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原発事故情報の読み方・資料編

2011/03/29 22:18

 

     福島第一原子力発電所のプラント状況について(午後7時現在)


                    平成23年3月11日
                    東京電力株式会社
                    福島第一原子力発電所


 本日、当社・福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワット)は定格出力一定運転中のところ、午後2時46分頃に宮城県沖地震により、タービンおよび原子炉が自動停止しました。
 その後、1、2および3号機の全ての交流電源が喪失したことから、午後3時42分に原子力災害特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象が発生し、その後、1号機および2号機の非常用炉心冷却装置について、注水流量の確認ができないので、念のため午後4時36分に、原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象が発生したと判断しました。
                    (お知らせ済み)


 1号機においては、非常用復水器で原子炉内の蒸気を冷やしており、2、3号機については、原子炉隔離冷却系で原子炉に注水しております。
 4号機、5号機および6号機については、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。


 その後、福島第一原子力発電所内での火災は発生していないことを当社社員が確認しました。
 モニタリングカーにより発電所敷地内(屋外)の放射性物質の測定を行い、通常値と変らないことを確認しました。引き続き、測定を実施中です。


                    以上


03.11 福島第一原子力発電所のプラント状況について(午後7時現在)(PDF7.43KB)
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1311-j.pdf

 

 

 

          〔午後9時55分発表〕
   〈福島第一原子力発電所のプラント状況等のお知らせ〉
          (3月11日午後9時現在)


                    平成23年3月11日
                    東京電力株式会社
                    福島第一原子力発電所


1号機(停止中)
 ・原子炉は停止し、非常用復水器で原子炉蒸気を冷やしております。
 ・現時点において、原子炉容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


2号機(停止中)
 ・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしておりましたが、現在、運転状態は不明であり、原子炉水位確認できない状態です。
 ・現時点において、原子炉の水位低下により、放射性物質が放出する恐れがあるため、半径3km以内の地域住民に対して、避難勧告が自治体から出されております。


3号機(停止中)
 ・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


4号機(定期検査で停止中)
 ・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


5号機(定期検査で停止中)
 ・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


6号機(定期検査で停止中)
 ・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


その他
 ・モニタリングカーにより発電所敷地内外(屋外)の放射性物質の測定を行い、通常値と変らないことを確認しました。現時点において外部への放射能の影響は確認されておりません。
  引き続き、排気筒や放水口等からの放射性物質の放出の可能性について詳細に監視してまいります。


 ・発電所構内発電所構内(ママ)においてけが人(協力企業)2名が発生しており、そのうち1名(骨折)救急車、もう1名については業務者にて病院に搬送いたしました。


                    以上

               (お問い合わせ先)
                    福島第一原子力発電所
                    広報部
                    (電話番号の記載は略)


03.11 福島第一原子力発電所のプラント状況について(午後9時現在)(PDF9.25KB)
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1312-j.pdf

 

 

 

          〔午前0時30分発表〕
     〈福島第一原子力発電所のプラント状況等のお知らせ〉
          (3月12日 午前0時現在)


                    平成23年3月11日
                    東京電力株式会社
                    福島第一原子力発電所


福島第一原子力発電所は全号機(1〜6号機)停止しております。

1号機(停止中)
 ・原子炉は停止し、非常用復水器で原子炉蒸気を冷やしております。
 ・現時点において、原子炉の水位低下により、放射性物質が放出される恐れがあるため、国から、半径3km以内の地域住民に対して避難指示、半径3kmから10km以内は屋内退避の指示が出されています。


2号機(停止中)
 ・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしておりましたが、現在、運転状態は不明でありますが、仮設電源により原子炉水位は確認でき水位は安定しております。
 ・現時点において、原子炉の水位低下により、放射性物質が放出される恐れがあるため、国から、半径3km以内の住民に対して避難指示、半径3kmから10km以内は屋内退避の指示が出されています。


3号機(停止中)
 ・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


4号機(定期検査で停止中)
 ・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


5号機(定期検査で停止中)
 ・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


6号機(定期検査で停止中)
 ・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしております。
 ・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。


その他
 ・モニタリングカーにより発電所敷地内外(屋外)の放射性物質の測定を行い、通常値と変らないことを確認しました。現時点において外部への放射能の影響は確認されておりません。
  引き続き、排気筒や放水口等からの放射性物質の放出の可能性について詳細に監視してまいります。


 ・発電所構内においてけが人(協力企業)2名が発生しており、そのうち1名(骨折)は救急車、もう1名については業務車にて病院に搬送いたしました。
  また、当社社員2名が現場において、所在の確認ができておりません。


 ・余震や津波の状況を見ながら、現在各プラントの現場の状況を確認中です。


                    以上


03.12 福島第一原子力発電所のプラント状況について(午後0時現在)(PDF9.36KB)
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1313-j.pdf
 

 

 

 

