楽天モバイルで楽天カードを使う~よく言われるメリットは本当なのか
今回は、楽天モバイルで楽天カードを使うとお得なのかを検証します。
よく『楽天モバイルの料金支払いに楽天カードを充てると、他のカードを使うよりポイントが多く還元されてお得です』と言われます。
実際にそう思っている方も少なくないと思いますが、本当に、楽天モバイルで楽天カードを使うとお得なのでしょうか。
ちなみに楽天カードは、年会費無料・還元率1%のクレジットカードで、国際ブランドはVISA/Master/Amex/JCBを選択可能、一人でブランド違いで複数枚発行することができる人気のクレジットカードです。
どのブランドを選んでも楽天モバイルの料金支払いに充てることができます。
今回は、楽天モバイルの料金支払いや、端末購入時に楽天カードを使用した場合に本当にお得になるのかをチェックしてみることにいたしましょう。
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結論:『楽天モバイルの料金支払いに楽天カードを使うとお得』は一部本当
『楽天モバイルの料金支払いに楽天カードを充てるとお得』は本当でしょうか?
結論から言ってしまえば、「一部は本当だが、多くは言い方や言い回しで得に感じているだけ」という部分も少なくないようですのでその辺りを詳しく紹介していきます。
もし、よりも高還元カードを所有しているのであれば、場合によっては楽天カード以外のカードを使った方がお得になる場合があることを知っていただきたいと思います。
楽天モバイルで楽天カードを利用すると「お得」と言われる7つのポイントとは
楽天モバイルの料金支払いに楽天カードを当てた場合に言われる「お得」になるポイントは大きく分けて5つあります。
その1つ1つを検証していきます。
支払料金に応じてポイントが貰える
これは本当です。
ただし、楽天カードを使う・使わないは関係ありません。
楽天モバイルでは、利用料金に応じて1%(100円ごとに1ポイント)分のポイントが付与されます。
このポイント付与は、支払方法には無関係に楽天モバイルの利用者なら誰でも貰えるポイント還元制度です。
このポイント還元制度とは別に、料金をクレジットカードで支払う場合には、各カードのポイント還元を受けられます。
楽天カードであれば1%ですし、他のカードであればそのカードの還元率のポイントが付与されます。
楽天モバイルのポイント付与は1%還元が基本で、支払方法によってポイントが増えることはありません。
楽天モバイルで楽天ポイントが貰えるのは楽天カードだけ
こちらは誤解を生みやすい表現です。
画像引用:お支払方法
こちらは楽天モバイルの公式サイトの記述ですが、『お支払い額100円につき1円相当の楽天ポイントが貯まるのは楽天カードだけ』と記載されています。
あたかも他社カードを楽天モバイルで使ってもポイント還元対象にならず、ポイントが付与されるのは楽天カードだけというような誤解を生む可能性があります。
実際には、楽天ポイントを貰えるのは楽天カードだけという至極当たり前のことを言っているだけなのです。
楽天モバイルの料金を楽天カードで支払うとカード規定の1%のポイントが貰えるのは確かですが、楽天モバイルの料金を他社カードで支払った場合にはポイントが付与されない訳ではありません。
三井住友カード(Vポイント)、セゾンカード(永久不滅ポイント)、JCBカード(OkiDokiポイント)など、いずれのカードでもそれぞれの規定の還元率のポイントが貰えます。
この文面の真意は「楽天ポイントが貯まるのは楽天カードだけ」と言うことであって、100円につき1ポイントが貯まるのは楽天カードだけという意味ではありません。
非常に紛らわしい表現ですが、『他のカードであっても還元率に応じたポイントは貯まりますが、そのポイントが楽天ポイントではなく他のポイントだ』ということです。
楽天モバイルで1倍、楽天カードでも1倍
『楽天モバイル利用で楽天モバイルが1倍、楽天カードでも1倍』
これも紛らわしい表現です。
この文言が楽天モバイル絡みで表示されていると、「楽天モバイルの料金支払いに楽天カードを充てると、楽天モバイルで1倍+楽天カード利用で1倍」のポイントが貰えるように感じてしまいます。
