住宅ローンは変動金利と固定金利のどっちを選ぶ?金利変動推移・要因動向も解説

「住宅ローンの返済シミュレーションをしてみたが、変動金利型・固定金利型のどちらが自分たちの家計に合っているのか
「変動金利型の住宅ローンは金利が低いけれど、いつ大きく上がるかわからなくて怖い

住宅ローンを組む計画をしているとき、変動金利型・固定金利型のどちらを選ぶべきか、迷っている方は多いのではないでしょうか。

最長で35年間の借り入れになる住宅ローンで将来を予想し、計算することは誰にとっても難しいことです。

今回は、変動型・固定型の違いについてお伝えしたうえで、どのような人が変動型・固定型それぞれに向いているのか、メリット・デメリットなども踏まえ、4月の金利変動の動向や要因も含めて解説します。

住宅ローンの新規借入を検討している方だけでなく、借り換えをするときに金利タイプを変更したいとお考えの方も参考にしてください。

住宅ローンの金利とは?

住宅ローンの金利とは?
住宅ローンには大きく分けて、変動金利型固定金利型があります。

変動金利型住宅ローンとは

変動金利型住宅ローンでは、経済の状況などに応じて金利が変化します。金利の見直しは原則として6ヵ月ごとです。見直しをされた後、金利は借り入れ中の住宅ローンにも反映されます。ただし、元利均等返済であれば5年ルールというものがあるため、実際に返済額が変更されるのは5年後です。また、金利が大幅に上昇した場合、返済額の引き上げは最大で1.25倍までになります。これは125%ルールによるものです。

つまり、月10万円の返済をおこなっている間に金利が1.5%上昇したとしても、返済額は15万にはならず、12万2,500円になります。このとき注意しなければならないのは、返済額が上がらない=利息の返済が免除されている、ということではないということです。どういう仕組みかというと、返済額に占める元本の割合を減らすことで返済金額の上限を保ちつつ、利息は金利の上昇分だけ返済をします。

同じ変動金利型住宅ローンでも、元金均等返済の場合には、常に一定の割合で元金を返済できます。ただし、5年ルール、125%ルールは適用されません。金利の変動があると返済額もすぐに見直しされ、変更された返済額に上限もないため、選択するときには注意しましょう。

固定金利型住宅ローンとは

固定金利型には、全期間固定金利型固定金利期間選択型の2つがあります。

全期間固定金利型住宅ローン

全期間固定型住宅ローンでは、完済まで住宅ローン契約時の金利が続きます。このタイプでは、住宅金融支援機構が提供する【フラット35】が有名です。また、【フラット35S】のように、段階的に金利が変わる商品も住宅ローンの契約時に金利についてすでに取り決められているので、全期間固定型住宅ローンに含まれます。

固定金利期間選択型住宅ローン

固定金利期間選択型住宅ローンは、契約者が期間を選んで金利を固定することが可能です。2年・3年・5年・7年・10年などの期間があります。同じ銀行の同じ商品で比較すると、期間が長い方ほど金利が高くなるのが一般的です。

選択した期間が終了した後は、変動型住宅ローンか固定金利期間選択型住宅ローンのどちらかを選びます。ただし、期間終了後の選択肢は金融機関によって異なりますので、住宅ローンの契約前に期間終了後のことも含めて比較検討をしましょう。
期間終了後の金利については、新たに選択した時点のものが適用されます。固定金利期間選択型住宅ローンでは、最初に選択した期間の終了時点で金利が大きく上昇していると、返済額が急に増えてしまうことに注意が必要です。

変動型のメリット・デメリット

変動金利型住宅ローンを選ぶメリット

  • 変動金利型住宅ローンは、固定金利型住宅ローンに比べて一般的に金利が低く設定されている
  • 変動金利型住宅ローンでは、契約時よりも金利が下がれば、返済額もそれに伴って下がる 

変動金利型住宅ローンを選ぶデメリット

  • 変動金利型住宅ローンでは、金利が上がると返済額も上がり、長期的な家計の計算が難しくなる
  • 元利均等返済では、125%ルールが適用され、金利が上昇しても返済額の上昇は最大1.25倍だが、その分、元金の返済が減るため、結果として返済期間が延びる
  • 元金均等返済の場合は、返済額が急に上がるリスクがある

変動金利型住宅ローンは資金にある程度余裕があり、将来的に金利が上昇しても対応できる人に向いています。また、現在のように低金利が続いている状況では、高い金利のときに住宅ローンを契約した人や、住宅ローン残高の少ない人の借り換えにも向いているといえるでしょう。

変動金利型住宅ローンは、金利の上昇というリスクはありますが、固定金利型住宅ローンに比べて低い金利に設定されていることは大きな魅力です。現在、変動金利が徐々に下がっていることもあり、変動金利型住宅ローンの人気は高まりつつあります。住宅金融支援機構が2020年11月に調査したところ、変動金利型住宅ローンを選択した人は6割強という結果でした。

固定型のメリット・デメリット

全期間固定金利型住宅ローンのメリット

  • 全期間固定金利型住宅ローンは、住宅ローン契約時に月々の返済額が確定するため、完済までの家計の計算がしやすい
  • 低金利の時期に全期間固定金利型住宅ローンを契約した場合、低金利の恩恵を住宅ローン完済まで受けられる

