楽天モバイルの通信速度は?計測アプリでは分からない評価が分かれる理由を徹底解説

今回のテーマは、楽天モバイルの通信速度についてです。

楽天モバイルで新規、あるいはMNP転入で契約する際に、いくつか気になる点があります。

1つは「料金関連」、もう一つは「通信品質・通信速度」ではないでしょうか。

料金については料金表などで明確に公表されていますのでわかりやすいですが、不安定な電波による通信品の質や速度に関しては明確な評価が出にくい側面を持っています。

今回は、楽天モバイルの通信速度について、できるだけ論理的に判断する材料を集めてみました。

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楽天モバイルの通信速度は速いのか遅いのか

インターネット回線のイメージイラスト

楽天モバイル室内でこの速度はとても快適。

最近の楽天は通信速度安定して速い。

10GB/Day制限をなくしてくれれば最高なのに

引用:Twitter

 

楽天モバイル

1GBまでなら0円だから契約しててたまに使うんだけど

同じ端末同じ場所同じサイトで通信速度を測ったら

ドコモと同等かそれより速いやん

やるな楽天モバイル

といっても回線の利用者数がスクナイだけかもだけど

引用:Twitter

 

楽天モバイル、マジで通信速度遅い!

遅いというか、繋がらない!

マックで圏外、なんで?

引用:Twitter

 

楽天モバイル3ヶ月ほど使ったけどやっぱり通信速度遅いし、また乗り換えようかな?今はLINEMOとpovoが気になっている…

引用:Twitter

SNSでも「速い」という書き込みもあれば、「遅い」という書き込みもあります。

なぜ通信速度の評価がここまで分かれるのでしょうか。

その原因となり得る可能性のある要素をピックアップしてみました。

どの通信会社から乗り換えてきたかなどの比較対象によって感じ方が違う

例えば、NTTドコモ・au・Softbankといった通信キャリアから乗り換えて来た場合、楽天モバイルの通信速度を「遅い」と感じる可能性は少なくないでしょう。

自社通信網を持つ通信キャリアは、自社ユーザーにすべての自社通信網を最大限に提供することができるため、通信速度が速いのが特徴です。

さまざまな面で未完成の楽天モバイルは、通信速度を含め未だ通信キャリア3社に追いついていない部分も多々あるため、通信キャリアから乗り換えたユーザーは「遅い」と感じる可能性はあるはずです。

一方、MVNOからの乗り換えで楽天モバイルと契約した場合には、逆に、エリアとしてはまだ拡大途中で繋がりにくい面は残しているものの、自社回線を持つキャリアだけに繋がってしまえば速いと感じる可能性はあるでしょう。

スマホをどのように使用するかによって感じ方が違う

例えば、楽天モバイルの通信速度は、SNSなどの書き込みを参考にすると最低でも10~20Mbps程度は出ているようです。

仮に20Mbpsの速度が出ているとしても、4K画質で動画を視聴したい人にとってはちょっと物足りない速度に感じます。

しかし、メール送受信やSNSの閲覧や書き込み、写真投稿などをメインに使用しているひとにとって20Mbpsは十分速く特に不足を感じることはない速度です。

その通信速度を使って何をするのかによって、「速い」「遅い」の感じ方は違って当然です。

通信速度の「速い」「遅い」は相対的な感覚

GoogleはWEBページ表示速度の目安を公開しています。

Googleの研究結果よれば、スマホでWEBサイトにアクセスした際にページ全体を表示するために3秒以上かかる場合、多くのユーザーがそのページから離脱してしまうそうです。

ではWEBが3秒で表示されればすべてのユーザーが「速い」と感じてそのサイトに残ってくれるのか…といえば、それはまた別の話しです。

Googleのデータは、WEB制作者向けのもので、3秒以上かかるとサイトを閲覧してくれない可能性が増すのでできるだけページ表示が速いサイトを作りましょう…という意味です。

そうして作られたWEBページであっても、人によっては1秒で表示されなければ「速い」と感じない人もいるでしょうし、逆に4秒で表示されれば「充分速い」と感じる人もいるでしょう。

