楽天モバイルは田舎でも使える?人口カバー率96%に達した楽天モバイルの実態を徹底解説!

今回のテーマは、地方部での楽天モバイルの通信エリアについてです。

簡単に言ってしまうと『楽天モバイルは田舎でも繋がるの?』ということです。

楽天モバイルは、「快適に使える」という声もある一方で、自社通信網の整備が進んでいるはずの都市部や都市部郊外でも「繋がらない」「圏外になる」との不満や批判の声があがっているのはなぜでしょうか。

実はそこには、楽天モバイルが抱える問題や、後発ゆえに思うように改善できないことがあるのです。

そこで今回はなぜ楽天モバイルへの「繋がらない」という批判はなくならないのか、実際になぜ繋がらないのか、どこで繋がりにくい現象が生じているのかなどを考えてみることといたします。

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楽天モバイルは人口カバー率96%を達成したがまだまだ

パソコン作業のイメージ

楽天モバイルは、2022年2月4日に人口カバー率96%を達成した旨を公表しましたが、このニュースは「あの楽天モバイルがねえ」とモバイル通信業界では軽い驚きをもって迎えられました。

しかし、当初楽天モバイルは計画通りに基地局設置が進んでいませんでした。

何回も総務省による行政指導を受けるなど通信エリアの拡大に苦戦している様子が伝わってきており、これまでの歩みは決して順風満帆というわけではありませんでした。

人口カバー率が96%を達成した現在、通信エリアや通信品質の問題が解決したかと言えば、未だに厳しい状況にあることは否めません。

人口カバー率でいえば、先行するNTTドコモ・au(KDDI)・Softbankの大手キャリア3社の4GLTE回線の人口カバー率は99.9%に及び、日本国内のモバイル通信利用者のほとんどを網羅するほどの通信可能エリアを構築しており楽天モバイルは他社キャリアからみれば「まだまだ」の存在です。

人口カバー率の差『3%』などごくわずかのように感じますが、奇しくも楽天モバイルが人口カバー率96%達成を公表した同日にSoftbankは第3四半期決算会見を開催し、その席上宮内社長は楽天モバイルのカバー率に触れ以下のように述べています。

特に4Gであれば、ゴルフ場など、様々な場所でつながる。(楽天モバイルは)人口カバー率が96%といっているが、96%から99%にするには兆単位のお金がかかる。過去にはいろんな人から『ゴルフ場でつながらない』『軽井沢でつながらない』『銀座のクラブでつながらない』と言われてきた。日本のユーザーからはネットワーク品質を求める声が大きい。アメリカやインドと違って品質が重要

引用:ソフトバンク宮内社長「人口カバー率99%は兆単位の設備投資が必要」――iPhone 12は3月末から4月のアップデートで5Gエリアが一気に拡大

かつてはNTTドコモやauを追う立場だったSoftbankが通信エリアの拡大や通信品質の向上に苦心した経緯から、楽天モバイルが人口カバー率96%に到達したとはいえ、数字ではわずかな『3%』を埋めることがいかに大変であるかについて言及しました。

人口カバー率とは?その意味を正しく理解する

「人口カバー率96%」というと、日本の国土の96%で楽天モバイルが通信可能になったと考えがちですが、実はそうではありません。

人口カバー率は総務省が定めたルールに従って算出する数値で、市町村単位でエリア内にある市役所や町役場などの周辺で通信可能かどうかを表しています。

例えば、ある市町村内にあるすべての市役所や町役場の周辺で通信可能であれば、その市町村に住む人のすべてが利用できるものと見なします。

逆に、市町村内にある市役所や町役場のうち1か所でも圏外になれば、その市町村に住まう人すべてが利用できないものと見なします。

つまり簡単に言い換えると、全国の96%の市町村の役場周辺で利用できるようになったということであって、国土の96%を網羅したわけでも全人口の96%の人が通信可能になったわけではないのです。

楽天モバイル通信エリアは都市部優先、田舎は後回し?