…と、ここまでが3月11日分の福島第一原発の「プラント状況等のお知らせ」である。

 1号機での水素爆発(白煙発生)直前に当たる、翌3月12日午後3時20分発表のプレスリリースでは、1〜6号機それぞれの状況が概観され、1〜3号機での、

 

 国の指示により、安全に万全を期すため、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置

 

…の実施および準備の状況が報告されている。「その他」の項目では、
 
 ・現在、1号機の原子炉格納容器の圧力を降下させる操作を実施しておりますが、原子炉建屋内で作業していた当社社員1名の線量が100mSvを超過しております(106.3mSv)。現在、産業医が不在のため、後日診察することとします。


 ・モニタリングカーによる発電所構内(屋外)の放射性物質(ヨウ素等)の測定の値が通常値より上昇しております。またモニタリングポストの測定値も通常値より上昇しております。
  引き続き排気筒や放水口等からの放射性物質の放出の可能性について詳細に監視してまいります。
  なお、放射性物質が放出される恐れがあるため、国から、半径10km以内の地域住民に対して避難指示が出されています。


 ・発電所構内においてけが人(協力企業)2名が発生しており、そのうち1名(骨折)は救急車で、もう1名については業務車にて病院に搬送いたしました。
  また、当社社員の1名は左胸を押さえて立てない状態であったため、救急車にて病院に搬送いたしました。
  また、当社社員のうち2名が現場において所在の確認ができておりません。
  さらに免震重要棟近傍にいた協力企業作業員1名が意識がないため、救急車で病院に搬送しました。
 
…と、悪化していく事態と、それに伴うけが人等の詳細が記されている。

 読んだ時点では気付かなかったが、この「所在の確認できて」いない2名の「当社社員」は、津波の犠牲者である可能性が高い。けが人や行方不明者の発生状況を記者会見場で質問することで、現場の具体的状況が、より明らかになったはずである。

 

 

 参考までに、福島第二原子力発電所のプレスリリースでは行方不明者とけが人(死者を含む)の発生状況がどのように報告されていたのかを、読んでおきたい。行方不明者やけが人(死者)についての言及は、原子炉等の状況とは別の「その他」の項目にあるので、その項のみ抜書きしておく(つまり、原子炉等の状況の推移には独立した項目があるがここでは引用しない)。

 

 

〈福島第二原子力発電所プラント状況等のお知らせ〉
  (3月11日 午後10時00分現在)

 その他
  ・発電所構内において、行方不明者は発生していません。
 
〈福島第二原子力発電所プラント状況等のお知らせ〉
  (3月11日 午後11時00分現在)

 その他
  ・発電所構内において、行方不明者は発生していません。
  ・現時点で、発電所構内で発生したけが人は2名(軽傷1名、重傷1名)です。
 
〈福島第二原子力発電所プラント状況等のお知らせ〉
  (3月12日 午前0時00分現在)

 その他
  ・発電所構内において、行方不明者は発生していません。
  ・重傷者1名については、排気筒のクレーン操縦室に閉じ込められていますが、他の作業員の確認した情報では、当該作業員の呼吸および脈が確認できない状況です。
  ・軽傷1名の症状は、現場を歩行中に転倒し、左足首および両ひざ擦過傷したものであり、本人に意識はあります。
 
〈福島第二原子力発電所プラント状況等のお知らせ〉
  (3月12日 午後0時現在)

 その他
  ・発電所構内において、行方不明者は発生していません。
  ・重傷者1名については、排気筒のクレーン操縦室に閉じ込められており、他の作業員の確認した情報では、当該作業員の呼吸および脈が確認できない状況。現在、救出方法を検討中。
  ・軽傷者は1名(現場を歩行中に転倒し、左足首および両ひざ擦過傷)。治療後、所内で待機中。
 
〈福島第二原子力発電所プラント状況等のお知らせ〉
  (3月12日 午後2時00分現在)

 その他
  ・発電所構内において、行方不明者は発生していません。
  ・重傷者1名については、排気筒のクレーン操縦室に閉じ込められており、他の作業員の確認した情報では、当該作業員の呼吸および脈が確認できない状況。現在、搬送作業を開始。
  ・軽傷者は1名(現場を歩行中に転倒し、左足首および両ひざ擦過傷)。治療後、所内で待機中。
 
〈福島第二原子力発電所プラント状況等のお知らせ〉
  (3月12日 午後3時00分現在)

 その他
  ・発電所構内において、行方不明者は発生していません。
  ・重傷者1名については、排気筒のクレーン操縦室に閉じ込められており、他の作業員の確認した情報では、当該作業員の呼吸および脈が確認できない状況。現在、搬送作業を開始。
  ・軽傷者は1名(現場を歩行中に転倒し、左足首および両ひざ擦過傷)。治療し、所内で待機後、職場に復帰。
 

〈福島第二原子力発電所プラント状況等のお知らせ〉
  (3月12日 午後6時00分現在)

