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七賢のお酒は最近すごく酒質が上がっています

2017/10/16 13:56

調布市の仙川にある日本酒バーあふぎで山梨県の七賢を醸している山梨銘醸の専務取締役北原対馬さんをお呼びしての会が開かれましたので、参加してきました。お店のママが静岡県藤枝育ちなので、いつもは静岡の蔵をお呼びすることが多いのですが、今回はゆえあって、ママが去年七賢の蔵を訪問する機会があって、今日の日を迎えることになったそうです。お店の詳細は下記のブログを見てください。http://syukoukai.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-c472.html 

最初にお店の前でのママと対馬さんのツーショットをお見せします。 

今回は早速蔵の紹介と北原対馬さんの紹介をいたします。蔵は山梨県の北斗市白州町のあります。この地はJR中央線の長浜駅から南西に2−3Km行った釜無川と尾白川の間に挟まれた場所にあり、甲斐駒ヶ岳からの伏流水が豊富に出る場所で、近くにはサントリーの白州蒸留所があります。ウイスキー蒸留所は近くに川があって冷気があふれていて豊富な水がある場所に作られますから、日本酒の醸造にも適したところだ思われます。 

山梨銘醸は元々長野県の信州・高遠で酒造業を営んでいた北原伊兵衛光義さんが分家をして白州の水のほれ込んで1750年にこの地で大中屋として創業したそうです。この大中屋の母屋を新築した際に、高遠城の城主よりお祝いに贈られた「竹林の七賢」の欄間にちなんで七賢という名がついたようです。その後10代目の北原庫三郎が山梨銘醸に改組設立したのが大正14年ですが、蔵としては250年の歴史を持つ老舗の酒造会社と言えます。 

現在は12代目の北原兵庫さんが1977年に社長となって、長男の北原対馬さんが営業に、次男の北原亮庫さんが杜氏として、新し酒造りを営んでします。この地は昔は宿場町として栄え、ほとんど地元向けの普通酒や本醸造を主体とした酒造りをして、生産量も年間9000石を超えるほどだったそうです。兵庫さんの代に入り、特定名称酒への切り替えを始めるとともに、農業法人の「大中屋」の設立や直営レストランの開業などを取り組み、現在の礎を造っています。現在のの生産高は2500石です。 

でも、山梨銘醸が大きく変わったのは、北原兄弟が蔵に戻ってからと言われています。兄の対馬さんは青山学院大学の経営学部を卒業し、弟の亮庫さんは父と同じ東京農大の醸造学部を卒業し8年前の25才の時に蔵に戻って酒造りを始めたそうですが、蔵元が蔵人として酒造りを始めたのは今まで初めてのことだったそうです。そして、亮庫さんが杜氏になったのは今から6年まえの2011年だそうです。最初はあらゆることが問題だらけで、何から手を付けてよいか解らない状態でしたが、兄の対馬さんと話し合い、15年先までのビジョンを5年刻みで描いて、目指す酒質、体制、売り上げや利益まで考えたうえで、新しい設備投資をしたそうで、現在は大掛かりな改革が一段落したところだそうですが、まだまだやりたいことは色々あるそうです。 

それではお二人でどんな改革をしてきたのでしょうか。 

<目指す酒質の決定> 

  この蔵の仕込み水は硬度が20で、透明感があり、奇麗で潤いのある水ですが、ミネラルが少ないので、発酵力が弱く味の豊かなお酒にはなりにくいという欠点があります。でも逆にその特徴を生かした酒造りを目指すことにしたそうです。具体的には水の特徴である柔らかくてすっきりとしたお酒で、軽めのお料理に合わせられるお酒に絞り込み、吟醸系をベースとして不得意な生?系の酒造りはやめることにしたそうです。 

そのために麹は固く締め、吟醸酵母を使って低温でじっくりと発酵させるだけでなく、アルコール耐性の弱い吟醸酵母が死滅して発生する雑味や香りを防ぐために、原酒でアルコール度数を16度以下に仕上げるようにしたそうです。さらに、上槽後は3−4日以内に火入れすることを励行し常にフレッシュな味が保てるっようにしたそうです。 

更に酵母の選択にも特徴がありました。協会酵母18号は通常最初に甘みが出て、カプロン酸エチルの香りが強く出るのが特徴ですが、この蔵の水では香りが弱く、味にくどさが出ないので、これを主体として使っていますが、後味の切れを出すために協会18号と協会9号酵母のブレンドを使っているそうです。9号酵母だけでもいいのではと思いましたが、9号酵母だけでは味が薄くて辛いお酒になるそうです。仕込み水によってこんなに違うのですね。、 

