thumb
ピザ、または
ピッツァ(
英・
伊:Pizza)は、
小麦粉、水、塩、少量の
オリーブ油をこねて作った丸く薄い生地の上に具を乗せ、
オーブンや専用の
竃などで焼いた食品である。
イタリアで生まれ、世界的に広く食べられている料理である。
日本に初めて紹介されたピッツァはアメリカ風ピザ(後述)であったが、1980年代からのイタリア料理ブームに伴いイタリア風のものも広く知られるようになった。
日本を含む先進各国では、家庭向けの
冷凍食品から
レストランや専門店などの
飲食店で提供されたり、あるいは電話などで注文する宅配サービスでも購入することができるため、一般になじみのある料理である。
数多くの
レシピが存在し、地域にある産品を取り込んだ
ご当地グルメ的変化を見せるものも存在する。料理として提供される場合には、好みによって様々な食材が選択可能であることにもちなみ、広い層に人気のある料理である。
発音・表記
イタリア語では"Pizza"は「ピッツァ」と発音される。日本ではアメリカ風ピザを「ピザ」、イタリア風ピザを「ピッツァ」と区別して呼ぶことがあるが、英語の場合「ピーツァ」に近く発音され、「ピザ」とは発音しない。日本にピザが紹介された当初はこれを「ピッツァ」と呼んだが、
日本語では「ツァ」という音を発音しにくいため、 「ピッツァ」と呼ばれることも多くなっている。イタリア国内(特に北イタリア)で「ピザ」と発音すると、イタリア人は地名の「
ピサ」"Pisa"のことだと誤解される場合があるので注意が必要である。
歴史
詳細は「
ピッツァの歴史」を参照されたい。
ピッツァの定義や語源は曖昧であるが、イタリアには
フォカッチャがあり丸パンに具材を乗せる所からピッツァの原型とされている。
フォカッチャが作られる前にも、エジプトには円盤状のパンに具材を乗せて焼いた物が現ピッツァの調理法と酷似していることから、原型はエジプトからイタリアに伝来していると言う説もある。
現在「ピッツァ」と呼ばれる料理が誕生したのはイタリアの
ナポリである。
ナポリ第二大学の
栄養学教授カルロ・マルゴーニによれば、初めて薄くのばしたパン生地にトマトソースを載せて焼いたピッツァが作られたのは
1760年頃だという。
1803年には初めてピッツェリアが創業した
[Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.67]。
イタリア系移民が
アメリカ合衆国にピッツァを導入したのは
19世紀末である。1905年には
ニューヨークの
リトル・イタリーに米国初のピッツェリアが創業した。
第二次世界大戦後にはイタリア系米国人以外にも普及した。ピッツァは米国で独自の発展を遂げ、今日では
ホットドッグや
ハンバーガーに並ぶアメリカの
国民食的位置づけにもなっている。
作り方
thumb
一般的な作り方は、生地の上に
トマトソースを薄く塗り、
野菜や
肉などの具と
チーズを乗せる。オーブンで焼き、生地に火が通ってチーズに軽い焦げ目がつけば出来上がり。ただし、トマトソースを使わないピザや、チーズを使わないピザもある。トマトソースを使わないものをピッツァ・
ビアンカ(白いピッツァの意)と言う。
食べ方
イタリアでは一枚が一人前とされ、ナイフとフォークを使って食べる。ナポリではソースのかかった部分だけを切り取って食べ、「イル・コルニチョーネ」(Il Cornicione、「大きな額」)と呼ばれる縁は残す
[Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.73](
日清製粉の
ナポリピッツァの基礎知識では、残さないとしている)。しかし歩きながらピッツァを食べるときは、上面を内側にして二つに折って手で食べることもあり、この食べ方を「ア・リブレット」(a libretto、「本のように」)と呼ぶ。
アメリカではナイフとフォークを使うよりも、大型のものを放射状あるいは碁盤目状に等分し、一切れずつ手でつまんで食べる方が一般的である。また薬味として用いられる香辛料は、イタリアでは
唐辛子や
にんにくを漬け込んだ
オリーブ油、アメリカでは乾燥した唐辛子を砕いたクラッシュト・ペッパー、日本では
タバスコ・ソースがよく用いられる。アメリカでは粉末の
パルメザンチーズや乾燥
オレガノをふりかけることもある。
一般的なピザの具材
※デザートにするピザの場合は、トマトソースを使用せず、具材に果物(
オレンジ、
キウイフルーツ等)を用い、
ハチミツなどをかける。生地に
クッキー生地を用いたり、ピザ用のチーズの代わりに甘くした
クリームチーズをのばすこともある。
イタリアのピッツァ
イタリアでは、専用の竃が必要なことから普通の料理店では作られず、
ピッツェリアで供される。一品でも様々な食材を載せバリエーションも豊かで、ことから
軽食として
夜食に食べられることが多い。なおイタリアの農業省は2004年5月25日に国内のピッツァ専門店に対して「伝統的な
ナポリピッツァ」の規定を示し、同国内では
スローフードとしても親しまれているピッツァの伝統を残す動きも見られる
[La - ピザについて(イタリア語)]。
