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隊務執行官としての―・ド・カヴァリー少佐の秘められた任務

2013/06/03 22:13

     (橋下徹氏のツイートより)
日本軍と世界各国の軍との違いとして今言われているのは、暴行・脅迫・拉致を用いて、強制的にそのような仕事に就かせたかどうかだ。しかしここは今のところはっきりしていない。軍が施設を管理し、意に反して慰安婦になった方が悲惨な境遇であったことは確かだが、これは他国の軍でもある話だ。
     posted at 15:27:37 5月14日


もっと端的に言う。アメリカの日本占領期では日本人女性を活用したのではなかったのか。戦場での性の対応策として、女性を活用するのは言語道断だ。しかしアメリカも、世界も、日本の慰安婦だけを取り上げて、日本だけが性奴隷を活用していた特殊な人種と批判する。これは違う。
     posted at 07:46:47 5月17日


日本の慰安婦利用は悪かった。しかし、世界各国の軍も当時は女性を利用していた。にもかかわらず、世界は日本だけ「性奴隷」を使っていたと徹底非難。日本の国会議員も政府もメディアもなぜ徹底抗議しない。今年に入ってから、アメリカの州議会で4件も、日本に対する非難決議がなされている。
     posted at 19:47:54 5月19日



さて、1944年のイタリア戦線を舞台にした話。

 ―・ド・カヴァリー少佐は獅子を思わせるがっしりした頭を持ち、威風堂々として人々に畏敬の念を起させるような老人であり、怒気天を衝くがごときその乱れた白髪は、彼の峻厳で族長的な顔の周囲に大吹雪のように猛り狂っていた。大隊の隊務執行官としての彼の任務は、ダニーカ軍医とメイジャー少佐が同じく推測したとおり、蹄鉄投げと、イタリア人労務者の誘拐と、将校および下士官兵用の休暇用アパートメントを借りあげることであり、彼はその三つすべてに抜きん出た才能を発揮していた。
 ナポリ、ローマ、フィレンツェなどの都市陥落がさし迫るたびに、―・ド・カヴァリー少佐は小雑嚢の荷造りをし、飛行機一機と操縦士ひとりを徴発して飛んでいき、一言も発することなく、ただ彼の重々しくいかめしい表情と皺だらけの指の威圧的なジェスチャーだけでいっさいをやり遂げるのであった。都市陥落の一日か二日後に、彼はふたつの―ひとつは将校用で、もうひとつは下士官兵用だが、両方ともすでに有能で陽気な料理人と給仕女のついている―大きくて豪華なアパートメントの賃貸契約書を持って帰ってくるのであった。その二、三日後には世界中の新聞に、崩れた石を乗り越え、砲煙のなかをくぐって、壊滅した都市に勇ましく突入しようとしているアメリカ軍将兵の写真が載った。―・ド・カヴァリー少佐の姿はかならずそのなかにあった。彼はどこからか手に入れたジープに乗り、彼の不屈の顔の近くで砲弾がしきりに炸裂し、カービン銃を構えた体のしなやかな若い歩兵が燃える建物のかげになった歩道を走ったり、家の戸口で倒れて死んだりしているにもかかわらず、まるで杖みたいにまっすぐな姿勢をとったまま、右にも左にも目を向けることがなかった。彼は危険にとりかこまれて坐っていながらも永遠に不滅であるかのように見え、その顔は、大隊のあらゆる将校、下士官、兵によって常によく知られ、畏敬されているのと同じ、剛毅で威厳に満ち、狷介にして孤高の風貌を備えていた。
 ドイツ軍の諜報機関にとって、―・ド・カヴァリー少佐はいまいましくも解き難い謎であった。数百人にのぼるアメリカ軍捕虜のだれひとりとして、ごつごつした凄みのある額と力づよく燃える目を持ち、あらゆる重要な侵攻においていささかも恐れを知らず首尾よく一番乗りを果たすと思われる、この白髪の老将校については、具体的な情報を全然持ち合わせていなかった。アメリカ軍当局にとっても彼の正体は同様に不明確きわまるものだった。優秀なCIDが一個連隊分も彼の本性を突きとめるために前線に送られる一方、歴戦の宣伝部将校が一大隊分も、彼の正体がわかりしだい、それを公表せよという命令を受けて、一日二十四時間ぶっつづけで特別に注意の目を注いていた。
 ―・ド・カヴァリー少佐は、ローマではアパートメント契約に関してかつてない成功を収めていた。四、五人ずつ群れをなしてやってくる将校のためには、新築の石造りの建物のなかに、ひろびろとした二間つづきの部屋をひとりについて一組ずつあてがい、そのほかに壁に藍緑色のタイルを張った大きなバスルーム三つと、ミカエラという名の、なにかにつけてクスクス笑う癖のある、そしてどの部屋も塵ひとつなくきれいに掃除する痩せたメードをひとり用意していた。下の踊り場のところにはへつらい上手の家主たちが住んでいた。
     ジョーゼフ・ヘラ― 『キャッチ=22 上』 ハヤカワ文庫 1977  220〜222ページ 


