星谷 仁さんのマイページ

フェレット/一緒に散歩できるイタチ

2008/04/18 22:49

「子犬のように人なつっこく・子猫のように遊び好き」
これが僕がイメージするフェレットのキャッチフレーズ。
個人的にはさらに、
「一緒に散歩ができる小動物」という魅力が加わる。

子供の時に見たディズニー映画(動物実写もの)で少年と遊ぶカワウソに憧れた。また一時期は図鑑で見たオコジョの姿に魅せられたこともあった。

一緒に散歩ができるイタチ(科)……そんなの、いたらいいなぁ……子供の頃はそんな夢想をしたこともあったけれど「野生動物だし、無理だよな……」とあきらめていた。しかし家畜(フェレットは野生動物ではなく家畜)で、そんなイタチが存在したとは。そして、実際に一緒に散歩ができるようになろうとは……なんだか夢のような気がしないでもない。

フェレットを屋外へ連れ出せば感染症や事故などのリスクが増えることは容易に想像できるから、それなりの危機管理は必要になってくる。なので安易にすすめるつもりはないのだが──、

【散歩】には「フェレットと飼い主との間に深い信頼関係を構築する」──そんな効果があるのではないかと僕は考えている。
(「体を鍛え、脳を活性化させる」なんて働きもあるのではないかと考えているが今回はそのことには触れない)

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初代のブランカは当初かなりお転婆で噛み癖もきつかった。僕の腕はいつも傷だらけだったが、フェレットについてあまり知識がなかった当時は傷の痛みよりも「これが【攻撃】的に行われているのか、それとも【遊び】がエスカレートしたものにすぎないのか……そこらへんが気になっていた。
フェレット同士がじゃれあうようなつもりで僕の腕と遊んでいるのなら、まあいい(その程度で裂けて出血するやわな人間の皮膚が悪い?)。しかし、ストレスや恐怖からくる攻撃的色合いがあるとしたら問題だと思ったのだ。

そして「もし、ストレスがあるのなら、広い場所で遊ばせてやればいくらか解消されるかも知れない」などと考え、ある日近所の公園へブランカを連れていった。
広い場所でのびのび遊ぶ姿を想像してのことだったのだが……ブランカは意外にもすぐ僕の懐に飛び込んできては周囲への警戒をあらわにしていた。
これには僕も驚いた。室内ではブランカをじっと「抱っこ」するということは不可能だったからだ。
それが外へ連れ出したとたん、自ら僕の懐に飛び込んでくる「抱っこフェレット」になり、「噛みフェレ」から(僕にはベタベタの)「舐めフェレ」に大変身したのである。

振り返って考えてみると、遊び好きのフェレットにとって室内での「抱っこ」は「拘束」だったのかもしれない。遊びをじゃまされるのをいやがり「抱っこ」を嫌っていた。
ところが勝って知ったる室内から未知の野外へつれてここられたことで、ブランカの内に警戒心や不安が呼び起こされた──そんな状況下で安心できる場所を求めたとき、僕は唯一頼れる存在だと認識され位置づけられることになったのではないかと解釈している。

とはいっても、屋外はただ恐いだけの場所では決してなかったようだ。ブランカは僕のふところを基地に野外でも遊ぶようになった。
野外では警戒心も働くが好奇心もまた刺激されるらしい。【好奇心】と【警戒心】は「イタチがハンターであると同時に他のハンター(より大きな哺乳類や猛禽など)に捕食される存在」であることを示しているのだろう。

ブランカを散歩させていると、僕の肩に乗ったり懐から顔をのぞかせる姿を見た子どもたちから「ピッコロだ!」と言われることがあった。「ピッコロ」というのは、その頃放送されていた『ロミオの青い空』というアニメに登場する、主人公によくなついたオコジョのことだ。白い冬毛で描かれていたので、白いブランカがその動物だと思われたのだろう。子供頃あこがれたオコジョ──その仲間を肩に乗せて散歩できるようになるとは……そう思うと感慨深いものがあった。

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2代目グランジはお迎えした当初からおっとりした性格で、噛み癖はなかったが、やはり散歩で僕との信頼関係は相当深まったと思う。グランジはニューター(虚勢&臭腺除去手術済み)として売られていたのだが、実はノーマル(未手術)だったことが後に判明。当時は「ノーマルは一般家庭で飼うにはふさわしくない」みたいな風潮もあったが、グランジはむしろ友好的で、ブランカよりも社交的だった(ブランカは僕にはベタなれになったが、他人にはキツイところがあったので知らない人との接触には気をつけていた/グランジは初めて出会った子でも抱っこ可だった)。
グランジがおおらかな性格のまま育ったのには、好きな散歩で毎日思いきり遊ぶことができたことも無関係ではなかったかもしれない。
時期によって差はあるが、グランジは日に1〜2km前後、累計2000kmは散歩している(自力移動した距離)。ちなみに日本本土最北端・宗谷岬と最南端・鹿児島県佐多岬との直線距離1890.5kmである。
散歩は通常ノーリード(人のいる場所や遊歩道ではリード散歩)。条件が良ければ、その間一度もタッチせずにコースを誘導することもできた。それだけ深い信頼関係が構築できていたといえる。

