楽天モバイルの通話品質は?地方や田舎では悪い?リアルな評判や改善方法も紹介!
今回のテーマは、楽天モバイルの「通話」の検証です。
楽天モバイルは、通信エリアや単一料金プランなど話題に事欠かない通信キャリアですが、通話においても「通話は無料だ」「無料通話のはずなのに料金が請求された」など、さまざまな声が聞こえてきます。
そこで今回は、
・楽天モバイルの通話は「無料なのか、有料なのか」
・楽天モバイルの通信品質は良好なのか
・楽天モバイルの通話料金
・楽天モバイルの通話品質が良くない場合の改善方法
などについて検証します。
これを読めば、楽天モバイルの「通話」に関する疑問が一掃されます。
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楽天モバイルの通話は無料通話と有料通話の2通りがある
楽天モバイルの通話は「無料通話」と「有料通話」両方あるのです。
実は、通常の22円(税込)/30秒の通常の通話サービスも提供していますし、「Rakuten Link(ラクテンリンク)」という独自アプリを使った無料通話サービスも提供しています。
したがって、「楽天モバイルの通話は無料だ」も正しく、「楽天モバイルの通話は有料だ」も間違っていません。
『無料で通話できた方がよいので、有料通話なんて必要ないのでは?』
と思われるかもしれませんが、無料通話にも、有料通話にもそれぞれにメリット、デメリットがあり、どちらか一方があればよいわけではありません。
以下の各項目で、その辺りの疑問も含めて詳細に解説していきます。
データ通信回線使用のRakuten Linkの通話は無料通話かけ放題
楽天モバイルが「通話無料」と言われているのは、Rakuten Linkアプリを使った通話のことです。
このアプリを使用した国内通話は「無料通話かけ放題」で利用することができます。
驚かれるかもしれませんが、通話は一切無料で、しかも上限のないかけ放題となります。
また、以下のような特徴があります。
1.RCSという規格でデータ通信回線を使用して通話している
2.通話だけではなく、メッセージや画像などもやり取りできる
3.国内通話は他社携帯や固定電話への通話も無料
4.Rakuten Link同士なら、世界中どこにいても無料通話が可能
Rakuten LinkはRCSという規格でデータ通信回線を使用して通話している
Rakuten Linkは、データ通信回線を使用して通話していますが、従来のIP電話ではありません。
RCS(Rich Communication Services リッチコミュニケーションサービス)は、ショートメッセージ(SMS)や、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)に代わる新世代のコミュニケーションツールの規格です。
RCSは、Googleが力を入れていたり、大手キャリアが共同で運用している「+メッセージ」にも採用されるなど普及が進んでいます。
しかし、Rakuten Linkでの通話は、不安定なデータ通信回線を利用していることから、通話品質が一定せず場所や状況によっては通話品質が劣化する場合があることは否めません。
通話だけではなく、メッセージや画像などもやり取りできる
Rakuten Linkは、Rakuten Linkどうしの通信の場合に通話だけでなく、メッセージや画像の送受信も可能です。
送信側がRakuten Linkを使用していても、受信側がRakuten Linkを使用していない場合には、通話とメッセージの送受信のみとなります。
国内通話は他社携帯や固定電話への通話も無料
Rakuten Linkの国内での通話利用時には、Rakuten Linkどうしはもちろん、通話先が固定電話やスマホ・携帯であっても、無料通話をかけ放題で利用可能です。
Rakuten Link同士なら、世界中どこにいても無料通話が可能
Rakuten Linkを使った国際電話では、Rakuten Link同士の場合に限っての通話・メッセージを無料で提供しています。
発信側がRakuten Linkを使用していても、受信側がRakuten Linkを使用していない場合には、相手国や相手地域によって従量課金となりますので注意が必要です。
Rakuten Linkでの通話を無料にするための準備
Rakuten Linkを使用すれば、必ず「無料通話」になるとは限りません。
Rakuten Linkを使って無料通話を行うためには、絶対に外せない条件(設定)があります。
それは「データ通信」に楽天モバイルを指定することです。
Rakuten Linkはデータ通信回線を利用して通話していますので、端末のデータ通信が楽天モバイル以外に指定されていると、無料通話になりません。
Rakuten Linkを使っても無料通話にならない事例
上記は、iPhoneのモバイル通信設定です。
「モバイルデータ通信」と「デフォルトの音声回線」に注目してください。
最初の事例では、
『モバイルデータ通信:他社、デフォルトの音声回線:楽天モバイル』
が指定されています。
実はこの設定ではRakuten Linkを使っても無料通話にならないのです。
「Rakuten Linkからかけたのに通話料が請求された」という問題の原因はここにあります。
