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Re:うつ病の電気ショック療法の作用機構

差出人: さん
送信日時 2004/05/14 17:14
ML.NO [medicalscience:1587]
本文:

> ところでどうして脳が痙攣に類似した状態になると
> セロトニンを分泌するのか、そこまでは分かりませんでした。
> どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら
> フォローをお願いいたします。

私は、医者ではないですが、神経科学の世界にいる者としてコメントしてみます。

脳の中で神経細胞同士はシナプスを介して複雑なネットワークを形成しています。
ローカルなネットワーク同士がまた相互に連絡しあって脳ができています。
そういったところにあたりかまわず強い電気刺激が入れば、
いろんな神経細胞が興奮し、その興奮が伝播してついには脳全体が興奮状態になりま
す。
興奮する細胞の中にはセロトニンを分泌する細胞も当然あるでしょうから、
うつにセロトニン放出が重要なのであれば治療法になるということですかね。
(電気刺激で直接か、あるいは細胞体の興奮が伝わったりしてシナプス前末端が興奮
する(脱分極する、膜電位があがる)と、
(電位依存性カルシウムチャネルの開口に伴って)細胞内にカルシウムが流入し、
(セロトニンを蓄えている)小胞のエキソサイトーシスが誘発されて、セロトニンが
細胞外に放出されます。)

電気ショック療法は、セロトニン・トランスポーター阻害薬を飲むことよりもかなり
非特異的な効果を与えると思いますが、
その薬では神経を刺激してセロトニンを多く放出させるという効果がない。
セロトニンを分泌する神経細胞自体が何らかの理由であまり活動していないような状
況では、
その細胞が直接刺激されると言う点で電気ショックのほうが有利ということになるで
しょう。
実際、薬が効かないような重症の患者さんには適用されていてかなりの効果があるそ
うです。
ただ、微弱な電気刺激ではなくて、
(痙攣が生じないように)全身麻酔下で筋弛緩剤を投与してから結構強い刺激を与え
るものだそうです。

実際のところ電気ショック療法の作用機序が完全にわかっているわけではないでしょ
うし、
うつ病がセロトニンだけで単純に説明できるものばかりとも思えませんが。

山下 貴之

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