楽天カードでの1%還元を合わせると、3倍(3%)の還元が受けられると誤解する方もいるかもしれませんが、実際には楽天モバイルのポイント付与は以下通りです。
・楽天モバイルは利用金額100円ごとに1ポイントが付与されます(楽天モバイルでの付与)
・楽天カードは利用額100円に対して1ポイントが付与されます(楽天カードでの付与)
料金支払いに楽天カードを使ったからといって、ポイントが1%上乗せになるわけではありません。
実は、この文言は楽天市場での買い物時のSPUアップの説明であって、楽天モバイルユーザーが楽天市場を利用する際にお得になることを表したものです。
・楽天市場は、楽天モバイル利用で+1倍になります(楽天市場での付与)
・楽天市場で楽天カードを使用した場合、通常分1倍+特典分1倍が付与される(楽天市場での付与)
楽天モバイルで付与さえるポイント、楽天カードで付与されるポイント、楽天市場でSPUアップになるポイントは、それぞれ分けて考えるようにしないと混同してしまいます。
本来、楽天モバイルでの還元と、楽天カードや楽天市場での還元は何も関連はないのに、楽天モバイルがお得であることを強調したいがために、楽天モバイルで楽天カードの還元にも言及することで誤解を生じているように感じます。
貯まった楽天ポイントを楽天モバイル料金に充当できる
これは本当で、楽天モバイルの料金に楽天ポイントを充当することが可能です。
楽天カードで貯めたポイントであっても、他の楽天サービスで貯めたポイントであっても、貯まった楽天ポイントはすべて楽天モバイル料金支払いに充当できます。
楽天モバイルの料金に楽天ポイントを充当できることと、料金支払いに楽天カードを使用するかどうかは無関係です。
一方、楽天カードでもカード請求額に楽天ポイントを充当できる「ポイント支払い」という制度があるので、混同しないよう注意が必要です。
楽天モバイルでのポイント充当は、料金支払い額に楽天ポイント分を充当できる仕組みです。
楽天モバイル料金を楽天カードで支払っている場合には、楽天モバイルの料金を含めた楽天カードの請求額にポイントを充てることができるので、結果的に楽天モバイルの支払いに楽天ポイントを充てたことになります。
この2つのポイント充当の違いは、ポイント充当後の請求額を他社カードでも支払うことができるか、楽天カードのみの支払いとなるかです。
楽天モバイルの場合は、楽天ポイント充当後の料金を他社カードで決済できますが、楽天カードの請求額へのポイント充当は当然ながら他社カードで支払うことはできません。
また、楽天カードでのポイント支払いでは期間限定ポイントは充当できませんが、楽天モバイルであれば期間限定ポイントも料金に充当できるため、期間限定ポイントの使い道に困ったら楽天モバイルで料金に充当するとよいでしょう。
端末の分割手数料が0円になる
これは本当ですが、カラクリがあります。
楽天モバイルでの分割払いは、楽天モバイルが分割するのではなく代金総額をカード会社に丸投げし、カード会社が分割払いで利用者に請求するため、カード会社ごとの分割金利手数料が発生します。
要はカード利用者が買い物の際に分割払いを申し込んだのと同じで、分割金利手数料が発生するのですが、同じ楽天グループ内の楽天カードだけは分割金利手数料を免除する…ということです。
実はこれ、特にお得というわけではありません。
というのも、他社通信会社の中には、通信会社自身が分割払いを提供するケースがあるからです。
以下「mineo」を事例に説明します。
mineoの端末価格は、一括払いでも分割払いでも総額は同じです。
これは、カード会社へ端末代金を丸投げせず、mineo自身が分割払いを請け負っていることを表しています。
つまり、mineoの端末の分割払いはmineo自身が提供していて、mineoから1か月分ごとの分割支払い額を利用者のクレジットカードに請求していることになります。
あくまで筆者の想像ですが、楽天モバイルの場合はクレジットカード会社に丸投げすることで楽天モバイルが自社で分割金利を負担することはなく、カード会社で発生する分割金利手数料は利用者に負担さる仕組みです。
一方mineoは、分割金利手数料はmineoが負担しているのか分かりませんが、一括払い代金を無金利で24回に分割した金額をユーザーのクレジットカードに請求する仕組みです。