一方、2番目の事例では、モバイル通信と音声回線が逆の設定になっており、
『モバイルデータ通信:楽天モバイル、デフォルトの音声回線:他社』
となっています。
音声回線で他社を指定しているので「これではRakuten Linkで通話できない」と思いがちですが、実はこちらがRakuten Linkでの無料通話が可能な設定なのです。
つまり、データ通信回線を使用するRakuten Linkは、データ通信に楽天モバイルが指定されていることが、無料通話を実現する『絶対条件』なのです。
デフォルトの通話回線とは、『通常の音声通話回線を使用した電話でどの通信サービスを利用するか』の設定ですので、データ通信回線を使うRakuten Linkには関係のない設定なのです。
こうした状況は、楽天モバイルを含め複数の回線を1つの端末で利用している場合に起こりますので要注意です。
楽天モバイル単独利用の場合には、モバイル通信も音声通話回線もいずれも楽天モバイルになりますのでこの問題は生じません。
Rakuten Linkの通話は無料にならない通話先がある
楽天モバイルしか契約していない状況で「Rakuten Link」からかけているのに料金が発生するケースがあります。
それは、電話をかけた先=『通話先』に原因がある場合がほとんどです。
以下のような通話先にかけた場合には、Rakuten Linkを使っていても有料通話となります。
・緊急通報を含むいわゆる3桁通話(110/119/118/171/188/189など)
・ナビダイヤル(0570)、テレドーム(0180)、留守番電話(1417)など
・その他(#7119/#8000/#8011/#8891/#9110など)
※ 無料通話とならない通話先については以下を参照してください。
参照:Rakuten Linkで発信しようとした際、標準の電話アプリが起動して発信されます
参照:Rakuten Linkで発信をしても、通話料が発生する電話番号を教えてください
これらの通話先への発信は、Rakuten Linkから通常の通話アプリに切り替わって発信されているので、通常料金が発生します。
Rakuten Linkを使った国際電話の通話料金
Rakuten Linkを使った国際電話の通話料金は以下の通りです。
①日本国内で国際電話を利用する場合
|
Rakuten Linkアプリ同士 |
相手がRakuten Linkアプリ不使用 |
日本から海外へ発信する場合 |
無料 |
国・地域ごとの従量料金 |
日本で海外からの電話を着信 |
無料 |
無料 |
②海外で国際電話を利用する場合
|
Rakuten Linkアプリ同士 |
相手がRakuten Linkアプリ不使用 |
海外から日本へ発信する場合 |
無料 |
無料 |
海外から海外番号にかける場合 |
無料 |
国・地域ごとの従量料金 |
海外から国内で電話を着信 |
無料 |
無料 |
Rakuten Linkの通話品質はエリアによっては良くない場合がある
Rakuten Linkを使った通話は、音質が良くない、通話品質が悪いなどの口コミSNSなどに散見されます。
これは、データ通信回線を使用した通話であるため、音声通話回線ほど安定してないことが原因で、データ通信回線の混雑や、電波の弱い場所・地域などではどうしても通話品質に悪い影響がでてしまいます。
また、楽天モバイルは、キャリアとしては後発のため、大手キャリア3社が保有しているいわゆる「プラチナバンド」を保有しておらず、高い帯域の直進性の強い電波を使用せざるを得ません。
そのため、建物内、建物の影、地下街、地下鉄駅などでは電波が届きにくく、Rakuten Linkの通話品質にも悪い影響が出るケースが少なくありません。
Rakuten Linkの通話品質を改善する簡単な方法
Rakuten Linkの通話品質を改善する方法は単純です。データ通信の電波を拾いやすくすることです。
・場所を数メートル移動してみる
数メートル移動するだけで受信感度は大きく違うことがあります
・建物や地下街から出る、少し高いところへ上る
電波を届きやすくします
・基地局を切り替える
「機内モード」や「電源」のON/OFFを切り替えることで、混雑する基地局を離脱、空いている他の基地局に接続することで通信状態を改善できる場合があります
・混雑する時間帯をずらす
朝夕の通勤通学時間帯や昼12時台など回線が混雑する時間帯を外すことで改善する場合があります
・質の悪いWiFiを切断する
無料公衆WiFiなど質が悪いWiFiからの影響を断ち切ることで改善する場合があります
Rakuten Linkはデータ通信回線を使用しているので、電波感度を改善することが通話品質を改善することに直結していることを意識すれば、自ずと対策も思い付きますね。
楽天モバイルは電話回線使用の音質の良い通常通話も可能
楽天モバイルは、通常の電話回線を使った通話サービスも提供しており、22円(税込)/30秒の料金で利用することができます。
電話回線による通話は、音質が良いのが特徴で、仕事などで重要な通話の場合にはノイズや途切れの少ない電話回線での通話がおすすめです。
Rakuten Linkが無料かけ放題なのに有料の通常通話が必要なのか
Rakuten Linkによる無料通話があるのに、なぜ有料の電話回線による通話が必要なの?
