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僕の生きる道

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僕の生きる道について

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

僕の生きる道』(ぼくのいきるみち)とは、フジテレビ系列で、2003年1月7日から2003年3月18日の毎週火曜22:00〜22:54まで放送された、全11回のテレビドラマである。ただし、初回は10分拡大で22:10〜23:14、最終回は15分拡大で22:00〜23:09。関西テレビ共同テレビの制作。略称は『僕生き』。

概要

僕シリーズ3部作の1作目で脚本家・橋部敦子の出世作と言える作品。テーマは「愛と死」。 同クールの各社ドラマの中で、前評判はさほど高くなかったものの、ドラマ独特の世界観の確立、死を正面から決して卑屈にならずに取り上げた内容、草彅剛の好演などと相まって、最終話に向けて視聴率は上向き、公式番組サイトBBSに寄せられたメッセージ数は膨大で、のちの特番の企画につながった。また、主題歌もその後長く歌われる大ヒットとなった。「生きる」ことについて製作者が真っ向から問い詰める形でドラマが作られており、いかに現実に近づけられるかをコンセプトに制作されていたことから、リアリティを出すことも徹底されている。従来の、いわゆる「お涙頂戴」路線と呼ばれるヒューマンドラマの有り方を変え、無理に悲劇に持っていくことや強引に恋愛を絡ませることでハッピーエンドにすることが多かった同種ドラマに革命を起こしたとさえ言われ、下火となっていたヒューマンドラマ復活の先駆けとなった。 出演者にも余韻の残るドラマであったらしく、『SMAP×SMAP』に出演した矢田亜希子草彅剛ともども、「このドラマは自分で何度か見返したことがある」と発言。 のちの特番(後述)製作の際にも、矢田は「もう1度『みどり先生』を演じられて嬉しい」と語っている。 また生徒役には内博貴綾瀬はるか市原隼人浅見れいなといった後にブレイクした若手俳優が起用されている。

あらすじ

私立進学高校「陽輪学園」の男性教員である中村秀雄はある日健康診断で再検査となり、スキルス性胃癌で余命1年と宣告される。 最初は自暴自棄になり、自殺未遂まで起こす中村だった。しかし、金田医師との触れ合いから、残りの人生を精一杯生きようと決意する。そんな中村の変化につれ、1度は中村の告白を受け入れなかった同僚のみどりも次第に彼に惹かれていき、やがて恋人同士となる。幸せな日々もつかの間、彼の病と余命を知ったみどり。中村は別れを切り出すが、彼女の献身的な姿勢や金田との対話から、残された人生を彼女と過ごすために結婚を決意する。学園理事長であるみどりの父を説得できぬまま、幼少時代に通った教会で2人だけの結婚式を挙げていると、そこにはみどりの父が……。 そして、中村は自分の夢であった合唱を、受験勉強で汲々とした生徒に提案する。歌手志望の杉田以外、ほとんど無関心を装っていた生徒たちも、次第に心を開き始め、コンクールに向けて練習を重ね、地区決勝まで勝ち進む。しかし、病院を抜け出し、みどりに付き添われながら、決勝の客席に臨んだ彼の余命はもういくばくもなく……。

キャスト

  • 中村秀雄(28→29) - 草彅剛
  • 主人公。私立進学高校「陽輪学園」の2年G組担任で生物教師。幼い頃、教会で聖歌隊の合唱を目の当たりにし、自身も合唱に加わったことがきっかけでテノール歌手を夢見ていた。典型的な事なかれ主義でそれまでの人生を可もなく不可もなく生きていたが、28歳のある日にスキルス性胃癌と診断され、余命一年と宣告される。最初は自暴自棄になっていたが、やがて「残りの人生を悔いなく生きる」ことを選び、ビデオ日記や合唱部の設立など死の直前まで自分が生きた証を最大限に残す努力を始めた。副担任のみどりに恋心を抱いており、余命を知った直後に強引に迫り拒絶され、改めて正面から告白して振られるが、その後の生き方の変貌に認識を改めたみどりから逆に告白される。その後、余命を知った彼女に対し、当初は拒否するも、金田医師の助言などもあり、結婚。最終的には宣告された余命より3ヶ月長生きし、みどりと初めて行った焼き鳥屋での、最も楽しかった思い出である「砂肝……」の言葉を最期に、生徒たちの歌声に送られて逝った。2003年3月13日午後4:30永眠、享年29。
  • 秋本(中村)みどり(25) - 矢田亜希子
  • ヒロイン。2年G組副担任で国語教師。食べることが大好きであり、好きな焼き鳥の種類は砂肝。がんを告知された直後の秀雄と食事に行った際の出来事で、最初は秀雄を軽蔑するようなそぶりをみせるが、次第に彼の今を生きるさまに惹かれるようになり、あらためて自分から想いを告白し交際をはじめ、ほどなく結婚を申し出る。彼の病状を、皮肉にも彼が生きている証として付けていたビデオ日記から知ることになるが、それでも結婚の意志は揺るがず、秀雄もあらためて彼女にプロポーズする。結婚後は秀雄の最大の理解者となり、合唱コンクール終了後、生徒たちの歌声のなかで秀雄の最期を看取った。特番での断片的描写に依る限り、秀雄の死後から数年経っても再婚はしておらず、秀雄に逢いに思い出の木の場所へ度々出向いているようである。
  • 秋本隆行(55) - 大杉漣
  • みどりの父で陽輪学園理事長。妻を亡くし、みどりと2人暮らし。几帳面な性格である。当初、久保とみどりの仲をとりもとうとするが、みどりの気持ちを知り、また、中村の言動から彼を再評価するようになる。彼の病と余命を知り、親としてみどりとの結婚に反対する一方、それらを反対の理由とすることは命の大切さを伝えるべき教育者として許されず、その間で葛藤する。しかしながら最後には彼らの姿勢に祝福を送り、残り少ない彼らの結婚生活を見守るようになる。
  • 金田勉三(43) - 小日向文世
  • 秀雄の主治医。秀雄に対して死の宣告とも取れる告知をした人物。彼に対して「今を生きる」ということを説き、「1年って28年より長いですよね」という心境へと導いた重要人物。秀雄のメンタル面のケアは定期診療時に常に行っていた。みどりが秀雄の運命の相手だと極めて早い時期から分かっているなど先見の明のようなものを持っている。その反面、以前自分の言った話を忘れて覚えていないなど、とぼけたユーモラスな一面も持つ。しかし、そんな彼でも「医師として」の自覚も持ち合わせており、秀雄の死の直前に合唱コンクールへ出向く秀雄に対しての外出許可を医師として頑なに拒み続けた。小日向文世にとって「僕シリーズ」で唯一の善人役とも言える。後の2作は仕事人間である役柄と言えよう。