楽天モバイル通信エリア

画像引用:楽天モバイル

こちらは楽天モバイルの通信エリア図です。

東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の首都圏地域を中心に、通信の空白地帯はほぼなくなりつつあり、幹線道路沿いや鉄道沿線など、人口が集まる地域からエリアを拡大していっていることがわかります。

これは逆を返せば、通信エリアの拡大は人口が集中する地域を優先し、人口が少ないエリアは後回しになる傾向が強いと言う事でもあります。

繋がらないという声を減らすためには、どうしても「人口が集中する地域」つまり都市部や主要道路沿い、鉄道沿線、公共施設などから基地局設置を行うことになるためです。

人口十数人の山村に基地局を設置するより、人口数千万人の大都市圏に基地局を作った方が「繋がらない」と訴える声は減りやすくなるというわけです。

au通信エリア

画像引用:au

こちらは、auの通信エリアで、おそらく人が定住していないであろう山間部などの地域を除いてほとんどの地域をカバーしています。

丸印は、楽天モバイルと違いが分かりやすいエリアを丸印で囲ったものです。

auエリアでは、千葉県や富士山周辺ではほとんどを薄い黄色(4GLTE)がカバーしていますが、楽天エリア図ではまだ空白が多く残っています。

向かって左上の『秩父多摩甲斐国立公園』周辺では、auは街道に沿ってエリアを拡大していますが、楽天モバイルのエリア図では空白地帯となっておりエリアの密度やきめ細かさが段違いと感じます。

楽天エリア図でうっすらオレンジ色のエリアが見えていますが、これが、パートナー回線としてauがローミング提供している地域になります。

楽天モバイル通信網の4つの弱点

インターネット回線のイメージイラスト

楽天モバイルの通信が「繋がらない」と言われる原因は、通信エリアの拡大とはまた別の、楽天モバイル特有の要因も大きく関わっています。

楽天モバイルだけが後発であるがゆえに生じる、他社3キャリアにはない楽天モバイルだけの問題です。

周波数帯域1.7GHzのみ提供~プラチナバンドの割り当てがないという問題

楽天モバイルが総務省から割り当てられているのは4G向けでは「1.7GHz」、5G向けでは「3.7GHz」「28GHz」という高い周波数の電波のみです。

5G通信はまだ実用的とは言えず通信の主力は4Gとなりますが、楽天モバイルは4G用には「1.7GHz」という高い周波数帯域だけが割り当てられています。

通信の電波は周波数が高くなればなるほど、性質が「光」に近くなり、通信速度が高速な代わりに直進性が強くなります。

この性質をモバイル通信に当てはめると、基地局から出た周波数帯の高い電波は、まっすぐに進める範囲にしか届かないためビルや山・丘などの陰などには電波の届かない空白地帯が生まれやすくなります。

一方、低い周波数の電波は、電波が大きく波打ちながら進むため、多少の障害物は回り込んで電波が届かない空白地帯ができにくい性質を持っています。

時々「プラチナバンド」なる言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これは700~900MHzの低い周波数帯の電波のことで、ビルや山の陰や裏に回り込見やすい貴重な電波という意味で「プラチナバンド」と呼ばれます。

楽天モバイルは、このプラチナバンドを割り当ててくれるよう要望していますが、空き帯域は残っておらず楽天モバイルに割りあてる分がないのが現状です。

楽天モバイルは「それは不公平だ、再配分するのが妥当」と主張していますが、総務省でも検討はしているはずですが、現時点では再配分をする決定はなされていません。

1.7GHzという高い周波数の電波しか使用できない楽天モバイルは、電波の性質からして「空白地帯」ができやすいという不利な状態で通信エリアを広げていることになり、通信エリアの中であっても電波の届きにくい「空白地帯」を無くすことが難しい宿命を背負っています。

キャリアアグリゲーションができない問題

『キャリアアグリゲーション』とは、複数の異なる周波数帯の電波を束ねることで、通信速度の向上や通信品質の向上を実現する技術です。

また、周波数帯域が異なる電波を組み合わせて使用することから、それぞれの電波の良い面を活かすことができます。

場合によっては片方の電波の状態が悪化した場合でも、もう片方で補うことができ通信不能に陥りにくいメリットもあります。

すでに他社3キャリアでは実施されていますが、割りあてられた周波数帯が1つだけの楽天モバイルでは『キャリアアグリゲーション』に使用する異なる周波数帯の電波がなく、通信の高速化や品質向上に利用することができないのです。

基地局が少ないという問題

どうにか人口カバー率96%までこぎ着けた楽天モバイルですが、実際には『通信エリア内ならどこでも繋がる』という状況には至っていません。

人口カバー率は役所・役場の周辺が通信可能であればその市町村は通信可能エリアとしてエリア図を赤く塗りつぶしてよいわけですので、実際には、通信エリアないであっても1.7GHzタイの電波では届かない「空白地帯」が残っているわけです。

たとえば碁盤の目のように縦横に通路がある街があるとして、直進しかしない電波で全ての通路をカバーするのと、大きくうねって角を曲がって到達する電波で全てをカバーするのとでは、どちらの電波が基地局を多く必要とするかを考えればわかりやすいと思います。