3秒はあくまで製作者側の目安であって、利用者側の「速い」「遅い」の基準ではないのです。

このように、「速さ」は多分に『主観的』で『感覚的』なものなので、利用者個々の体験によって培われた感覚や、利用方法によって感じるかたが異なります。

そのため必然的に人によって「速い」「遅い」の評価がまったく違ってしまう…ということが起こり得ます。

20Mbpsの速度は誰が使っても「速い」であり、10Mbpsの速度は誰が使っても「遅い」である…といった『絶対的』なものではありませんし、20Mbps出ていればWEBページを必ず3秒以内で表示できるといった固定的な基準もありません。

SNSなどで「楽天モバイルは速い」と評価されていても、同じ場所・同じ条件で別の人が使った時にも「速い」と評価するかどうかは分からないのです。

人の言う「速い」「遅い」の判断が自分の感覚とマッチしているかどうかは分かりません。

もしどうしても速い・遅いを判断したければ、自分自身が速い・遅いと感じる速度を「20Mbps」などの数値で把握しておく必要があります。

楽天モバイルの通信速度が速くなる可能性のある要因は

インターネット通信のイメージ

楽天モバイルは、NTTドコモやau、Softbankと比べると後発であるため、電波が大きくうねりながら進むため建物の裏手などへも電波が回り込みやすい比較的周波数の低い電波~いわゆるプラチナバンドを割りあてられていません。

700~900Mbpsのプラチナバンドは、ドコモ・au・Softbankにすでに割り当て済みで、楽天モバイルに割りあてられる「空き」がなかったためです。

他の周波数帯でも「空き」は少なく、結局、現在楽天モバイルが割りあてられて自社通信網に利用できるのは、1.7GHz帯(Band3)のみです。

プラチナバンドにくらべて周波数が高い1.7GHz帯は、通信速度は速くなりがちな一方で、直進性が強く建物や山の陰や地下などに電波が届きにくい性質を持っています。

実は、SNSなどに見られる「楽天モバイルは繋がれば速い」という評価は、まさに1.7GHz帯の電波の性質そのものといえます。

楽天モバイルの理論上の最大通信速度は400Mbps

現在は、4GlTEの通信速度を向上させるさまざまな技術が開発されています。

これらの技術を組み合わせることで、現状の楽天モバイルの理論上の最大通信速度は400Mbpsです。

(1)2×2MIMO(つーばいつーまいも)
高速化技術を使わない楽天モバイルの基本の速度は150Mbpsです。

(2)4×4 MIMO(ふぉーばいふぉーまいも)
4×4MIMOは、通信データを送信する装置(基地局)と、受信装置(ルーター)の両方に4本ずつのアンテナを搭載することで、同時に送信できるデータ量を増やすことで通信速度を向上させる技術です。

4×4MIMO対応のルータを搭載しているスマホは、下り最大220Mbpsまで速度を高めることができます。

楽天モバイルもこの技術を導入しており、下り最大300Mbpsまで高速化しています。

(3)256QAM(256かむ)
正しくは『256QAM変調方式』といい、これも速度向上のための技術です。

『256QAM変調方式』は、簡単に言ってしまうと一度に送信できるデータ量を増加させる技術です。

楽天モバイルでは、基本の2×2MIMOと『256QAM変調方式』を組み合わせることで、下り最大200Mbpsまで速度アップしています。

(4)2×2MIMO+4×4 MIMO+256QAMで最大400Mbps
これらの『2×2MIMO』+『4×4 MIMO』+『256QAM』3つの技術を組み合わせ、現状の楽天モバイルは最大400Mbpsの通信速度を実現しています。

電波は様々な要因に影響されやすく不安定ですが、論理的に言えば、『4×4 MIMO』と『256QAM』の技術に対応した端末であれば、最大400Mbpsまで速度が出る可能性はあるわけです。

少なくとも高速化技術に未対応の端末よりは論理的には速度は出ることになります。

楽天モバイルの通信速度が遅くなる可能性のある要因は

もう1つ、通信速度を向上させる技術があります。

「CA(Carrier Aggregationキャリアアグリゲーション)」です。

キャリアアグリゲーションは、別々の周波数の電波を束ねて同時使用することでデータ伝送速度を向上させ、通信状態を安定させます。

ところがこのキャリアアグリゲーションを楽天モバイルは利用できません。

前述の通り、楽天モバイルは後発であるがゆえに、複数の周波数帯の電波の割り当てを受けることができなかったため、キャリアアグリゲーションしたくても唯一割り当てられた1.7GHz帯に束ねる他の周波数帯域がないのです。