<蔵の主な設備改造> 

 最近の醸造設備の進歩は凄いものがありますが、非常にお金のかかることなので、小さい蔵ではなかなか難しいですが、この蔵では酒質向上のために少しずつ変えてきたそうです。蔵見学をしていませんので、詳しいことは分かりませんが、酒造萬流の記事から引用すると次のような設備改善が行われたようです。 ・ 仕込み蔵の空調化と1.5トンの小仕込み化 ・ 洗米と浸漬の自動化 ・ 麹室の建て替え ・ 酒質測定機の導入による自動化 ・ 貯蔵設備の充実化 

<酒造体制の改革> 

 これまでは期間雇用の蔵人が24時間体制で行っていた酒造りをやめて、原則月曜日から金曜日までの8時間勤務を実施しました。このために作業の効率化と酒造計画の組み立て直しを行い土日の作業の撤廃をしたそうです。また、蔵人全員が無線通話機をもって各人の作業の共有化をしたそうで、これにより蔵人に心の余裕が出て酒質の向上が図れたそうです。たとえ生産量が減っても蔵人ののやる気の向上と酒質の向上が会社としての利益を生むのでしょう。 

それから今まで作ってきた品ぞろえを統廃合して、原料米の品種は山田錦、ひとごこち、夢山水、あさひの夢だけとし、精米歩合は70%、57%、47%、37%の4パターンに絞って作業性と品質向上を目指したそうです。 7の数字が多いのは七賢の名前とのこだわりのようです。

以上がこれまで行った蔵の改革で、これにはまだまだ終わりがないようですが、これらの改革で明らかに酒の資質は良くなってきていることは確かだと思いますが、それについてはこの会で飲んだお酒の紹介の中で、説明したいと思います。 

それでは飲んだお酒の紹介に入ります。 

1.スパークリング酒 星の輝 

このお酒は瓶内2次発酵のスパークリング酒で、お米はひとごこち70%精米の純米酒です。まずタンク内でアルコール度数が10度くらいのもろみを造り、それを瓶に澱を絡ませて詰めてから、室温で瓶内発酵させると、9気圧くらいに圧力が上昇した時に瓶の口を冷凍して澱を凍らせてから、口を瞬間にあけて澱を抜いて再び栓をするそうです。その時120CCくらい抜けてしまいますが、それはお互いに補充をして商品にするそうです。その作業は手作業だそうですが、自動化することもできるけれども非常に高価だそうです。 

このお酒の開発は2015年から始めたそうで、開発にあたっては勝沼のスパークリングワイン工場や県の技術センターに行って勉強したそうです。ワイン.スパークリングと違うところは火入れをすることや、リキュールを入れられないことです。開発の当っては変動要因として一次発酵後の残存の糖の量、アルコール度数、澱の量、発酵温度があり、これを色々変えて決めたそうです。その結果、アルコール度数は11度になったようですが、今年発足したawa酒協会に発表に間に合わせています。 

シャンパングラスで飲んでみましたが、さわやかな香りと奇麗な泡が立ち上がり、軽やかでさらりとしたと甘みを持ったシャンパンと言いたいようなお酒でした。精米度が70%なのでややナッツのような香りがしますが、ほとんど気になりません。価格は720mlで税抜きで5000円です。 

対馬さんがこのお酒を注いでいる写真を見てください。落ち着いた雰囲気を持った方でした。対馬という名前は長男なので本家との関連でつけられたとのことでした。 



このスパークリングを超える新しいスパークリングの「杜の奏(もりのかなで)」というお酒が10月1日に発売されました。サントリーの白州蒸留所とコラボレーションして出来たスパークリングで、1次発酵させた日本酒をウイスキー樽で熟成した後、瓶詰めして2次発酵させたスパークリング酒で、720mlで1万円もするそうですが、今までのスパークリングとは次元が違う味わいだそうです。飲んでみたいですね・・・・・

2.鑑評会用出品酒

このお酒は山田錦37%精米の大吟醸で、アルコール度数17度の原酒です。酵母は協会18号酵母だけを使った鑑評会用の出品酒で、市販していないお酒です。 

飲んでみるとカプロン酸エチルの香りは立ちますがそれほど強くはありません。甘みと酸味がうまくバランスしたいかにも出品酒らしいお酒でした。 

鑑評会用のお酒は市販酒とは違って、車でいうとF-1に相当するもので、技術的なチャレンジはありますが、これに重きを置いているわけではなく、市販酒のコンテストであるIWCへの出品も大切にしているそうです。今年はアルコール添加の大吟醸で挑戦したけれども、来年以降は純米酒で挑戦するそうです。 

3.純米酒 風凛美山このお酒は麹米がひとごこち57%精米で、掛米があさひの夢70%精米の純米酒です。風凛美山という名前は甲斐駒ヶ岳の凛とした美しさから名前を付けたそうです。酵母は協会18号と協会9号のブレンドだそうです。このお酒は写真を撮るのを忘れたので、インターネットからお借りしました。 