直進性の強い電波でエリア内のどんな場所でも電波を漏れなく供給するには、まだまだ基地局数を増設しなければなりませんが、すべてのユーザーの満足を得られるほどの基地局数を増やせておらず空白地帯を埋め切れていない現実があります。

パートナーエリアで借りているのはBand18/26のみという問題

それではパートナエリアではauと同等の繋がりやすさや通信品質を確保できているかと言えば、実は、パートナエリアでも繋がりにくさに直結する問題を抱えています。

もともと、au回線はいくつもの周波数帯(Band)の割り当てを得ています。

Band

周波数

1

2.1GHz

3

1.7GHz

11

1.5GHz

18

800MHz

26(※)

800MHz

28

700MHz

41

2.5GHz

42

3.5GHz

※「26」は「18」を内包

このように低い帯域から高い帯域までさまざまなBandを組みあわせて、繋がりやすさや通信品質を維持し人口カバー率99.9%を誇っていますが、このうち楽天モバイルにローミング用として貸し出しているのは、18(26)のみです。

楽天モバイルが切望するプラチナバンドを貸し出していることになりますが、例えば、基地局が混みあってBand18/26に余裕がなくても他の周波数帯を利用することはできませんし、そもそもBand18/26を提供していないエリアではローミングすることすらできません。

楽天モバイルはパートナエリアのエリアマップを自社通信エリアに色違い(薄いオレンジ)で表示していますが、それは、auの全ての周波数帯を使った通信可能エリアであって、Band18/26での通信可能エリアではない可能性もあります。

少なくとも、auローミングといっても全部の周波数帯域を使用できるわけではないことは、パートナーエリア内であっても繋がらない地域があったり通信速度も遅いと言われる要因の1つと言えます。

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結論~楽天モバイルは田舎でも快適に使えるのか

・楽天モバイルの自社通信網の人口カバー率が96%を達成した
・au回線ローミングにより楽天モバイルの自社通信網でカバーできないエリアでも通信可能

これだけを読むと、

『自社エリア96%で、その他はau回線がつかえるのか』
『だったら楽天モバイルと契約しても快適に使えそうだ』

と思われるかもしれません。

しかしここまで見てきたように、楽天モバイルには後発ゆえの特有の問題があって、思ったように自社通信網の通信可能エリア拡大をすることができていない実情がありますが、その他にも問題があります。

au回線ローミングがあれば問題なしというわけではない

楽天モバイルの通信エリアに関する面白い画像をご覧ください。

モバイルデータ通信  

povoと楽天モバイルのデータ通信

こちらは、1台のスマホに「楽天モバイル」と「Povo2.0」の2つのSIMを入れているスマホの通信状態をスクリーンショットしたものです。

このスクリーンショットを撮影した場所は、もともとモバイル通信の電波が届きにくく、NTTドコモは圏外、auは少し電波が弱く、Softbankはアンテナ4本が立つような場所です。

画像でもPovoではアンテナ3本が立っていますが、楽天モバイルは圏外になっています。

Povoはau回線そのものですので、この場所にもau回線が若干弱いながら届いているということになりますが、この状況おかしいと思いませんか?

本来、楽天モバイルの自社通信網でカバーできないのであればau回線でカバーするはずですので、au回線18/26にローミングしている楽天モバイルもPovoと同様にアンテナ3本となってもおかしくないはずです。

しかし実際には、Povoはアンテナ3本が立ちますが、楽天モバイルは圏外になっています。

つまり、この場所にはauのBand18/26は来ていないということになるわけです。

このように、自社回線でカバーできない場所はau回線のローミングでカバーするといっても、すべてのBandでローミングするわけではありません。

必ずしもau通信エリアが反映されるわけではなく、Band18/26だけでは、カバーしきれず圏外になる場所も出てくるわけです。

au回線利用は5GBの上限がある

パートナーエリアでの通信可能エリアについては、Band18/26のみの貸し出しであることに伴う問題もありますが、それでもBand18/26はau通信網の中核を成すプラチナバンドであり相応のエリアの広さを持っています。

少なくとも楽天独自の通信網よりは通信可能エリアが広いことは間違いありません。

したがって、まだ楽天通信網が整備されていないエリアでは、人口カバー率99.9%を誇るau回線を使用するわけですから、通信可能エリアは広くしかも繋がりやすいことになります。

1つ問題があるとすれば、パートナエリアでは、楽天モバイルの「売り」の1つである「データ通信上限なし使い放題で料金最大3,278円(税込)」が実現できないことです。

