ばれることもある。 静粛性に優れる、車体剛性が損なわれない、荷室の中を覗かれない、被追突時におけるリスクが小さいなどの利点がある。北米では、防犯上の理由で独立したトランク構造が好まれ、バレットパーキングではトランクオープナーに施錠をするか、またはトランクを開けることができないスペアキーのみでクルマを預ける場合に都合が良い。 FR(後輪駆動)や四輪駆動の場合はサスペンションアーム、プロペラシャフトデフドライブシャフトがトランクルームの前や下に位置するため、ラゲッジルームがいびつな形状となったり、容量が限られる場合がある。FF(前輪駆動)の場合はリア周りのレイアウトに制限は少ないが、バルクヘッド貫通型のトランクスルー機構を持った車種以外では、大きな(または長尺の)荷物を積めないなどの欠点もある。 多くの自動車メーカーコンパクトカーを除く基幹車種では、企画時に3ボックス型が最量販車種として位置づけられることが多く、その設計を基本とし、ステーションワゴン、ハッチバックセダン、クーペをはじめとした派生車が開発され、時としてコンバーチブルが生まれることもある。アコードをベースにアコードワゴン、アコードクーペを作るなど。ただし、近年では車体剛性や後方の衝突安全性能の確保が難しいという理由でカローラアクシオのようにステーションワゴンをベースに逆にセダンを作る例や日経Automotive(2009年3月6日閲覧)SX4セダンのように、クロスオーバーSUVをベースにセダンを作るという例もある。

セミノッチバックセダン

thumb
セミノッチバックセダンの例]] ノッチバックセダンのうち、リアデッキが極端に短いタイプ。「セミノッチバックセダン」「2.5ボックスセダン」と呼ばれる。ハッチバックのものもある。

ファストバックセダン

thumb(初代)]] リアウインドウが比較的寝かされたタイプ。流線型ブームの始まる1920から1950年代の海外メーカー車によくみられたが、現在では主流ではない。日野・ルノーVW・ビートルは日本でもよく知られる存在であり、そのほか、比較的遅くまで採用していたのがサーブで、同社初の自動車である 92 から、初代 900 までの各世代でみられる。日本車では日産・チェリー、初代日産・バイオレット、初代日産・パルサートヨタ・パブリカスターレットセダン/ダイハツ・コンソルテセダンにみられるのみとなっている。 近年ではクーペとして分類されることもあり、メルセデス・ベンツ CLSクラスでは4ドアクーペとして分類している。また、マツダ・アテンザスポーツや2代目トヨタ・プリウス、欧州向け7代目三菱・ランサー(5ドア車)(日本名・ギャランフォルティス スポーツバック)のように3ボックスセダン風に見せた5ドアハッチバック車もファストバックセダンと呼ばれる場合がある。

2ボックスセダン

thumb]] リアデッキを持たないタイプ。以前はトランクリッドを持つタイプも製造されていたが、現在ではリアハッチを持つハッチバックタイプが主流である。 初代ホンダ・ライフ、初代ホンダ・シビックや2代目ホンダ・トゥデイのように、同世代にトランクリッドを持つものとハッチバックをもつものの両方が存在する例もある。

4ドアハードトップ

thumb(7代目)]] 4ドアセダンのうち、ドアに窓枠を持たないものは「4ドアハードトップ」と名付けられる場合が多い2ドアにもハードトップは存在するが、クーペとして分類されることがほとんどである。2000年代初頭まで中級乗用車や高級車を中心に設定されていた。現在の日本車には採用されていない。ただし、スバルでは「サッシュレスドア」と呼び、セダンとして分類していた。中でもレガシィ2009年にフルモデルチェンジされるまでサッシュレスドアを採用していた最後の車種であった。かつては車両中央(Bピラー)が無く、4ドアとしては異様にルーフの低いピラーレスハードトップが流行したが、側面衝突安全性への対応や経年劣化後の窓の艤装制度、またシートベルトの固定位置等に問題があった為、1990年代後半には完全に姿を消した。ピラーレスハードトップはバブルの名残であったとも言える。

ハッチバックセダン

独立したトランクリッドを持つ代わりにリアハッチを設けたタイプ。2ボックス型は単に「ハッチバック」と呼ばれるが、特に外観上長めのリアデッキ(トランクルーム)を持ち、2.5ボックスや3ボックスもしくはファストバック風に見えるものは、メーカーが「セダン」と名付ける場合がある(「5ドアセダン」とも呼ばれるメーカーが独自の呼称を用いる場合もある。トヨタではかつて「5ドアリフトバック」と呼んでいたが、2代目以降のプリウスではセダンとしてラインナップしている。マツダ・ファミリアアスティナランティスサーブ・900の5ドアモデルも外観上はハッチバックセダンに見えるが、商標上はクーペとしてラインナップされていた。)。小型車の一部を除き、4ドアセダンをベースにリアハッチを設けたタイプがほとんどである。 3ボックスセダンと比べ、後席と荷室を使い分けるうえでの自由度が大きく、収容力も非常に高いが、その構造上、車体剛性面や静粛性が劣ること、端正なスタイルにまとめることが難しいことなどから、市場の嗜好や車格により普及度が異なる。その中で、シトロエンXM)は一時、ルノー30ヴェルサティス)は現在もフラッグシップモデルにハッチバックを採用していることが特筆される。 日本国内で最初に導入されたハッチバックセダンは1965年トヨタ・コロナ(5ドア)や、1967年に追加された三菱・コルト800(3ドア)であったが、当時の日本人にはセダンというよりライトバンのようなイメージが強く、ほとんど受け入れられなかった。その後、1980年代前後に、各メーカーが5ドアセダンを小型・中型大衆車クラスを中心に設定した時期があったが、1990年代になるとSUVステーションワゴンなど、ユーティリティービークルのブームもあり、日本向けのラインナップからはほとんど途絶え、アンフィニ・MS-6三菱・ギャランスポーツ、輸入車として日産・プリメーラUKなどが細々と売られる程度であった。長らく人気の出ないスタイルであったが、2000年代以降は実用性の追求や海外市場との兼ね合いから5ドアボディを採用する車種も登場し、2002年にマツダ・アテンザスポーツで採用され、2003年にはトヨタ・プリウスフルモデルチェンジで、2009年には2代目ホンダ・インサイトホンダではハッチバックに分類。なお、初代モデルは2シーターの3ドアハッチバッククーペ。それぞれコーダトロンカ形の5ドアボディが採用された。