高速化の図

画像引用:「WiMAX 2+」のデータ通信速度がさらに高速化!-256QAM対応で下り最大558Mbpsを実現-

他社は図のように、『4×4 MIMO』『Carrier Aggregation』『256QAM』を組み合わせることによってさらに高速化を図っていますが、楽天モバイルは『Carrier Aggregation』による高速化ができません。

必ずしもそれだけが原因ではありませんが、他社より高速化技術を1つ使えないのは通信速度の面で不利だと言わざるを得ません。

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楽天モバイルパートナエリアの通信速度

電波のイメージ

楽天モバイルの通信サービスは、現状では未だau通信網ローミングによるパートナエリアで補完されている状況です。

KDDIは、楽天モバイルに対してプラチナバンド(800MHz)のBand18/26(18は26に内包される)のみをローミング用に貸し出しています。

周波数帯域が低いため、建物内や地下街、山間部などで電波の周り込みが良く繫がりやすいが速度はあまり速くないため、パートナエリアでBand18に接続すると通信速度の遅さを感じる場合があります。

また、単一のBandであることのデメリットは、そのバンドが混雑していても他のバンドへ回避することができないことで、混雑による速度低下が起きていればその影響をもろに受けることになります。

しかし、auはBand18/26以外にもさまざまな周波数帯域の電波を併用しているので『キャリアアグリゲーション』が可能です。

状況の悪い単一バンドでパートナー回線に接続すれば「なんだパートナー回線、遅いな」と感じるでしょうし、キャリアアグリゲーションしている回線に接続すれば「速い!」という感想になるでしょう。

パートナエリアは、楽天モバイルの自社通信網の届かないエリアをカバーするためにローミングしているので、速度より電波の周り込みで繋がりやすいプラチナバンドが用途に合っているといえます。

通信速度の実測データから見る「速い」速度とは

下記は、楽天モバイルの通信速度の実測データです。

楽天モバイル通信速度

povo通信速度

比較対象として、auのPovo2.0の速度も同時刻に計測しました。

計測時刻は、18時を少し過ぎたところで、通勤通学や待ち合わせ連絡などで通信が比較的混みあう時間帯ですが、この計測データから見る限りでは楽天モバイルはかなり速いといえます。

比較対象のPovo2.0の下り(画像ではダウンロード)61.4Mbpsでも十分に速い速度で、高画質の動画でもストレスなく視聴可能な速度ですが、楽天モバイルの下り106.0MbpsはPovo2.0よりもさらに173%も高速です。

このように、楽天モバイルの通信速度は良い環境で接続できればかなり高速な通信が可能ですが、どうしても、1.7GHz帯の特性によって繋がりにくい面があるのは残念なところです。

もちろん、すべての場面でこんなに高速な通信が行えるわけではありませんが、「楽天モバイルの通信速度は遅い」と断じるのは早計ではないかと思います。

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どれだけの速度が出ていれば速いといえるのか

速さの評価は人それぞれという話しをしましたが、「○○Mbps出ていれば十分速い」と言える基準のようなものが欲しいと思うことはありませんか?

それについては、YOUTUBEヘルプの「システム要件」が参考になります。

動画の解像度

推奨される持続的な速度

4K

20Mbps

HD1080P

5Mbps

HD720P

2.5Mbps

SD480P

1.1Mbps

SD360P

0.7Mbps

データ引用:YOUTUBEヘルプ「システム要件」

「あれ?意外に速くないな」と思うかもしれませんが、「持続的な」が重要です。

例えば、先の通信速度の実測値の画像は一瞬を切り取った速度であり、ずっと計測速度が持続しているわけではありません。

もっと細かく見れば、速度は常に変動しており、速くなったり遅くなったりを繰り返しています。

ストリーミング再生の場合、動画データのダウンロードよりも再生データが下回っていればスムーズに動画が再生されていますが、ダウンロードが滞って再生が追いついてしまうと再生を停止してデータダウンロードを行わなければなりません。

遅くなったり速くなったりを繰り返しながらも、再生データが追いつかずにダウンロードを完了できれば、最後まで停止することなく再生できるわけです。

利用者としての筆者の感覚で言えば、4K画質の再生の場合では速度計測アプリの数値で50Mbps以上出ていれば停止することなく再生できる印象ですし、常用する480P・720Pでも15Mbps以上が計測できていれば問題なく再生できる印象です。