2009年にはピッツァの
自動販売機が設置された。
具材による分類
マルゲリータ(Margherita、マルガリータ)
モッツァレッラ、
バジル、
トマトソース。1780年ごろに創業した
ナポリの
ピッツェリア「ピエトロ…エ・バスタ・コジ」(Pietro... e basta così、現ピッツェリア・ブランディ Pizzeria Brandi)の
ピッツァイオロ(ピッツァ職人)であったラファエレ・エスポジト(Rafaele Esposito)が、1898年に
ウンベルト1世と
マルゲリータ王妃夫妻を迎えるためにイタリア国旗の赤・白・緑を表現したピッツァを作ったといわれる
[2009年4月11日放送にじいろジーンより]。この説に対して同様にナポリの老舗ピッツェリア「ピッツェリア・アンティカ・ポルタルバ」(Pizzeria Antica Port‘Alba)では、店頭でも起源はもっと古いと公に反論し議論が絶えないなど、ナポリ文化に深く根ざしたピッツァでもある。
マリナーラ(Marinara)
船乗り風。
ニンニク、オリーブ油、
トマトソース。
クワットロ・フォルマッジ(Quattro formaggi)
4種の
チーズ。
クワットロ・スタジョーニ(Quattro Stagioni)
具材に四季の幸を使っている。
ボスカイオラ(Boscaiola)
木こり風。山の幸である茸が使われている。
ロマーナ(Romana)
ローマ風のピザ。
ナポレターナ(Napoletana)
ナポリ風。
ナポリピッツァでは無い。
※店ごとに名前や具材が異なることが多いが、代表的な物は以上のとおり。
画像:PizzaMargarita.jpg|ピッツァ・マルゲリータ
画像:Authentic Neapolitan Pizza Marinara.jpg|ピッツァ・マリナーラ
形状による分類
thumb
ピッツァ・ナポレターナ(Pizza Napoletana)
麺棒を使わず手で伸ばすため円形で中心部が薄く縁が厚いのが特徴。
カルツォーネ(Calzone)またはピッツァ・リピエナ(Pizza Ripiena)
円形のピッツァを二つ折りの半月形にして焼いたもの。半球状に膨らむ。
シチリア風ピッツァまたは
スフィンチョーネ(Sfincione)
四角形のピッツァ。
※生地部分は薄い円形が一般的ではあるが、そのほかにも様々な形状のものが存在する。上ではその一部を紹介した。
アメリカのピザ
thumb
アメリカなど北米地域では、地域ごとに特徴のあるピザが存在する。高さのある深いパンを用いて、チーズや具をたっぷり入れて焼いたものはディープディッシュピザあるいは
シカゴ風ピザと呼ばれ、
シカゴの名物となっている。また生地が薄いものはニューヨーク周辺に多く、
ニューヨーク風ピザあるいはクリスピーピザと呼ばれる。ピザは
ホットドッグや
ハンバーガーに並ぶ
アメリカ料理のひとつとして位置づけられており、
カフェテリアなどのメニューには必ず見つけることが出来る。アメリカのピザはイタリアのピザに比べて大きく、地域によっては生地が厚く甘みがあり、トマトソースと具の量が多く、薪で熱した石釜の床に直にピザを置いて焼くよりも丸い専用のパン(pan - 浅い焼き型)に具をのせた生地を入れてオーブンで焼くパンピザが一般的であるが、初期には石炭をくべるパン焼き窯で焼いていた。チーズはピッツァ・チーズと呼ばれる、熱すると融けて糸を引く薄黄色のチーズが多用される。これは一般にモッツァレッラと呼ばれているが、本物のモッツァレッラよりも水分が少ない。
ドミノ・ピザに代表される宅配ピザも非常に普及しており、気軽な会合などではよく供される。またアメリカの家庭は大型の
オーブンがよく普及しているため、市販の冷凍ピザを買ったり、市販の生地を買ってきたり、ピザ生地を手作りして自宅で焼くことも多い。
宅配ピザ
thumb
アメリカではピザが
出前される食品としても元々人気があったが、さらにこれが発展して、
電話で注文すれば自宅までピザを届けてくれるという配送を中心としたピザ販売が大いに普及し、多数の業者が存在する。配達は通常自家用車を持つアルバイトによって行われ、勤務中は車に宣伝を兼ねたロゴを取り付けて業務を行う。レストランで食事をした場合と同じく、配達者には15%くらいの
チップを渡すのが習慣である。
日本でもこのような業務形態が定着し、
宅配ピザと呼ばれるようになった。まず
1985年9月に
東京都渋谷区恵比寿で
ドミノ・ピザが日本初の宅配ピザ店としてオープンしたのを皮切りに、チェーン店方式の宅配ピザ店が大量にでき、自宅で気軽にピザを食べられるようになった。かつて
ドミノ・ピザでは注文後、30分以内に配達先に到着出来なければピザ1枚につき700円を返金するというお届け時間の約束があったが、「30分以内」を厳守しようとする配達員の無理な運転による
交通事故の可能性、住宅事情の変化から30分以内に配達できない実例などが増加してきたことなどから、現在は実施されていない。
2000年頃から一部のチェーン店では
インターネットでも、注文を受け付けるようになった。
主要チェーン
関連項目
脚注
szl:Pizza
ピザについて