スポーツセダン

thumb]] セダンにスポーツ性をプラスしたものはスポーツセダンと呼ばれる。

軽セダン

日本の軽自動車でも1970年代まではリアデッキを持った3ボックス型で純粋にセダンといえる車が製造されていたが、利便性に難があることなどから3ボックス型は次第に廃れ、2ボックス(+ハッチバック)型が主流となった軽自動車規格内で室内空間を大きくできることと、軽ボンネットバンとボディを共用できることから。。この傾向は軽自動車の規格がより大きくされた1990年以降、21世紀に入った現在でも変わっていないが、変わり種として1998年から2002年まで販売されていたダイハツ・オプティが、軽自動車でありながら、小さいながらも本格的なトランクルームを備えた3ボックス(小さいトランクだから2.5ボックスとも)として販売されていた。 ただし現在でも乗用車(5ナンバー車)においては、「バンでもワゴンでもない」ことをアピールするためにメーカーが実質的に「セダン」と名付けることがある(例外ありホンダ・ライフ(初代)とスバル・レックス(初代)のハッチバックはトランクを持つセダンと区別するため、乗用モデルは「ワゴン」として分類していた。)。

現状

日本では1970年代までは、大衆車でも3ボックス型が好まれたこともあり、各クラスとも3ボックスセダンが販売の主流であったが、2度のオイルショックを経て大衆車では、スタイルよりも実用性が求められ、小型車の2ボックス化が進んだ。その間、従来の小型車は少しずつ車体の大型化と車格の上級移行が行われていった。1990年代に入ると、従来のクルマにはない付加価値が求められ、RVブームが起こり、SUVステーションワゴンミニバンの市場が一気に拡大し、オーソドックスなセダンの需要は縮小していった。2000年代には、コンパクトカー(ハッチバックやトールワゴン)とミニバンが市場の中心となり、依然としてセダンのシェアは低迷が続いており、あらゆる意味で死に筋化が進んでいる。 最近では税制の緩和やグローバル化による海外市場への対応、ボディの大型化により、2000cc未満クラスのセダンまで含めて3ナンバーセダンが増加し、5ナンバーセダンのラインナップは減少し、5ナンバーセダン市場から撤退するメーカーも現れている。 しかし、パトロールカー社用車タクシー教習車といった業務用の分野では依然としてセダンの需要はあり、これらには専用のグレードや車種が設定される場合も少なくない。特に、規格に制約があるタクシー用(主に小型・中型料金向け)には信頼性や整備性、車体の旋回性能などに配慮したFRの5ナンバーセダンがトヨタ、日産から発売されている。 しかし、ドイツ車をはじめとした高級輸入車の台頭であるBMW・3シリーズメルセデス・ベンツ Cクラスアウディ・A4といったDセグメントクラスでは、ステーションワゴンがラインナップに加えられている「にも関わらず」、セダン人気が高いモデルが殆どである。かつて輸入車に憧れた団塊の世代の需要、会社経営者層の”ビジネスシューズ”としての需要など、フォーマルなセダンである事を第一条件として挙げた場合に、同じ程度の排気量クラスでは国産車が(殆ど)残らないか皆無という状況も少なからずある。

車種一例(現行車種)

トヨタ センチュリークラウンマークXカムリプレミオアリオンカローラアクシオベルタ レクサス LSGSIS 日産 プレジデントシーマフーガティアナスカイラインブルーバードシルフィティーダラティオ ホンダ レジェンドアコードシビックインスパイア マツダ アクセラセダンアテンザセダン スバル レガシィB4インプレッサアネシス 三菱 ランサーギャランフォルティス スズキ SX4セダン ダイハツ アルティス(トヨタ・カムリのOEMメルセデス・ベンツ CクラスEクラスCLSクラスクーペとして扱われることもあり、セダンとして扱うかどうかは見解が分かれる。Sクラス アウディ A4A6A8 BMW 3シリーズ5シリーズ7シリーズ フォルクスワーゲン パサートジェッタ アルファ・ロメオ 159 キャデラック CTS ボルボ S80 ※ごく一部の例外(フェラーリポルシェなど)を除き、ほぼすべての乗用車メーカーがセダンを販売している。

脚注・出典

参考文献

関連項目

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