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五木寛之「親鸞」

2010/03/04 09:03

五木寛之の「親鸞」上下を読みました。それと「天命」も。

五木寛之は学生の頃に、「青春の門」をはじめ「内灘婦人」「デラシネの旗」「変奏曲」の3部作を読んで以来本当に久しぶりです。

読んだきっかけは、父の推薦です。

母を亡くした直後に父が親友から「天命」をもらって読むように薦められて読んで、五木ファンになったらしく、自分はまだ読んでいない「親鸞」をこちらで買って読んでみるようにと言われたのです。

「天命」は感動しました。

辛いことばかりが起こる人生や、必ず訪れる死をどう受け止めるのかについてのエッセイで、歎異抄の「悪人なおもて往生をとぐ、いわんや善人をや」がテーマのひとつです。

どうして、悪人が当然救われて、後から善人も救われると書いてあるのか?逆ではないのか?と思うのが普通の解釈と思います。

この疑問が解けるのではないかと期待して「親鸞」を読みました。

期待通りに、この疑問を私たちに代わって、末法の世の中で苦しんでいる登場人物たちが親鸞に問いかけます。

悪に徹している登場人物も「こんな自分も救われるのか」と問いかけます。

親鸞も心の中で悩んでいました。

それでも師匠である法然を信じて行動する、迫力さえ感じる姿に心を打たれました。

悪がはびこり、次から次へと災難が襲いかかり、生きるも地獄、死ぬも地獄の世の中が描かれて、ため息の連続だったり、目をそむけたくなる部分もたくさんありました。

比叡山から降りた親鸞が、世の中の人々の中に入って一緒に生活し、結婚もして、信仰していく姿が描かれています。

物語は親鸞が越後へ遠流になって、いざこれから布教活動を、というところで終わっていました。

結局、疑問がスッキリ解決するわけではありませんが、人の生死について深く考えさせられる小説でした。


Binder: 全体(日記数:204/全体に公開)
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最新コメント

  • Comment : 1
    一ノ瀬花枝
     2010/03/04 14:06
    このところ、姉に、亡父と同じ肝臓ガン疑惑がふりかかったり、知人がくも膜下出血で突然亡くなったりと、人の死について考える機会が多くありました。こもさとさんの推薦を読んで、私も勉強の合間に読んでみようかと、大きく心を動かされています。

  • Comment : 2
    pepe。
    pepe。さん
     2010/03/04 16:27
    新聞連載で大評判だった小説なのですね。
    どの書評を読んでも、すごく褒めてありました。
    上下巻の長編ですが、
    新聞小説なら、毎日小さな山場を作っているはず、
    きっと飽きずに最後まで読めそうです。

    私も読んでみようかな・・。(^O^)

  • Comment : 3
    こもさと
     2010/03/04 18:34
    一ノ瀬さん、こんばんは。
    最近、いろいろと人の死について考える機会が多くあったのですね。
    お姉さまにガンの疑惑がふりかかったり、知人が突然死したりすると、やはり考えますよね。
    でも、五木寛之「天命」によれば、人の死と自分の死とはまったく違うとの認識がまず書かれていました。
    私も自分が死ぬことをリアルに考えたことはありませんけど。
    不況とは言え、平和な現代日本に住んでいると、毎日が死ぬほど辛いということはないでしょうけど、親鸞の時代には、生きることが辛くて辛くてしかたがない生き地獄のような時代だったようです。
    死と真剣に向き合うことによって、人って変わるものだと思うようになりました。

  • Comment : 4
    こもさと
     2010/03/04 18:39
    pepe。さん、こんばんは。
    そうそう、新聞連載で評判だったそうですね♪
    心の世界を描いているのですが、ラブストーリーでもあり(親鸞は結婚したのです)、意外にアクションシーンもあったりして、まったく飽きることなく一気に読める小説だと思います。
    深さでは、私は「天命」の方に軍配を上げたいです。
    親鸞はハードカバーしか出ていないですけど、天命は文庫版もありますし。
    ちなみに、私は本日から「楊令伝11巻」(北方謙三)を読み始めました。

  • Comment : 5
    じい
    じいさん
     2010/03/04 22:34
    ハードスケジュールなのに、欠かさず読書をされるなんて凄いです。

    新聞の広告(本の発売)で知って気にはなっていました。

    >「悪人なおもて往生をとぐ、いわんや善人をや」
    「悪人正機説」でしたっけ?
    (頭が働かない)

    当時の布教は大変だったと思います。
    天災などでの不作、飢饉。闘争、略奪。
    生死についての新たな仏教哲学を欲したのでしょう。
    小説で、どのように描かれてるか興味があります。

    実はお隣の方が昨日亡くなられて、お通夜にいきました。
    僕が生まれたときからのお隣さんです。
    まだ63歳。寂しく感じます。

  • Comment : 6
    ヒポポタマス
     2010/03/04 22:40
    難しいテーマですね。
    本の内容も難しそうですね…

    私はまだアイヌの本を読み終えていません…
    買ったままの太宰治の本もその辺に放置したままですよ〜

  • Comment : 7
    こもさと
     2010/03/05 08:55
    じいさん、おはようございます。
    私も新聞広告などで気になっていたのですが、父の薦めがなかったら読まなかったと思います。
    悪人正機説、その通りです。
    ところで、私は日記の中で逆に書いていました。
    「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」が親鸞の教えでした。
    逆だと思っていたので逆に書いてしまいました(恥)
    じいさんのお隣さんのご冥福をお祈りいたします。
    63歳だとものすごく若いですね。ご病気でしょうか?
    善人でも病気になって苦しんで死ぬ。
    世の中って現世だけで考えると不条理ですよね。

  • Comment : 8
    こもさと
     2010/03/05 08:59
    ヒポポタマスさん、おはようございます。
    テーマは本当に難しいと思います。
    でも読み物としては、楽にスイスイ読めましたよ。
    私は通勤電車の中が書斎です。
    毎日タップリ時間があります(つまり通勤時間が長い)ので無理なく読めます。
    私は太宰も学生時代以来、読んでいません...。

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