 その他
  ・発電所構内において、行方不明者は発生していません。
  ・重傷者1名については、排気筒のクレーン操縦室に閉じ込められておりましたが、午後5時13分、タワークレーンから地上に搬送し、午後5時17分、死亡が確認されました。
  ・軽傷者は1名(現場を歩行中に転倒し、左足首および両ひざ擦過傷)。治療し、所内で待機後、職場に復帰。

 

 

 当初の混乱の中から時間を追って発電所の現地当事者に状況が把握されていく過程と、発生した負傷者に対処していく過程が記されているのである。

 ここでは変化のあった時点のみ抜書きしているのだが、福島第二原発のプレスリリースは、11日の夜から一時間おきの発表となっていることを書き添えておきたい。それに比して、福島第一原発のプレスリリースの方は毎時発表ではないのである。しかも、東電ホームページの掲載へのタイムラグも大きい。両者の書式も同一とは言えない。つまり、本社による情報操作の可能性は低いと考えられる。本社の介入度か高ければ、発表形態の統一度も高くなるはずなのである。

 

 
 

 

 お次は、第一原発1号機での「水素爆発」の第一報である。

 

 

     福島第一原子力発電所1号機付近での白煙発生について


                    平成23年3月12日
                    東京電力株式会社
                    福島第一原子力発電所


  平成23年3月11日、当社・福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワット)、2号機および3号機〈沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)は定格出力一定運転中のところ、同日午後2時46分頃に東北地方太平洋沖地震により、タービンおよび原子炉が自動停止しました。


 本日、午後3時36分頃、直下型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな音があり白煙が発生しました。
 プラントの安全確保作業に携わっていた当社社員2名、協力企業作業員2名が負傷したため、病院に搬送しました。
 プラントの状態、外部への放射線の影響については、現在調査中です。


 今後、安全の確保に全力を尽してまいるとともに、引き続き周辺環境のモニタリングを継続・監視してまいります。


                     以上


03.12 福島第一原子力発電所1号機付近での白煙発生について(PDF7.32KB) プレス
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1321-j.pdf

 

 

 「白煙」が「発生」したことで4名が「負傷」しているのである。

 この東電用語からは、今回の事故以前のプレス発表における「煙」の「発生」という記述が、実は「爆発」であった可能性もあることを知ることが出来る。

 ここに、資料読解の醍醐味を思うべきであろうか?

 

 

 

 

 




Binder: 現代史のトラウマ(日記数:666/全体に公開)
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最新コメント

  • Comment : 1
    umasica :桜里
     2011/03/29 23:27
    前回の「原発事故情報の読み方」をココログにアップする際の註。

    …というつもりで書き始めたのだが、独立した記事にしてもよいかも知れない。

  • Comment : 2
    umasica :桜里
     2011/03/29 23:28
    要するに隠蔽とか虚偽発表・情報操作と言う前に、

          まず原典を読め!!

                      …というお話だな。

  • Comment : 3
    やわらか☆不思議猫
     2011/03/30 02:27
     使用済み燃料貯蔵プールについてはまったく思慮の他であったこともよく分かりますね〜〜(-_-;) ちなみにテレビに解説に出てきていた専門家の方々も爆発が起こるまでは、貯蔵プールに言及した人は居なかったですね。

  • Comment : 4
    umasica :桜里
     2011/03/30 07:59
    やわらか☆不思議猫 様


    >使用済み燃料貯蔵プールについてはまったく思慮の他であったこと…

    現場は、それ自体が並みではない地震津波被害と、
    電源喪失=監視・制御システムの無効状態というお手上げ状況。
    その中で必死になって現状把握と緊急対応に努力中…
            …ということが、プレスリリースからは伝わってくる。

    しかし、会見場じゃぁ、「危険なのか?安全なのか?」みたいな愚問ばかり。

    危険に決まってるじゃんか。
    だけど大事なのは、まず現状把握。
    その上での、起こりうる事象の可能性のシミュレーション。
    取材記者の質の問題なのかも知れないけど(科学部じゃないから?)、
    なんか、あまりにもダメダメな質問ばかりで…

    「白煙発生」の第一報が入ったテレビ画面で、
    横にいた解説者がアドリブで可能性として3つ上げた中に、
    しっかり「水素爆発」が入っていた(それも最も可能性が高い)ので、
    起きてみたら当然みたいな話ではあったらしい。

    しかし、「定期検査で停止中」のヤツまで拡大するとは、
    誰も考えていなかったんでしょうねぇ…
    あまりにヤバイので口に出せなかった?…という推測も出来るけど、
    どっちなんでしょうね?

  • Comment : 5
    umasica :桜里
     2011/03/30 21:22
    結局、「資料編」は本文への「註」としてココログにアップ。

     原発事故情報の読み方(東電プレスリリースの解釈と鑑賞)
      http://uma-sica.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-2235.html

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