と思う方もいるかもしれませんが、Rakuten Linkによる通話は、無料通話できない通話先があるなどデメリットもありながらも通話料を削減できる補助的な通話サービスと考えるべきであり、基本的な電話は電話回線による通話であるといえます。
通話品質を重視するケースや、Rakuten Linkでは通話できない通話先への通話(たとえば緊急通報など)は通常の電話アプリは絶対に必要ですし、データ通信状態の悪い場所・時間帯などではどうしても通常の電話アプリに頼らざるを得ません。
電話の基本は電話回線による通話であり、料金削減の観点から無料通話を利用可能な部分をRakuten Linkで補う…という考え方が妥当です。
楽天モバイルの「10分かけ放題」の料金と注意点
電話回線による通話は、22円(税込)/30秒の従量制(使った分だけ支払う)課金となっており、よく電話をかけるユーザーにとっては、負担が大きくなってしまう場合があります。
そんな時に利用したいのが『10分かけ放題』です。
これは発話から10分間の通話が月額基本料に含まれ、別途通話料が発生しない仕組みなので、10分以内の比較的短い通話が多い方には、通話料金に大きな削減効果を見込むことができます。
ただし、月額基本料金が他社の同等サービスと比べて割高であることと、10分経過後は通常料金22円(税込)/30秒が課金されることは要注意です。
また、かけ放題が適用されない通話先があるので注意してください。
10分かけ放題の料金比較
以下は、料金半額通話(プレフィックス通話)サービスと、楽天モバイル10分かけ放題の料金比較です。
通話サービス |
基本料金 |
10分以内 |
20分通話時 |
30分通話時 |
料金半額通話 |
0円 |
11円/30秒×2×10分=220円(税込) |
11円/30秒×2×20分=440円(税込) |
11円/30秒×2×30分=660円(税込) |
楽天モバイル |
1,100円(税込) |
0円 |
22円/30秒×2×10分=440円(税込) |
22円/30秒×2×20分=880円(税込) |
「楽天でんわ」や「G-Call」など、通信キャリアに関わらず利用可能な料金半額通話サービスを使用した場合、11円(税込)/30秒の通話料金が最初の1分から課金されます。
そのため、22円(税込)/1分の料金×通話した分数ぶんが料金となります。
一方、楽天モバイルの10分かけ放題の場合には、最初の10分間は無料で通話できますが、11分以降は22円(税込)/30秒の料金がかかるため、20分間の通話で料金半額通話と同等、30分間通話した場合には料金半額通話の方が割安になります。
さらにかけ放題には基本料金がかかりますので、月間に26回以上の10分以内の通話をしない場合には、基本料金ぶんをペイすることができません。
つまり、楽天モバイルの10分かけ放題を利用してお得になるのは、
・10分以内の通話を月間26回以上かける人
・11分以上の通話をする場合、20分以内に終了する人
この条件をクリアできる人ということになります。
通常の電話回線を使用した国際電話の通話料金
通常の通話回線を使用した国際電話が可能です。
通話料金については、通話先の国や地域によって異なるため、以下を参照してください。
楽天モバイル国際電話かけ放題
楽天モバイルでは、国際電話向けのかけ放題を980円(税込)/月で提供しており、日本国内から66の国と地域への国際電話に適用されます。
海外から海外への国際電話には適用されません。
発信 |
国際通話かけ放題 |
日本から海外へ電話をかける |
対象 |
海外から海外へ電話をかける |
対象外 |
楽天モバイル「UNLIMIT Ⅶ」を発表~1GB以下料金無料を廃止
楽天モバイルは、2022年5月13日付のプレスリリースにて、楽天モバイルの料金プラン「UNLIMIT」について、アップグレード版となる「UNLIMIT Ⅶ」を発表しました。
「UNLIMIT Ⅶ」では、現行「UNLIMIT Ⅵ」と同様の段階制料金は踏襲するものの、月間データ通信1GBまで無料を廃止し、0~3GBまでの利用をすべて1,078円(税込)/月となることが判明しました。
月間のデータ通信量1GB以下のユーザーは、これまで、費用負担なしにRakuten Linkによる『無料通話かけ放題」を利用することができましたが、「UNLIMIT Ⅶ」に切り替わる7月1日以降は最低でも1,078円(税込)/月の月額料金が必要となります。
従来から1GB超のデータ容量を利用していたユーザーに関しては変更はありません。
まとめ
楽天モバイルは、思い切った低料金で徐々にユーザーを増やしてきました。
特に料金プランが『UNLIMIT Ⅵ』にアップjグレードされて以降は、『データ使用量1GBまで無料』と『Rakuten Linkによる無料通話かけ放題』という2つの『無料サービス』で人気を博してきました。
Rakuten Linkについては、データ通信回線の状況によって影響を受けやすく、通話品質が安定しないなどのデメリットがありながらも、『無料通話』でしかも『かけ放題』という圧倒的なお得感が大きな特徴となっていました。
しかし、7月1日以降の『UNLIMIT Ⅶ』への変更は少なからずお得感に影響が出そうです。
従来から1GB超を利用しているユーザーにとってはお得感に大きな変化はありませんし、充分お得といえますが、1GB以下しか使わない方は大幅な値上げになってしまいます。
今後は、データ使用量1GB以下なら月間のコスト負担なしに回線維持・無料通話利用することはできなくなるため、最低でも1,078円(税込)/月の負担を容認するか、他社利用を検討する必要が出てきそうです。