リードなしに一緒に散歩できるイタチはフェレ飼いさんからも驚かれることがあったが、僕は【信頼関係という見えないリードでつなかっていてる】と考えていた。

このノーリード散歩。はた目には漫然と歩いていてイタチがつかず離れずついてくるように見えていたようだが、実はそうではない。フェレットをコントロール下におくポジショニングで、コースをカバー・誘導していたというのが本当のところである。

散歩を続けているとグランジが何を考えているか(何に興味を示し次にどんな行動をとろうとするか)判るようになってくる。「こっちへ行かせてはまずいな」と判断するれば、それが阻止できるポジションに早めに入る。グランジの方も僕のポジショニングなどから「これ以上こっちへ行ったら回収されるな」とわかるようで、触れずしてコースを修正できるようにもなった──というわけである。
こうした「以心伝心」である程度フェレットをコントロールできるようになったというのも深い信頼関係を示すものだと考えている。

ただ、放っておけば、好奇心にまかせてどんどん勝手な方へ行ってしまうので、注意は怠れない。
そのくせに、時折振り返っては僕の姿を探したりするのだが。
また、興味が他に向いているときは呼んでも戻ってこないくせに、何かに驚いたりすると、とたんにダッシュで僕のふところに飛び込んできたりする。
「この小さな動物に、信じ・頼り切られているのだなぁ」と実感でき、感慨深いものがあったが……こんな飼い主冥利に尽きる思いができたのも【散歩】あってのことだったろう。

僕の側からすれば、いきいきと散歩するフェレットたちの姿を観察することでこの動物への理解が深まった──という部分も大きい。
だから、【散歩が、飼い主・フェレット双方にとって深い絆を構築する役割を果たした】──僕はそう考えている。

散歩で思う存分遊んだあとのグランジは、帰宅後バリバリ食って爆睡。メリハリの利いた生活ができていたように思う。

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ハンモックで眠っているときに、よく足をピクピク動かしていたが、夢の中でも広い散歩コースを走っていたり、穴堀りをしていたのかもしれない。
この小さな頭の中に広大な散歩コースがひろがっているのかと思うと、散歩につれていってやって良かったという気がする。

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フェレットの散歩については賛否両論あるようだし、僕も安易にすすめるつもりはないが(安全に散歩させるためのノウハウは必要)、散歩によって得られたものは非常に大きかったと考えている。

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フェレット散歩のエピソードは漫画にもなった。

グランジの散歩album-1:四季
グランジの散歩album-2:散歩コース
グランジの散歩album-3:散歩仲間
グランジの散歩album-4:散歩で遭遇
フェレット散歩術/抱っこフェレットの作り方

こちらから【超魔術イタチ】やフェレットの散歩動画が見られます。

ブランカ(ニューター・♀)……1994年12月25日お迎え〜2000年2月27日没
グランジ(ノーマル・♂)………1995年8月2日お迎え〜2002年12月22日没


Binder: フェレット&小動物(日記数:29/全体に公開)
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最新コメント

  • Comment : 1
    太一
    太一さん
     2008/04/19 23:59
    う〜ん、深いですね。

    なかなか犬や猫と違って、一般的に知られている飼い方とは違うから、初めは手探りなんでしょうね。

    でも信頼関係が作られると、仲良くなれる。

    凄く素敵な事です(^^)

  • Comment : 2
    星谷 仁
     2008/04/20 00:59
    太一さん、コメントありがとうございます。

    今はフェレットの飼育書も色々出ていますが、僕が飼い始めた頃はエキゾチックアニマル飼育書の中に何ページがフェレットの飼育法が載っている程度でした。
    一応調べられることは調べて、あとは手探りという感じでしたね。

    フェレットのとる行動・反応について、それが意味するものは何か──想像力を駆使して(?)理解しようとした積み重ねが信頼関係に結びついたのだと思います。
    ときには失敗談もありましたが……上手くいくことも失敗することも……それらを含めて実際に経験することで理解や信頼を深めることができたのだろうと考えています。

    ブランカとグランジは僕にとって貴重な存在でした。

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