あくまでもヘラ―の小説中のエピソードであるが、米軍がどのように問題に対処していたのかが描かれているわけである。


 下士官兵のほうは十二人かそれ以上の集団をなし、ガルガンチュワ的な食欲と罐詰食品でいっぱいの木箱をかかえてローマに降り立ち、すばらしいエレベーターのついた赤煉瓦の建物の六階にある彼ら専用ののアパートメントの食堂で、女たちに料理と給仕をさせるのだった。下士官兵の休養所のほうがいつも活気に満ちていた。だいいち下士官兵のほうが数が多かったし、料理、給仕、掃除のための女の数も多かった。そのほかに、ヨッサリアンが見つけてはそこに連れて帰る陽気で頭の弱い肉感的な若い娘たちや、精力を使い果たす七日間の放蕩の後でピアノーサ島に帰る眠たげな下士官が勝手に連れてきて、そのあと欲しい者のために残しておく女たちもいた。女たちは好きなだけそこに留まっていても、ちゃんと寝るところと食べものを与えられた。彼女たちがお返しすることといえば、体を求めてくるどのアメリカ兵ともいっしょに寝ることだけであり、それで万事めでたしだと思っているらしかった。
     同書 222〜223ページ



日本軍の「慰安所」システムとの相違点がどこにあるのか?
その点をきちんとを把握しておくことは重要である。





 


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最新コメント

  • Comment : 1
    umasica :桜里
     2013/06/03 22:57
    今後のネタ用に入力しておいた。

  • Comment : 2
    河童
    河童さん
     2013/06/04 22:15
     ま ここに書き込むのは憚られるが・・・。
    http://www.freeml.com/no_more_war/29528
    まあ今冷静に見てみると
    林さん たけむらさん 面白くて笑える。
    今回の批判は日本人全てに向けられたものだとおもうけどね?
    たけむらさんは
    「いや俺たちは批判されてないよね?だからおれたちは関係ないしむjしろ応援してるしw」
    出極めつけはクマラスワミ報告まで持ち出す始末。
    わら;つちゃうね〜。
    クマラスワミ報告書自体が?が100くらいつくものであり
    彼自身が調査したものではなく吉田作治の著書と
    ヒックス
    『従軍慰安婦−日本軍の性奴隷』
    を引用してる。
    これ両方とも創作あるいは思い込みによる独断話だということが
    わかっているし
    彼自身が
     「この報告の目的は、本件解決のために将来の行動方針を促進するため
    本件の関係者、すなわち(略称)北朝鮮・韓国・日本政府の全ての意見を
    正確かつ客観的に反映させることにある。
    しかし、さらに重要であるのは、この報告の意図は
    暴力の被害をうけた女性たちの声に
    人々が耳を傾けるようにすることである」
     「報告書」ではなく「報告。
    つまりクマラスワミ氏の
    国連への提出目的がこれ。
     事実調査ではなく、たんなる聞き取りであり
    背後関係の調査は既存書籍の引用だけ。
     これのどこが国連への特別報告書か非常に疑問です。
    当然のことながら国連委員会ではこの報告は保留されたので
    林さんの意見は思い込みに基づく世間話だよね?

