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社会的養護についての懸念あるいは杞憂

2016/11/13 04:30

 昨日のブログで,モッキンバード・ファミリー・モデルのイベントを行って下さった主催者に対して「肌が合わない感触を強く覚える」と書きましたが,より正確に言うと,主催者側,あるいは,その背後で政策を考える方達の考えが,【怖く感じた】ところがあり,【賛同して良いか判断が付きかねた】,というのが正直なところでしょうか。

 いま,政府では,「児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進のために」として,これまでのような養護施設から,里親委託や養子縁組,そして小規模なファミリーホームへと移行していくことを提唱しています。

 そして,議員の方の特別講演では,一つのアイデアとして,社会的養護においても「人の手をかけない部分をIT化すること」が求められていること,里親制度が普及しない背後には「児童相談所」などの「人」がその判断でマッチングを行っていることが一因としてあること,そして,「里親と里子のデータをデータベース化し,AIでマッチングを行うこと」が解決策の一つとしてあり得ると言われていました。
 さらに,パネルディスカッションでは,アメリカでは学術機関も協力してモッキンバードファミリ−モデルを作り上げてきたことが紹介された後,司会の方が「本日のイベントにも学術機関の方が来ておられますよね。手を挙げて下さい」と言われ,どなたも手を挙げられなかったことについて「出席者名簿には大学の方のお名前もありましたから,そうした大学から活動が広がると思います。」と言っておられました。

 そうした話を聞いていて,なんとなく,「里親委託への流れを阻害している問題を解決するために, 攣愼嚇な立場の里親からの指導が受けられ,また短期で指導的な立場の里親に子どもを預けるレスパイトを(たとえば法制度として)備えることで,里親の希望者の増大に繋げ】その上で,◆攷佑砲茲襯泪奪船鵐阿任呂覆AIによるマッチングとすることで里親『委託』を増やす】そして,【そうした政策を採るためには,補助金によりそうした里親システムが効果的である旨の調査研究を行う】。
 そんな考えが,一瞬頭をよぎったためです。

 もし,そうした考えが政府の中にあったり,私が知らないだけでそういう動きが現に起こっているというのであれば,これは怖いように思え,果たして賛同して良いのかどうか,判断が付きませんでした。

 たしかに,日本の財政面が好転しているとは思っていませんので,児童擁護についても,これまでと同じような費用のかけ方は難しいのかもしれません。今の私が,何かアイデアを持っているわけではありません。
 里親への大規模な委託が一国の制度として不可避であれば,その【里親養育を少しでも良くするための制度の導入】は,必要なことかもしれません。
 
 しかし,アメリカのモッキンバード・ファミリー・モデルは,「実際に社会的養護を受ける子が,十分なケアを受けられなければ,結果として成人になったその子が社会に貢献することが出来なくなり,社会的養護の活動自体が社会において認められがたくなる」という信念のもとに,「同じ信念を持つ人でのマッチング,組織作りを慎重に行い,6か月から1年かけて一つのコンステレーションを作っていく」という草の根で活動してきたもののように伺えます。
 それに対し,もし,今考えられている制度が【法律で一律に《指導里親》の資格を定めてその管轄を定めたり,《指導里親による里親の有給(レスパイト)》を設けるような方法】や,その延長として【人の判断ではなくAIによる里親と里子のマッチングを行う方法】につながっていく『可能性』もあるのだとすると,そもそも『人の出会い,繋がりの大切さ』を重視してきたモッキンバードとは大きく異なるように思われ,それは,結果として被虐児へのケアの厚さ,被虐児の社会への向き合い方という効果にも大きな違いを及ぼし,それこそ【仏作って魂入れず】ところか、かえって【人の信頼とつながりがあって初めて行ってよいケアを、そうしたもののないまま行う】ことになってしまう恐れも感じます。

 正直、イベントでは、「バスに乗り遅れるな」というような雰囲気というか…真剣に制度の良しあしを考えるのではなく、政治運動に近いような雰囲気・印象がありました。

 そのため,児童福祉の政策決定や,国家財政等に明るくない私には,「そうした方向につながる可能性がそれなりにある」のだとすると,いまその会場でモッキンバード・ファミリー・モデルを進めようというしている方達に賛同して良いのかどうか,自信を持って判断することが出来ず,態度を決めかねたのです。
 もちろん,上記のようなことが私の杞憂に過ぎず,NPOとしてモッキンバード・ファミリー・モデルを幾人かの方が実践してみるだけであれば,憂慮することではないのですし,モッキンバード・ファミリー・モデル自体は良いものだと思っているのですが…。

 この文章を書いているいまでも,私には分かりません。
 これから時間がたっても,分からない,判断できないままなのかもしれません。
 ですので,他の方にも,そうしたことも少し考えて貰えれば…,そう思って,少し書いておくことにしました。


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