アルコール度数は16度の原酒ですが、飲んでみるとべったりとした甘さではなく優しい甘さを最初に感じながら、後味がすっきりと消えていくバランスのお酒でした。これは9号酵母からできる奇麗な酸が上手くバランスしているからだと思いました。 

温度が上がるとちょっとベタっとなるので冷で飲むの良いと思いました。 

70%精米の掛米を使っているとは思えないほど、奇麗に仕上がっていて、これで税抜きで1升2000円とは安すぎる感じですが、ちゃんと利益は出しているそうです。このコスパは驚きです。しかもIWCで連続して受賞をしているそうですからすごいですよね 

4.純米吟醸酒 天鵞絨 (びろーど)

このお酒は夢山水57%精米の純米吟醸酒でアルコール度数は15度とやや低めですが、これも原酒だそうです。天鵞絨の味という名前がついているのはビロードのような舌触りのお酒という意味だそうです。

飲んでみると香りは穏やかなですが、飲んだ後の中頃からふわっとふくらんで、消えていくお酒で、今日飲んだお酒とは少しバランスが違っているようです。このお酒は温度が上がってもあまり変わりませんでした。 

淡い味のお料理に合わせられるお酒で、お料理の素材を引き立てるお酒を目指して作ったそうです。アルコール度数は低いけれどもお料理ののマッチングはとても良いと思いました。価格は税抜きで1升2700円ですからコスパは良いです。 

5.純米大吟醸 絹の味 

このお酒は夢山水47%精米の純米大吟醸でアルコール度数は16度の原酒です。このお酒も1回火入れで、基本的には生酒はあまり出していないそうです。絹の味という名はなめらかなお酒をイメージしたそうです。酵母は18号酵母です。 

飲んでみるとカプロン酸エチルの香りが強くはないけど、しっかり感じられ、うま味と甘さが最初にポンと広がるお酒でした。お食事に合わせて飲むお酒というよりは、お酒だけで香りと味を楽しむお酒のように思われました。 

価格は税抜きで1升3000円ですから、このお酒のコスパもとても良いと思います。 



6.純米酒 ひやおろし 

このお酒は6月に作った純米酒を1回火入れして瓶に詰めてから15度から20度くらいの室温で約3か月熟成をしたお酒です。 

お米はは3番のお酒と同じだと思いますので、ひとごこち57%精米で、掛米があさひの夢70%精米と思われます。(これについては説明はありませんでした)。 

ひやおろしの定義は難しいのですが、昔は冬に作ったお酒を火入れした後、常温のタンクで秋まで熟成して瓶詰めして出すお酒を言っていたと思います。最近は初めから瓶詰めして熟成させるところが多いようですが、熟成の温度は決まっていません。これを秋上がりと呼ぶ蔵も多いようですが、ひやおろしは秋に限らす半年くらい熟成して出すことを言うという説もあります。 

飲んだ感じでは甘みは少し減った分スウット口に入ってくれますが、ちょっと辛みを感じました。でも新酒の若々しさは残っているように思えました。 

7.燗熟純米 2年熟成 

このお酒は2014年にお燗用のお酒として造った山廃純米酒で、今は製造していないお酒です、お店のママが去年蔵見学した時に蔵で売っているのを見つけて購入したものです。 

お米の名前は聞き忘れましたが、精米は70%の純米酒で酵母は7号酵母で、アルコール度数は17度です。 

飲んでみると、香りはほとんどなく、奥に甘みを感じるけど適度な酸と辛みを感じるお酒でしたが、お燗をすると透明感とフラット感が出てすっと飲めるお酒へと劇的な変化をしました。 

こんなに良いお燗酒になるのなら、また作ってくださいとお願いしたけれども、山廃造りはやめたそうなので、もう2度と飲めない貴重なお酒となってしまいました。残念・・・・・・ 

このお酒を買ってきたママに乾杯! こういうタイプの燗酒もいいと思うけどね。



以上で飲んだお酒の紹介は終わりますが、この蔵のお酒はどのレベルのお酒も酒質が高くきれいであるけれど、きちっと味を出していながら、嫌みのないお酒に仕上がっていますが、同じ味の酒はなく、一つ一つ目的を持った味わいに仕上げているのが良いなと思いました。確かに高級なお酒もありますが、どの酒もコストパフォーマンスはよく、特に純米酒の風凛美山は凄いです。対馬さんの説明ではお酒をあまり飲まない人でも、飲めるお酒を目指しているそうです。前段で説明したとおり、最近の蔵の大改革で、お酒の酒質が大幅に上がったことは間違いありません。

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