EDレンズについて
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EDガラス (Extra-low Dispersion Glass)は、低分散性、異常分散性を持った
ガラスのこと。色収差の少ない
レンズ(
EDレンズなど)をつくるために用いられる。製品としては
オハラのS−FPL51YやFPL51Y、
ショット (Schott)のFK51などがあり、UD・LD・SDなどとも呼ばれる。
概要
適切に使用すると非常に
色収差の少ない(従って色にじみの少ない)像を得ることができ、高性能を要求する光学機器、特に
カメラ用レンズ・
顕微鏡・
望遠鏡・
半導体ステッパーなどに用いられる。
異常分散性とは
ある波長範囲における
屈折率差を部分分散とよぶ。通常のガラスでは、部分分散は可視光線近傍領域では波長にあまり依存しない。波長によって部分分散が特異に変化するものが異常分散・特殊分散とよばれる。青(500nm程度)の領域の分散性が特異に低いものを低分散・高いものを高分散とよぶ。
組成等
超低分散性をもつレンズとしては
蛍石レンズ(
フッ化カルシウムの人造単結晶を削りだしたもの・ガラスではない)などが著名であるが、フッ化カルシウムの
単結晶の製造は技術的にかなり困難で、しかも素材が軟らかく・割れやすい。したがって切削・研磨は困難である。そのため代替品が求められてきた。
この要望によって開発されたのがEDレンズである。
かつては
鉛・
ヒ素化合物などを添加したものが主流であったが、
欧州連合(EU)では、
RoHS指令により、2006年7月1日以降、高温溶融はんだなどの例外を除き、工業製品への鉛の使用が原則として禁止された。このため、代替材料として
チタン化合物などを使用したものに転換されつつある。←昔自分で書いておいて申し訳ないけれど、これはEDガラスの相玉によく使うフリントガラスについての記述です
多くは既存のガラス(ケイ素酸化物系)に無機フッ素化合物や無機リン酸化物・ホウ素化合物などを加えて特性を改良したものであるが、リン酸クラウンガラス(PK)などケイ素成分を含まないものも存在する。
色収差をさらに低減させたレンズを「SDレンズ」と呼ぶこともあるが、EDレンズとの境界は明確ではなく、場合によってはほぼ同様の概念で用いられる。一般的に世界各国ではED、SDともにEDと呼ばれSDという呼称は一般的ではない。しかし、日本ではこれらを区別しており、蛍石に
非常に近い特性を持つものを
SDガラス、
近い特性を持つものを
EDガラス、としている。
キヤノンはカタログなどにおいて、自社がレンズ材として使用している蛍石レンズの優位性を強調するため「UDレンズは2枚で蛍石レンズ1枚に相当する」といった主張を行っている。
[http://cweb.canon.jp/ef/technology/index.html Canon EFレンズテクノロジー スーパーUDレンズ/UDレンズ 2008年12月15日閲覧]。
重要な光学的性質である異常分散性については蛍石に劣るものの、コストと耐候性の点では有利である。
歴史
ヨゼフ・フォン・フラウンホーファーが試作したものの、極端に腐食に弱く実用化に失敗。実用化は(天然の結晶を利用した)蛍石レンズが先行した。
[1888年のエルンスト・アッベによる顕微鏡用対物レンズ等]
実用品は1960年代後半から1970年代前半にかけて開発された。
ドイツの
ショット (Schott)社が
1966年に開発したクラウンガラス"FK50"が実用品として世界初とされ、その後順次開発が進んだ。さらに
日本の
光学メーカーがこれに追随した。対候性・価格・製造技術などは飛躍的に進歩し、現代に至っている。
特徴
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異常分散性をもつ
-
ガラスの中では軟らかいものが多い
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ガラスの中では熱膨張率が大きいものが多い
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ガラスの中では化学的に脆弱で腐食されやすいものが多い
脚注
用途
脚注
出典
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新版屈折望遠鏡光学入門 吉田正太郎 誠文堂新光社 2005 ISBN 441620518X
関連項目
EDレンズについて