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Re: 枯渇資源としてのリン

差出人: nさん "pingoo"<pingoo…>
送信日時 2004/05/10 00:54
ML.NO [medicalscience:1560]
本文:

谷津さん

在原です。

農業そのものの問題もありますが、
現行の農業の問題は、石油とマネーの文明に
農業がとりこまれたことにより生じた部分がより大きいと思います。
(マネー経済の効率が、物質循環よりも優先された時代です。
 金融業から農業は
 化学肥料、農薬という産業の顧客としてしか見られていなかった
 という側面もあります。
 この延長として、遺伝子工学産業の顧客開拓の側面だけで
 遺伝子組換え作物の導入圧力があっただろうことは、
 完全には否定できません。)

その一つ大きなものとして、谷津さんの指摘の中にもあった、
下水道の問題があります。
 「都市生活、下水道事業の効率性から下水道が設計、整備され、
  人の排泄物と工業化学製品の廃棄物質が一緒に処理されてしまった。」
ことがあると思います。

農作物に取り込まれたリンは、
人が食べる部分のものは、多くは人の排泄物に含まれて排泄されますね。(A)
(何%ぐらいでしょうか?
 農作物の食用部分率×(1−人のリン回収率)は。

それ以外は、家畜の食べるわらなどになり、家畜の排泄物に含まれます。(B)
燃料として使われたものは、灰の中にリン成分が残ります。(C)
これらを回収して、炭素、水素分を飛ばせば窒素、リンが残り、
これを畑に戻せば、窒素、リンを循環させながら、食物やエネルギーを
利用することができるわけです。

(A)の回収のために、生ゴミ、糞尿の回収ルートを現状の下水道と
分別することが必要と思います。
(B)(C)は農産地で発生しますから、バイオプラントなどでメタンや水素を
取り出した後、残りの無機成分(液肥など)を農地へ還元してやれば
いいでしょう。
炭素、水素分を取り出すことは、エネルギー回収と同時に、
肥料を最適C/N比にする目的もあります。
(高分子の)C成分が多いと土壌が腐りやすいという弊害がありますので。

機械農業は、農業に早くから利用されましたが、
生化学、制御工学などは利用が進んでいませんでした。
農業はローテクという先入観と、日本の輸出向け工業の大量生産による
利益効率性にかなわなかったため、工業分野の優秀な人が集まらなかったこと、
などが原因でした。
(農協人事採用の閉鎖性などもあったかどうかはわかりません。)
今後は、ハイテクが農業の場にも適用されていくでしょう。
石油を消費して動力を得るためではなく、効率的な物質循環を促進するために。

これが、大量の天然肥料、堆肥に相当する効果をもつことになるはずです。
勿論、農地の周辺にクヌギ、コナラなど落葉広葉樹の雑木林を作り、
落葉の堆肥を利用するようなことも行われるべきです。
江戸時代はこれらの林の植林が幕府により奨励されていたと聞いています。

P.S.
 医学においても、同様な問題があるでしょうか。
 さしつかえなければ、お伺いできればと思います。

----- Original Message -----
From: "Yusuke Yatsu" <page-one@…>
To: <medicalscience@…>
Sent: Sunday, May 09, 2004 6:09 PM
Subject: [medicalscience:1559] Re: 枯渇資源としてのリン


> 皆さんこんにちは。ご無沙汰しております。
> 谷津@管理人です。
>
> 古い記事へのレスで恐縮です。
>
> > > 最近気になったニュースをご紹介いたします。
> > > 先日三菱電機の広告に、リンのリサイクル技術を
> > > 開発中とありました。資源としてのリンは
> > > あと30年〜40年で枯渇してしまう可能性が
> > > あるそうです。
> >
> >  元素だから、原油みたいに無くなる?と言う事は無いと思うのですが、「生物

> 利
> > 用出来るリンが枯渇する」という意味でしょうか?
>
> 化成肥料として利用可能なリン(リン鉱石等)が枯渇する、という意味です。
> 生物が利用できるリンは、生態系が本来の状態を保っていれば
> 枯渇することはないかと思いますが、農地という不自然な環境を
> 維持するためには不足するリンを土壌に補給する必要があります。
>
> 化成肥料を用いない場合、高リン含有率の肥料を用いる必要が
> あるかと思いますが、そのような肥料としては動物性の肥料
> (骨粉や鶏糞など)が挙げられます。
>
> ただ、天然の肥料は農地1屬△燭蝪械娃娃臘度散布する
> 必要があります。私の住んでいる埼玉県を例にすると、
> 県内農地面積が約898平方km。仮に全部が同量の
> 肥料を必要とする農地だとすると、県内で必要となる
> 堆肥量は約27万トン。膨大な量です。
>
> ちなみに肥料とは別に、土作りの為に必要な堆肥は
> 1屬△燭蝪kg必要です。埼玉県全体では約90万トンが
> 必要となります。47都道府県が仮に埼玉県と同量の
> 堆肥を必要とすると、4,230万トン。世界のアルミ消費量が
> 年間2,500万トンらしいですから、日本の農業を完全に
> 有機栽培にするのはどれほど大変かが実感できるかと
> 思います。(個人でやる家庭菜園レベルなら容易)
>
> これを毎年毎年行うとなると、天然の肥料と堆肥の
> 調達が非常に困難であることが想像できるかと思います。
> しかし、化成肥料に頼っていては土中の養分バランスや
> 生態系が乱れ、次第に生産量が低下するばかりか
> やがては荒廃した土地に、究極的には砂漠を生む
> ことになるのも事実です。
>
> 今後の農業に必要なポイントは以下の3点でしょう。
>
> 1.化成肥料の使用量を減らし、天然のものの使用量を増加
> 2.天然肥料と堆肥の安定した大量供給方法の確立
>   (例:廃材や生ゴミ、下水を微生物分解により堆肥化)
> 3.上記2つを可能とする行政及び経済の整備
>
> 以上、長文となりましたので今回はこの辺で終わりに
> したいと思います。
>
> −−
> 谷津 裕介

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