あくまで個人的な見解ですが、常用域では最低15Mbps以上で「充分」、高画質領域では50Mbps以上が「速い」と言える速度になると考えています。

通信速度が遅いときの対処法

よく見ているWEBサイトの表示が普段より時間がかかる、動画ストリーミングの再生がなかなか始まらないといった場合には、何らかの原因で通信速度が遅くなっている場合があります。

そうしたケースの原因は、モバイル通信の通信速度の問題ではない場合も少なくありません。

もし遅さの原因が端末側にある場合には、以下の対処を行うことで通信速度を回復させることができる場合があります。

モバイル通信を断続させる

方法はいくつかありますが、現在接続している通信を一旦切断し、再接続することで速度が回復する場合があります。

(1)機内モードをONにし、数秒間をおいてからOFFにする
(2)モバイル通信を一旦OFFにして、数秒後にONにする

これらを行うことで、端末はそれまで接続していた基地局とは別の基地局に接続する場合があります。

基地局に接続する端末が多い場合など、特定の基地局だけが混雑による速度低下を起こしている場合もありますし、機器の不具合や工事のため速度が落ちている場合もあります。

通信の断続によって基地局が切り替われば速度が回復する可能性があります。

ただし、必ずしも切り替わる訳ではないので、1度で回復しない場合にはさらに1~2回繰り返すと回復する場合があります。

端末の電源を一旦切り、数秒後に再起動する

データ通信だけでなく、スマホの動作が全体的に遅い場合には、通信の問題よりも端末の「メモリ(RAM)」不足が考えられます。

多くのアプリを同時に起動していませんか?

使ったアプリを閉じずに、開いたままにしていませんか?

手動で開いているアプリを閉じてもよいですが、一旦端末の電源を切ることでバックグランドで動いているアプリが閉じられメモリがクリアされるため、動作速度が回復する場合があります。

ただし、ここでいう再起動とは「強制再起動」ではなく、単純に一旦電源を切り、再び電源を入れることを指しています。

「強制再起動」は端末に負担をかけるのでできるだけ避けることをおすすめします。

不要なアプリや写真・動画、メールなどを捨てる

端末のストレージ(ROM)の空き領域の減少も動作を遅くする要因です。

撮りためた写真や動画、受信したまま保存されているメールなどが増えすぎてストレージに空き容量がなくなっても動作が遅くなる原因になります。

また、使用しないアプリを大量にインストールしたままにしても同様に端末の動作速度が低下します。

データ容量の大きな写真や動画は気づきやすいですが、1通1通は容量が小さなメールは見過ごしやすいですが、何百通も保存し放しにしているとたかがメールでもストレージを圧迫します。

写真や動画は外部メモリやクラウドサービスに移す、メールや不要なアプリは削除することで動作速度が改善される場合があります。

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まとめ

楽天モバイルの通信速度についてまとめると以下になります。

・楽天モバイルの通信速度の評判は「速い」「遅い」が入り混じっている
・通信速度の「速い」「遅い」は多分に主観的で感覚的なので同じ速度でも感じ方が異なる
・他者がいう「速い」「遅い」は必ずしも自分の感覚にマッチしているとは限らない
・楽天モバイルは1.7GHz(Band3)しか帯域を割り当てられていない
・1.7GHz帯では速度は出やすいが電波の直進性が強く繋がりにくさを持っている
・パートナエリアでローミングするau回線は800MHzのプラチナバンドで速さは出ないが繋がりやすさを持っている
・楽天モバイルは「4×4MIMO」「256QAM」といった技術で速度向上を図っている
・楽天モバイルはキャリアアグリゲーションで速度向上することができない
・楽天モバイルは条件さえ整えば非常に高速な通史速度が計測されている
・「速い」「遅い」の判断にYOUTUBEヘルプの「推奨速度」が参考になる
・速度が遅い場合に端末側に原因がある場合もある
・端末の動作速度の低下を解消する対処法がある

楽天モバイルの通信すべてが遅いわけではなく、実際に100Mbps超の通信速度を計測することもありますが、速度を遅くする要因をいくつも抱えているのも事実です。

そうした速度低下に結びつく要因は徐々に解消される傾向にありますが、Band3以外を使えないなどの根本的な要因は、政府や総務省、業界の協力なしにはなかなか解消できないかもしれません。

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