  • Comment : 3
    河童
  • Comment : 4
    umasica :桜里
     2013/06/04 22:58
    私自身は、「クワラスワミ報告」を論拠にはしないし、
    慰安婦の証言も論拠にしないし、
    「性奴隷」という用語も使いませんのですよ。

    そういう論調には、基本的に興味はないです。


    私がやっているのは、
    軍自身の文書史料、内務省、外務省等の文書史料等を精査することで、
    日本軍の慰安婦制度に関しては、

     制度設計者が日本軍自身なのであり、
     慰安所設置の起案をするのも日本軍自身であり、
     慰安婦募集を民間業者に依頼するのも日本軍自身であり、
     慰安婦を慰安所に移送するのも日本軍自身であり、
     慰安所の警備に携わるのも日本軍自身であり、
     慰安所の衛生管理をするのも日本軍自身であり、
     慰安所の顧客は日本軍のみであった、

    …という構図が否定出来ない形で存在することを確認し、
    詰まるところ、

     国家としての日本は、慰安婦の存在に対し責任を負わざるを得ない

    …という結論が導かれるという話をしているだけですよ。

  • Comment : 5
    umasica :桜里
     2013/06/04 23:04
    それに対し、
    米軍はどのように、自軍の将兵の性の問題に対処していたのか?

    あるいは、他の国はそれぞれにどのような対処法を採用していたのか?

    それを比較論的に追及することが課題となるわけです。

    橋下流の「みんながやっていた」的なオーザッパ過ぎる論は、
    どうかと思いますね。

  • Comment : 6
    河童
    河童さん
     2013/06/05 21:02
    >「みんながやっていた」的なオーザッパ過ぎる論は、
    どうかと思いますね。
    政治家は批判されて当たり前的な面はある。
    大雑把にしてもそういうしかないのかも。

    つかこうへい(在日2世)
     《ぼくは「従軍」という言葉から、鎖につながれて殴られたり蹴られたりして犯される奴隷的な存在と思っていたけど、実態は違った。将校に恋をしてお金を貢いだり、休日に一緒に映画や喫茶店に行ったりという人間的付き合いもあった。不勉強だったが、ぼくはマスコミで独り歩きしているイメージに洗脳されていた》

     《悲惨さを調べようと思っていたら、思惑が外れてバツが悪かったが、慰安婦と日本兵の恋はもちろん、心中もあった。僕は「従軍慰安婦」という言葉が戦後に作られたことや、慰安婦の主流が日本人だったことも知らなかった。彼女たちの境遇は必ずしも悲惨ではなかったことが分かった》

     《日本はよくないことをしたし、中には悪い兵隊もいただろう。でも、常識的に考えて、いくら戦中でも、慰安婦を殴ったり蹴ったりしながら引き連れていくようなやり方では、軍隊は機能しない。大東亜共栄圏をつくろうとしていたのだから、業者と通じてはいても、自分で住民から一番嫌われる行為であるあこぎな強制連行はしていないと思う。マスコミの多くは強制連行にしたがっているようだけど》

     《人間の業というか、こういう難しい問題は、自分の娘に語るような優しい口調で、一つひとつ説いていかなければ伝えられない。人は、人をうらむために生まれてきたのではない。歴史は優しい穏やかな目で見るべきではないか》

     つか氏の著書「娘に語る祖国 満州駅伝−−従軍慰安婦編」

  • Comment : 7
    河童
    河童さん
     2013/06/05 21:04
    >詰まるところ、

     国家としての日本は、慰安婦の存在に対し責任を負わざるを得ない

    …という結論が導かれる。

    まあそういうこともあるのはみとめるけど
    主体的にやるのは朝鮮半島にある2つの政府。
    条約によれば
    南が北と話をつけなくてはいけない性質のもの。
    ちなみにつか こうへいの引用元は
    FBでつながっている 産経新聞の
    阿比留瑠衣さんの投稿からです。