同僚教師

  • 久保 勝(30) - 谷原章介
  • 数学教師。秀雄とは対照的に授業は好評で、教師として優秀な人物。秋本から次期理事長として、みどりの結婚相手に、と眼を掛けられていた。みどりに対しては理事長の娘という立場とは関係なく恋愛感情を抱いており、アプローチを掛けるも、価値観の相違もあり振られる。終盤では、太田との接近が伺われた。
  • 太田麗子(38) - 森下愛子
  • 英語教師。同僚の久保とは互いに軽口を叩き合っている。秀雄の服用している薬が、癌で亡くなった彼女の叔母のものと同じであったため、彼が癌であることを悟る。みどりの相談相手にもなり、二人の生き方を応援するようになる。「私の目はごまかせないんだから」が口癖。
  • 岡田 力(23) - 鳥羽潤
  • 新任の社会科教師。秀雄とみどりの交際を一人だけ悟れなかった。
  • 赤井貞夫(35) - 菊池均也
  • 体育教師。時折、新婚の愛妻と喧嘩したあげく、岡田の部屋に転がり込むことがある。
  • 古田進助(45) - 浅野和之
  • 陽輪学園教頭。当初は、理事長の秋本に唯々諾々と従う一方で教師には厳しく、事なかれ主義を伺わせる中間管理職の典型のようだったが、秋本から中村の余命を聞き、彼の残りの人生に悔いのないよう、サポートするようになる。

2年G組生徒

  • 杉田めぐみ - 綾瀬はるか
  • 歌手志望。クラスの中で誰も聞いていない秀雄の生物の授業を唯一聞いている。進路について誰にも相談しなかったが、秀雄の言葉を聞き、本気で歌手になる決意をする。
  • 田岡雅人 - 市原隼人
  • 医学部志望だが、人を助けたいという動機ではなく金のためである。しかし、彼女である萌の妊娠騒動で命を軽んじる発言をしたため、秀雄から「医者になる資格はない」と言われる。その後秀雄との揉み合いになった際不注意で足を怪我するが、その責任を秀雄に押し付ける。だが秋本を通じ、秀雄からの手紙を読み反省する。マザコンの気がある。
  • 吉田 均 - 内博貴
  • 家族は皆東京大学卒業で、自身も東大に入学することしか考えていない。はじめは、自分のことしか考えずに周りにイヤな思いをさせていたが、自分の落ち込みをきっかけとして秀雄が合唱を始めたことを知り、生徒や秀雄と和解。コンクール決勝戦では、病で指揮を取れなくなった秀雄に代わりタクトを振る。現役での東大入試には失敗したものの、その後一念発起し秀雄の背中を追うかのように陽輪学園生物教師となる。その教師ぶりはまさに秀雄の生き写しであった。
  • 鈴木りな - 浅見れいな
  • 体育教師の赤井に恋をしていたが、赤井の結婚を知り、学校を休む。秀雄の説得に同意したが、彼女の「恋はしちゃうもんなんだよ」の一言が、恋を諦めていた秀雄に影響を与えた。
  • 赤坂 栞 - 上野なつひ
  • 吉田の幼なじみ。彼を想っている。父親が経営している会社の状態が芳しくなく、国立大学への進学を希望。秀雄の影響もあり、終盤、自分に正直になろうと決め、吉田に突然迫る。
  • 近藤 萌 - 鈴木葉月
  • 田岡と付き合っていたが、喧嘩のあげく、「妊娠している」と狂言を弄する。
  • 黒木愛華 - 岩崎杏里
  • 芸能雑誌に写真が掲載されたことを学校で問題視される。
  • 田中 守 - 藤間宇宙
  • 受験のストレスから万引きや盗撮をしてしまう。杉田の次に、合唱に参加した男子生徒。

