星谷 仁さんのマイページ

ふしぎ生物ツヅミン!?【マダラマルハヒロズコガ】幼虫

2008/06/29 10:31

以前、某画像掲示板にフシギな生き物の画像が掲載された。「この虫は何ですか?」という質問だったのだが、添付画像はあまり鮮明ではなく、それを見たときの僕の印象はこんな感じだった。

l_532e465103c66c98fc705076c1a517c5dffe6f7d.jpg

ヒョウタン型の体にシマシマのしっぽ!?──そんな生き物に見えてしまったのだ。
印象から名前をつけるとすると「ワオヒョウタン虫」。
「ワオ」は「ワオキツネザル(輪尾狐猿)」の「ワオ(輪尾)」と感嘆の「ワオ!」とかけてみた。
「こんなふざけた虫など存在するわけがないだろう」なんて思ってしまったのだが……(世界陸上の織田裕二のモノマネ風に)、
l_4f9d5777b2815d767a59d7d1604f7e36cc7c372e.jpg
なんと実在したのである!
掲示板の質問に虫屋さんから解答がコメントされ、これが「マダラマルハヒロズコガ(斑丸翅広頭小蛾)」という蛾の幼虫で、別名「ツヅミミノムシ(鼓蓑虫)」と呼ばれる虫である事を知った。
成虫のマダラマルハヒロズコガはパッとしない蛾なのだが、幼虫のいでたちはとても興味深い。

こんなユニークな虫が実在するなら、ぜひ実物を見て見たいものだ……と思っていたら、出会いは意外に早くやってきた。
一度見つかると次々に目につくようになった。特に珍しい種類ではないらしい。にもかかわらず、それまで見たことがなかったのは、目立たなかったためだろう。たとえ視野に入ったとしても、知らなければこれが虫だとは思わない……はがれた樹皮のかけらのようにしか見えないいでたちだ。

幼虫はミノムシのようにケース(ヒョウタン型の部分)を作ってその中に隠れていることから、ツヅミ(鼓)ミノムシなんて呼ばれるそうだが、ミノムシとはまた違うグループらしい。
ミノムシは頭をのぞかせる部分が決まっているが(糞をしたり羽化するときは反対側が開く)、ツヅミミノムシはケースの前後どこからでも頭を出すことができる(最初に「シマシマのしっぽ」に見えたのが実は幼虫の上半身)。
以前、某タレントがテレビ番組で「ウチで飼っていたカメは、頭や手足を引っ込めて、甲羅の中で反転して反対側から出て来たことがある!」と言い張っているのを見て爆笑したことがあったが(構造上あり得ない)、ツヅミミノムシを最初に見たときは、まさにそのカメみたいで驚いた。
ミノムシのケースがチューブ状なのに対し、ツヅミミノムシのケースは二枚貝のような構造になっている。二枚のシールドを重ね合わせた形なので、その隙間から、どの方向にも頭を出すことができるわけだ。
l_89cb12e3e2741098d5a71cb4ff4a7f7166a5ef86.jpg
個体によってはケースを作成した時期の素材の色が微妙に違い、どのように増築したのかが年輪(?)のようにわかるものもあって興味深い。

このユニークなケース、鳥等に見つかりづらくするカムフラージュの効果も充分ありそうだが、どうもそれだけではないような気がする。
生態についてはよくわからないが、僕はアリが巣食っているような老木でよくツヅミミノムシを見かける。そして、アリと遭遇したツヅミミノムシがケースに隠れてやりすごすのを目にしている(アリはケースに隠れたツヅミミノムシには手出しができない)。
アリの幼虫を食べるなんて言う説(?)もあるらしいが……アリの近くに暮らす虫なのではないかと思う。そのためアリから身を守る手段としてこのようなケースを完成させたのではないか……などと想像している(真偽のほどは判らないが)。

ところでこの幼虫を標準和名で「マダラマルハヒロズコガの幼虫」というのは覚えにくいし呼びにくい。通称の「ツヅミミノムシ」は形態的に覚えやすいが、やはりちょっと呼びにくい気がする。
そこで、僕は勝手に【ツヅミン】と愛称をつけて呼んでいる。【ツヅミン】はもちろん「ツヅミミノムシ」を縮めたものだ。
「シャチホコガの幼虫」を【シャッチー】と呼ぶのと同じである(※キモカッコイイ幼虫画像が苦手でなければ参照)。
この愛称、個人的には気に入っているのだが……浸透するかどうかはサダカではない……。


Binder: 昆虫ネタなど(日記数:41/全体に公開)
このエントリーをはてなブックマークに追加
最新コメント

  • Comment : 1
    グリグリ
     2008/06/29 11:01
    足跡から来ました

    ツズミンですか
    面白いですね  こんなものはいるわけないだろうと思いましたがーーーー
    不思議が沢山ありますね

  • Comment : 2
    星谷 仁
     2008/06/29 11:21
    グリグリさん、はじめまして。
    「みんなのひろば」でチョウのフォトが目に止まったのでおじゃましました。

    「ツヅミミノムシ」はケースが楽器の鼓(つづみ)に似ていることからそう呼ばれているとか。
    しかしおもしろい形のケースを作るものだと思いました。
    ホントに虫の世界は(も?)、よく見ると不思議がいっぱいですね。

  • Comment : 3
    グリグリ
     2008/06/29 11:31
    はじめまして

    バイオリンやギターみたいですね
    笑っちゃいました
    不思議ですね

  • Comment : 4
    星谷 仁
     2008/06/29 12:02
    >バイオリンやギターみたいですね

    たしかに!
    今なら(?)バイオリンミノムシとかギターミノムシと言った方がイメージしやすいかも。

    しかし、このケースの形──笑ってしまいますね。
    僕も最初に画像で見たときはウケねらいのジョークかと思ってしまいました。

  • Comment : 5
    星谷 仁
     2008/06/29 12:23
    用意していた画像を1枚入れ忘れたので加えました(3枚目)。
    ケースの構造はこんな感じ。
    ケースも平べったいですが、幼虫もまた平べったい……。

このブログにコメントをつけるには、ログインする必要があります。
マイページをお持ちでないひとは「マイページを作成する」ボタンを押してマイページを作成してください。
不適切なブログを見つけたら、こちらからご報告ください!

Mail Address(GMO ID):

Password:

自動ログインパスワードを忘れた方

最近書いたブログ


https://www.freeml.com/feed.php?u_id=5997720&f_code=1



Copyright(C)2019 GMO Media, Inc. All Rights Reserved.