①パートナエリアでのデータ通信は最大5GBまでの制限があるため「データ使い放題」ではない
②au回線ローミングで最大5GBを使い切った場合の料金は2,178円(税込)となる

au回線しか利用できない地域で楽天モバイルを契約した場合、利用可能な月間データ量は最大5GBまでとなります。

また、au回線利用時の最大データ量5GBを利用した場合の料金は、楽天モバイルの3GB超~20GB以下に相当するため、月額料金は2,178円(税込)となります。

これは格安通信サービスとしては決して割安な料金とは言えませんし、さらに5GBを超えるデータ量を使用するには別途、容量の購入が必要となります。

田舎よりも郊外エリアの方が繋がりにくく圏外になるケースがある

auローミング
画像引用:KDDI

こちらの図は、2022年3月現在でauがパートナーエリアとしてローミングを行っているエリアです。

2022年3月現在でも、関東首都圏周辺でこれだけのエリアをau回線に依存しているわけです。

ここから楽天モバイルが先行する3社と肩を並べて、人口カバー率99.9%に至るのはそう簡単ではないことは容易に想像することができます。

楽天モバイルは、自社通信網の人口カバー率が70%に達した地域については、au回線のローミングを廃止し自社通信網によりカバーに切り替えを進めています。

このことにより、au回線ローミングしている時よりも繋がりにくくなったり、圏外になってしまうケースがあります。

それは簡単な理屈で、それまで人口カバー率99.9%のau回線がカバーしていたのに、70%になったばかりの楽天通信網に切り替わるのですからカバーできない場所が生じて当然なのです。

つまり、このオレンジの部分の30%分は楽天の自社エリアに切り替わると圏外になる可能性が高いということになります。

例えば90%や95%など、自社通信網がカバーできる範囲がもっと大きくなってから自社通信網に切り替えればこうした問題は起こりらないはずです。

しかし、auから回線を借りているので莫大な「賃料」が発生するため、楽天モバイルとしてはできるだけ早めに自社エリアに切り替えたいのです。

楽天モバイルは田舎でも繋がるのかについての結論

結論として言えば、『楽天モバイルは田舎の方が繋がりやすい』といえます。

その理由は、楽天の自社通信網の整備が整っておらず、ローミングによって人口カバー率99.9%のau回線を利用することができるためです。

もちろんBand18/26だけではカバーしきれないエリアが生じてしまうことはあり得ますが、それでも現状の楽天モバイル自社エリアよりは格段に広く密度の高いau通信網を利用することができます。

繋がりにくい、圏外になってしまったという問題は、田舎よりも都市部周辺の郊外地域で起こっています。

楽天モバイルは、自社通信網の人口カバー率が70%に達した地域についてはau回線のローミングを廃止して自社回線に切り替えを進めています。

それまで人口カバー率99.9%のau回線でカバーされていた地域が、ある日急にカバー率70%の楽天モバイルに切り替わることなることから、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

(1)通信可能エリアが狭くなる(人口カバー率が低い)
(2)電波が弱くなる・圏外になる地域がある(人口カバー率が低い・電波の直進性が強い・基地局が少ない)
(3)電波が届かない空白地帯が生じる場合がある(電波の直進性が強い)
(4)建物内や地下街などでの通信状態が悪化する(基地局が少ない)
(5)通信速度が低下する場合がある(キャリアアグリゲーションできない)

これでは、楽天エリアに切り替えになったら通信状況が悪くなったと言われるのも納得ができます。

まとめ

・『エリア』そのものがauほど広くない
・『直進性の強い』ことによって電波が届かない場所ができやすくなる
・それをカバーしきれるほどの『基地局』がない
・速度や品質を向上させる『キャリアアグリゲーション』できない

逆に、よくこれだけの悪条件の中で通信サービスを提供できていると不思議になってしまうほど、楽天モバイルを取り巻く状況や条件は芳しくありません。

ユーザーからすれば、自らがお金を出して利用する通信サービスが、諸般の事情があるとはいえ不完全であることは許容できません。

今回のテーマである『田舎で使えるか』については「YES」と言えます。

現在はまだauローミングでカバーしている地域のうち、楽天モバイル通信網の人口カバー率が70%に到達した地域に「圏外」や「電波が弱い」などの問題が起きており、『郊外で使えるか』については「auローミングが継続している地域に限る」という注釈付きの「YES」にります。

今後、徐々に自社通信網の人口カバー率は向上してくるはずですので、しばらくは郊外から地方へ向けて「圏外」や「電波が弱い」などの問題が発生しそうです。

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