全期間固定金利型住宅ローンのデメリット

  • 全期間固定金利型住宅ローンは、変動金利型住宅ローンや固定金利期間選択型住宅ローンと比較して金利が高く設定されている
  • 全期間固定金利型住宅ローンでは、契約後に金利が下がっても変動金利型住宅ローンのような恩恵は受けられない

全期間固定金利型住宅ローンは月々の返済額が決まっていることから、変動金利型住宅ローンや固定金利期間選択型住宅ローンに比べて完済までの資金計画が立てやすくなっています。そのため、今後学費など住宅ローン以外の大きな出費の予定があり、リスクを抑えて貯蓄や支払いを計画的におこないたい人に向いているといえるでしょう。

固定金利期間選択型住宅ローンのメリット

  • 固定金利期間選択型住宅ローンは、変動金利型住宅ローンよりは金利が高いが、全期間固定金利型住宅ローンより低い金利が設定されている
  • ライフプランに合わせて固定金利期間選択型住宅ローンの期間を選ぶことで、将来の資金計画が立てやすくなる
  • 固定金利期間選択型住宅ローンでは、選択した期間終了時に金利が下がっていた場合には、返済額が下がる

固定金利期間選択型住宅ローンのデメリット

  • 固定金利期間選択型住宅ローンは、変動金利型住宅ローンと比較すると金利が高く設定されている
  • 固定金利期間選択型住宅ローンの契約時点では、選択した期間終了後の金利が上昇するか低下するかはわからないため、返済の見通しが立てにくい
  • 固定金利期間選択型住宅ローンで選択した期間の終了時に金利が上昇していると返済額も上がるリスクがある

固定金利期間選択型住宅ローンは、例えば「5年後に子どもが大学を卒業する」「10年後に定年退職する」など、大きなライフイベントに合わせて期間を選択するとよりメリットを活かすことができます。ただし、選択した期間の終了時に金利が大幅に上昇していても変動金利型住宅ローンに適用される125%ルールのようなものはないので注意してください。

現在、10年固定であれば借り換え用住宅ローンでも金利水準がかなり低いので、リスクを抑えつつ金利の低い住宅ローンへの借り換えが可能です。借り換えを検討中で残りの借入期間が長い人は、借り換えた場合の返済について一度シミュレーションしてみるといいでしょう。

変動金利型住宅ローンの最新動向と要因

変動金利型住宅ローンの最新動向と要因
変動金利型住宅ローンを中心に最新の動向(2021年4月)をチェックしていきましょう。

変動金利は、4月も過去最低クラスの低金利を維持しています。ほとんどの金融機関が横ばいでしたが、みずほ銀行が変動金利を0.15ポイントと大きく引き下げました。人気の商品を見ると、住信SBIネット銀行が変動金利0.44%、新生銀行が変動金利0.45%、イオン銀行が変動金利0.52%となっています。

メガバンクはネット専用商品の金利を引き下げており、三菱UFJ銀行のネット専用変動金利型が0.475%、三井住友銀行のネット専用変動金利型も0.475%です。メガバンクはこのように、これまで主流だった保証料型ではなく、融資手数料型のネット専用商品を導入することで適用金利を下げるところが増えています。

次に主要地銀についてみると、横浜銀行が変動金利0.44%、大垣共立銀行が変動金利0.625% 、静岡銀行が変動金利0.625%です。

変動金利型住宅ローンの適用金利だけを見るとランキングではPAYPAY銀行が0.38%と首位でしたが、市街化調整区域不可・自営業不可など、対象が絞られているので注意しましょう。

新しい試みをはじめたのは、auじぶん銀行で変動金利0.41%ですが、auの家族プランに加入するなどの条件を満たすと0.1%差し引かれ、変動金利の過去最安値になります。

固定金利期間選択型住宅ローンは、わずかですが期間10年などの商品が引き上げの傾向にあります。そのような中、みずほ銀行は変動金利と同じく引き下げて0.65%です。なお、引き上げ傾向ではありましたが、期間10年、また5年などについても引き続き過去最低クラスの低金利であることには変わりありません。

全期間固定金利型住宅ローンについては、金融機関によって引き上げ、引き下げの対応がわかれました。しかし、どちらも変化はわずかです。フラット35については1.37%で3月から0.02ポイント引き上げられる結果となっています。

金利が変動する要因はひとつではありません。国内の景気や物価だけでなく、為替レートや海外の金利なども影響します。

現在、新型コロナウィルス感染症の感染拡大を受けた金融緩和政策が各国でおこなわれる中、ゼロ金利の維持などによって米国の長期金利や株価は上昇基調です。それに伴い、国内の市場金利は2月に急上昇したものの、もっとも金利に影響する日銀の金融政策について、3月下旬の政策点検で重大な発表がなかったことなどを受けて、金利の上昇が収束しました。結果として、変動金利をはじめ各金利に大きな変動がなかったと考えられます。

総合的に見ると、当面は現在の変動金利など低い水準が続くのではないでしょうか。しかし、今後、新型コロナウィルス感染症が終息し、景気回復が進むと変動金利などが上昇する可能性もあり、特に変動金利型住宅ローンの利用を検討している方は注視が必要です。

まとめ

住宅ローンは借入額が大きく借入期間も長いため、変動金利・固定金利のどちらを選ぶかは重要な問題です。適切な住宅ローン金利タイプを選ぶためにはまず、ご自身の今後の資金計画をしっかりと立てましょう。そのうえで、変動金利・固定金利のメリット、デメリットを理解し、ご自身のライフプランに合った住宅ローンを選んでください。