その他

  • 畑中琴絵 - 眞野裕子
  • 金田が勤める病院看護婦。金田を優秀な医師として尊敬している。
  • 田岡久美子 - 銀粉蝶
  • 田岡の母でPTA会長。田岡にケガをさせた秀雄への処分を求めるが理事長の秋本に拒絶される。その後、合唱コンクール出場についても秀雄はじめ学園側と対立するが、教頭の古田に勧められ、ひたむきに取り組んでいる息子の姿を見て、納得する。
  • 中村佳代子 - 山本道子
  • 秀雄の母。山梨県在住。結婚を断った秀雄が実家に戻る際、勝手に追いかけてきたみどりを見て、婚約者と誤解する。

スタッフ

主題歌

  • SMAP世界に一つだけの花
  • 元々はアルバム収録曲。最終回のエンディングのみ当時完成したばかりのシングルヴァージョンが使用された。『No1にならなくてもいい〜』(シャーク・テイルも使用)から入るアレンジされ、主人公の結末後というタイミングで流れた。

サブタイトル・放送日・視聴率

各話||放送日||サブタイトル||視聴率
第1話2003/1/7告知、余命一年15.4%
第2話2003/1/14読まなかった本14.8%
第3話2003/1/21封印された恋心13.5%
第4話2003/1/28教師・失格12.0%
第5話2003/2/4あばかれた秘密13.1%
第6話2003/2/11悲しきプロポーズ15.9%
第7話2003/2/18間違われた婚約者14.1%
第8話2003/2/25二人だけの結婚式15.6%
第9話2003/3/4一枚の写真16.4%
第10話2003/3/11最後の誕生日17.7%
最終話2003/3/18愛と死21.6%
平均視聴率15.6% (視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
  • 第1話は64分、最終話は放送時間を69分に拡大
  • 最終話のうちの数シーン(秀雄がタクトを購入し、みどりとしみじみと眺める、など)が、CMの関係でカットされた局がある。再放送やDVDで初めて見るケースもあるようである。また、病院を抜け出した秀雄がコンクール会場に向かうシーンは台本になく、おそらく最終話用に急遽挿入されたものであったことが、DVD-BOX特典収録の最終撮影にて明らかになっている。

備考

  • 矢田亜希子は本作で初めてウェディングドレスを着る役を演じた。
  • 本放送中にニッポン放送系列で『もう一つの僕の生きる道』というラジオドラマが放送された。こちらは矢田演じる花屋の女性が不治の病で、草彅は通院先の病院の研修医という設定。劇中で、女性の友人がみどりであること、研修医の先輩の話として金田医師と秀雄の会話を伺わせるくだりがある。これはDVD-BOXの特典として収録されている。
  • 第10回のラストで、新婚旅行中に秀雄が一人で起きて「死にたくないよぉ……!」と嗚咽するシーンはこのドラマの核ともいえるシーンで、余命一年の人間が良い死を迎え綺麗に逝くということを描いただけではない、本作を象徴した場面として草彅ドラマ史上屈指の名場面として今も語り継がれている。
  • 2004年1月より、同じフジテレビ系列(関西テレビ発)の火曜ドラマとして『僕と彼女と彼女の生きる道』(僕シリーズ3部作の2作目)が放送された。当初、タイトルの類似性などから、本ドラマとの関連性が噂されたが、実際には全く関連なく、続編でもない。主演の草彅、大杉(実父)、小日向(会社上司)、浅野(娘の通う小学校の担任)などを除き、出演者も一新されている。(例.矢田亜希子小雪
  • このドラマは草彅剛の俳優としての評価そのものを変えたとも言われ、本作の後には『ホテルビーナス』などの映画出演も増え、『SmaSTATION』では「もっとも泣ける俳優」として特集が組まれた。実際、徐々に進行する病状をリアルに演じるべく野菜ジュースのみを摂るなどの減量を行い(同じジャニーズ事務所所属の内博貴がインタビューで語った)、最終話、病院に運ばれ、ワイシャツを切られた際には、肋骨が見えるほどで、視聴者の驚きを誘った。
  • 本ドラマ終了後の7月7日に、『SMAP×SMAP特別編 僕とあなたの生きる道〜one day』という、主人公・中村秀雄が亡くなってからのある1日を描いたもので、「死」を考えることで、どう生きるかを問いかける内容に仕上がっていた。また、その後、番組公式サイトに寄せられたメッセージの中から、闘病の実体験や家族の闘病生活などを取材した特番も放映され、草彅剛がナレーターを務めた。

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