『楽天カードを使った場合だけは分割金利手数料不要でお得な購入方法』というニュアンスで案内していることには若干の違和感を感じます。
楽天モバイルでの端末購入には楽天カード利用が「お得」かのような表現になっていますが、分割金利手数料が発生しないという点では、条件は他社同等で特に楽天カードだけがお得ということはないように感じます。
分割金利手数料なしで端末を購入できるのは楽天カードだけという制限がある分だけ、かえって「お得」な範囲が狭いように思えます。
言葉の言い回しでお得に見せているような表現はあまり芳しくない印象です。
キャリア決済で+0.5倍
これも、楽天市場での買い物時に+0.5倍になるという意味で、楽天モバイルで得られるポイントではありません。
キャリア決済は楽天モバイルで行われるため、楽天モバイルの「お得」な要素の1つとされることがありますが、楽天モバイルで得られるポイントが+0.5倍になるわけではありません。
楽天モバイルで得られるポイントは、料金に対して1%のポイントのみです。
端末購入時に48回払いが利用可能なのは楽天カードだけ
これは半分本当です。
確かに、楽天モバイルでの端末購入時に48回払いが選択できるのは本当ですが、楽天カードに限らず多くのクレジットカードで48回分割払いを申し込むことができます。
ただ、楽天モバイルで他社カードを利用して端末購入する場合には、分割金利手数料が発生してしまいます。
つまりこの文言の真意は、『(楽天モバイルで端末購入の場合に)分割金利手数料がかからずに48回払いを選択できるのは楽天カードだけ』ということです。
これは、端末の分割購入を件としている利用者にはメリットとなります。
楽天モバイルでの楽天カードの上手な使い方
『同じ楽天グループのサービスだから、楽天モバイルでの支払いには楽天カードを使用した方が得』
これは必ずしもそうとは限りません。
楽天カードを使った方がお得になるケースもありますし、そうでないケースもあります。
ここでは、楽天モバイルで楽天カードを使用すると本当にお得になる使い方をご紹介します。
各所でお得だと喧伝されているので誤解されやすいのですが、『楽天モバイルで付与される楽天ポイントは利用料金の1%分のみ』であることを忘れずにお読みください。
楽天モバイルで端末を購入するなら楽天カードは必須
楽天モバイルで端末を購入するなら、楽天カードは持っておくべきという点は確かにそうです。
(1)端末分割購入の際に分割金利手数料がかからない
他社での端末購入と比べると、どのカードを使っても無金利のmineoなどよりも条件は良くありませんが、楽天モバイルからの購入が前提であれば、楽天カードの無金利分割購入を利用するしかありません。
他社クレジットカードの分割倫理手数料を支払ってもよいということでなければ、楽天モバイルで端末を購入するなら楽天カードは必須となります。
(2)iPhoneアップグレードプログラムを利用できる
iPhoneは高額商品ですので、一括購入はなかなか難しい端末であるため、楽天モバイルでは48回分割払いを設定し、24回支払い時にiPhoneを下取りに出すことで残り24回の支払いが免除になる「アップグレードプログラム」を提供しています。
楽天モバイルでは、iPhoneアップグレードプログラムは楽天カード専用プログラムとなっていますので、iPhoneアップグレードプログラムを利用するなら楽天カードは必須となります。
アップグレードプログラムは楽天モバイル以外でも利用できる
長期分割支払いのうち所定の期間経過後に端末を下取りにして新たな端末を入手できる同様の仕組みは各社で提供しており、楽天モバイルの専売特許ではありません。
しかし、楽天モバイル以外の大手キャリア3社のプログラムでは、iPhoneの価格設定が楽天モバイルより割高なため、実質の支払額も多めになってしまう傾向があります。
ところが最近ではAppleでも同様のサービスを提供しています。
「ペイディあと払いプラン(Apple専用)」を利用することで無金利36回ローンを組み、24回目の支払い時に「買換えオプション」を利用することで、25回目以降の支払いが免除される仕組みです。
端末価格はApple Storeでの価格になる上、無金利36回ローンなので金利負担もありません。