  • Comment : 8
    河童
    河童さん
     2013/06/05 21:07
    補足すると
    このばあいの「軍」といのは
    事務方の軍であり戦闘部隊じゃないので
    いわば軍という役所という見方もできるよね。

  • Comment : 9
    umasica :桜里
     2013/06/05 21:31
    >このばあいの「軍」といのは
    >事務方の軍であり戦闘部隊じゃないので
    >いわば軍という役所という見方もできるよね。

    つまり、「組織」としての軍、ということですよ。
    で、慰安所というのは戦闘部隊としての軍のためのもの。
    その構図を、構図の意味するところをしっかり把握することが必要。


    >つか氏の著書「娘に語る祖国 満州駅伝−−従軍慰安婦編」

    好き好んで自ら進んで慰安婦になったのであれば、
    そこに加害−被害の関係はないのだから謝罪する必要そのものが存在しない。
    安倍氏も橋下氏も「謝罪」の言葉を述べているのだから、
    少なくともこの二人に関しては、
    加害−被害の関係を認めたものと、国際的に解釈されることになる。

    いずれにしても、
    日本が国家として慰安婦の存在に責任を持つべきことは、
    私の結論として揺るがないし、
    その点については、安倍氏、橋下氏も同様であることを、
    安倍氏、橋下氏自身が自ら表明してしまっているわけですよ。

    ただし、私としては、基本的に、

     どのように謝罪するべきか?

     補償の必要性の有無をどのように判断すべきなのか?

     必要だとすれば、その方法としてはいかにあるべきか?

    …という問題については言及していません。
    これは歴史的事実関係とは別の問題だからです。
    歴史的事実関係について、まずきちんと把握すること。
    私は、そこに焦点を当てて議論をしているのです。

  • Comment : 10
    umasica :桜里
     2013/06/05 22:28
    >歴史的事実関係について、まずきちんと把握すること。
    >私は、そこに焦点を当てて議論をしているのです。


    その作業を抜きに、
    適切な「謝罪」の言葉を述べることは出来ませんし、
    「補償」についてどのように考えればいいのかも判断出来ません。

    「補償」の金銭的側面について付言すれば、
    日韓条約的な「補償」の問題とは別に、
    たとえば戦傷者戦死者遺族援護法的な側面からの、
    「慰労金」的な金銭補助は可能だったんじゃないかと思ってますよ。
    支給対象を「無給の軍属」としての「慰安婦」へと拡大し、
    支給対象を遺族から生存者へと拡大し、
    支給対象を現在の日本国籍保有者から旧植民地住民へと拡大する。
    この手の法の運用は、日本政府の最も得意としていたものですからね。

    これは日本にとって不名誉な形を避けられますし、
    元慰安婦にとっても実質的な生活支援となったはずです。
    それに首相からの手紙(アジア女性基金が実施してる)を添えれば、
    現在のような展開は避けられていたんじゃないか、と思ったりもします。

  • Comment : 11
    河童
    河童さん
     2013/06/06 19:28
    >支給対象を・・・
    まあこれが特権だといってるわけだが
    にほんじんらしいっちゃ日本人らしいやりかたw

  • Comment : 12
    umasica :桜里
     2013/06/06 21:08
    >まあこれが特権だといってるわけだが

    バカ??

    日本人には与えられない「特権」じゃなくて、
    この際だから、日本人「並み」に取り扱おう、というだけの話。
    (それを「特権」とは呼ばないだろ?)

    日本語理解がダメ過ぎてお話になりませんなぁ〜

  • Comment : 13
    umasica :桜里
     2013/06/08 18:59
    続編を組み込んだ上で、
    ココログ版の「現代史のトラウマ」にアップしておいた。

     隊務執行官としての―・ド・カヴァリー少佐の秘められた任務
     http://uma-sica.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-c39e.html

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