36回ローンを完済すれば端末は自分の手元に残りますし、24回目に買換えを選択すれば新しい端末を手にすることができます(新端末も同様の仕組みを適用して購入可能です)。
楽天モバイル「iPhoneアップグレードプログラム」は楽天モバイルユーザーがお得にiPhoneを購入する方法であることは確かですが、同様の仕組みは他所でも提供されていますので、利用時には他所との比較検討することをおすすめします。
以下はiPhone 13 128GBを楽天モバイル「iPhoneアップグレードプログラム」と、Appleの24回目買換えのプログラムの比較です。
|
楽天モバイル |
Apple Store |
分割 |
48回 |
36回 |
月額 |
2,009円 |
2,744円 |
総額 |
96,470円 |
98,800円 |
買い替え |
24回目 |
24回目 |
実質支払額 |
48,216円 |
65,856円 |
支払い免除額 |
48,254円 |
32,944円 |
※全て税込表示
分割回数が違うため一概に比較はできませんが、いずれを利用しても月の負担額は3,000円以内に収まっています。
48回分割の楽天モバイルは月額の支払額が少ないのがメリットですし、2年後の買い替え時の残存価値についても、楽天モバイルは端末価格のほぼ半額の金額で下取りされることになる点でもお得です。
反面、回線の解約や、他社へのMNP乗り換えの可能性を勘案すると選択肢はApple Storeとなります。
楽天モバイルでの分割払いによる端末購入は、回線解約・他社乗り換え後もそのまま分割支払いを継続することができますが、iPhoneアップグレードプログラム利用時については回線解約時に残債一括請求になりますので注意が必要です。
もし回線を他社に乗換える可能性があるなら、通信会社によらずプログラムを継続できるApple Storeがおすすめです。
楽天モバイルで端末を購入しないなら楽天カードである必要はない
逆に言えば、楽天モバイルで端末購入しないのであればあえて楽天カードを使う理由はありません。
楽天モバイルで楽天カードを使用したからとって、他社カードより楽天ポイントが割り増しになるわけではありませんし、他のカードもそれぞれのカードごとの規定に基づいてポイント付与は行われます。
つまり、端末購入をせず利用料金を支払うだけなら他社の高還元カードを使った方がお得ということになります。
まとめ
楽天カードの「お得」の表現は誤解しやすいので注意が必要です。
ここまで見てきたように、あたかも楽天カードを使用することで他社カード使用時よりも「お得」であるかのような表記が各所に見られますが、実際には、『楽天モバイルで端末購入時に分割金利がかからない』こと以外にメリットはないんです。
・楽天モバイルの1%ポイント付与は楽天カードでも他社カードでも同じ1%付与です
・楽天モバイルで楽天カードを使ってもポイントの割り増しはありません
・カードの利用額に応じた楽天ポイント付与は楽天モバイル利用に無関係に付与されます
・楽天モバイルの料金支払いは、1%超の高還元の他社カードを使った方がお得です(1%還元なら楽天カードと同等)
・楽天モバイル利用で1倍、キャリア決済利用で0.5%は楽天モバイルの料金支払いとは無関係です(楽天市場での買い物時にそれぞれ1倍、0.5倍になります)
一方で、楽天モバイルで端末を購入する場合には楽天カード以外では「損」になってしまうので注意が必要です。
・楽天モバイルでの端末分割購入は、楽天カード以外は分割金利手数料がかかる(楽天カードはかからない)
・楽天カードでは無金利で48回分割払いが可能なので、iPhoneアップグレードプログラムの利用が可能(他社カードではiPhoneアップグレードプログラムは適用できない)
なぜ楽天カードがこのような紛らわしく分かりにくい説明をするのか分かりませんが、楽天カードのお得になる条件を正しく理解していないと、本来は他社カードを使った方がお得な場面でも楽天カードを使ってしまって、結果「損」になることもあり得ます。
誤解を招くような表現が使われていたり、本来はお得とは言えないことを言いまわしでお得に感じさせるなども見受けられるので、楽天モバイルで楽天カードを使用する際には何がお得で何がお得でないのか、事前に確認することが重要です。