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人工赤血球による脳卒中等の治療

投稿者: さん  2004/05/16 17:35  MLNo.1590   [メール表示]

皆さんこんにちは。谷津@管理人です。

まずは竹中@札幌さん、参考書をお教えいただき
ありがとうございました。興味のある分野ですので、
さっそく書店でチェックしてみたいと思います。
読み終わったら感想等を流そうかと思います。

さて、今回は産学共同関連のニュースということで、
東海大とテルモが開発した新技術について投稿いたします。
テルモといえば医療機器等で有名な企業ですね。
そのテルモが医療関連の研究をするのは極々自然な感じですが、
今後は思わぬ企業が思わぬ形で行っている医療や
環境関連の研究を取り上げられたらと思います。

****************

東海大医学部の川口章助教授とテルモの研究グループは、
人工赤血球を脳梗塞などの治療に利用する新手法を
開発した。

人工赤血球は血液の代替用に研究されているが、
今回は三大成人病の治療を視野に入れて研究された。

人工赤血球はヘモグロビンを脂質の膜で覆った
直径200nmほどの球体で、大きさが赤血球の25分の1程度。
そのため梗塞などで狭くなった血管のわずかなすき間も
通り抜け、酸素を届けやすい。

人工的に脳梗塞状態にしたネズミを用いた実験で、
体重の1%相当の人工赤血球を投与。1日後に脳にむくみが
できる浮腫の発生量が非投与の個体に比べ約4割少なかった。
これはより多くの酸素を供給できたためと見られる。

また心筋梗塞についても、ネズミの動脈をふさいで人工赤血球を
投与、しばらくして動脈を元に戻す実験をした。非投与の場合
心臓が送り出す血液量はふさぐ前の65%程度にしか回復
しなかったが、投与した場合は90%程度まで回復。
梗塞中に人工赤血球が酸素を多く運ぶことで、
心筋を保護していたためと思われる。

また、がんの放射線治療はがん細胞が酸素を多く含むほど
効果が期待できるため、この人工赤血球を利用することで
放射線治療の効果を高めることが期待される。

****************

谷津裕介
page-one@…




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  • MLNo.1591   Junさん  (1) 2004/05/16 18:05  [メール表示する]
    谷津さん、皆さん、
    JUNです。

    人工赤血球の話題が出たので、
    ◎http://www.waseda.ac.jp/projects/artifblood/top%20page.htm
    (人工血液プロジェクト)
    こちらは、基礎研究は30年前から始めてます。
    確かこちらは、二プロが関与していたと思いますが・・・?

    テルモ(?)だったと思いますが、以前は代替赤血球として、
    フロロカーボンの開発をしていたように記憶してますが・・・?

    当初は、肝炎(・AIDS)等の感染予防で輸血の代替としての
    開発でしたが、最近では脳梗塞の急性期の治療での治験を考えて
    いるのは最近知りました。
    急性期の脳のダメージ部分が減り、後遺症が軽減されるように
    なればすばらしいことだと思います。



  • MLNo.1592   さん  (0) 2004/05/16 22:27  [メール表示する]
    谷津@管理人です。

    JUNさん、さっそく情報を頂きまして
    ありがとうございました。

    > 人工赤血球の話題が出たので、
    > ◎http://www.waseda.ac.jp/projects/artifblood/top%20page.htm
    > (人工血液プロジェクト)
    > こちらは、基礎研究は30年前から始めてます。
    > 確かこちらは、二プロが関与していたと思いますが・・・?

    ご紹介頂いたページを拝見いたしましたが
    すごい研究をしていますね。ヘモグロビンを全く使わない
    リピドヘムが、ヘモグロビンと同程度の酸素輸送能を
    有すること、そしてそれを用いた完全合成型の
    酸素輸液アルブミン−ヘムは粒子サイズが直径8nmと、
    先程ご紹介した人工赤血球の25分の1ということに驚きました。
    http://www.waseda.ac.jp/projects/artifblood/albumin%20heme.htm

    この研究の他に上記ニプロと早大のチームは
    ご紹介したものと同様の人工赤血球(ヘモグロビン小胞体)の
    研究もしているようですが、この人工赤血球は酸素運搬の
    役目を終えると肝臓、脾臓、骨髄などRESのマクロファージに
    捕捉され徐々に代謝されることが、ラジオアイソトープ法による
    体内動態観察から明らかになっているようですね。
    http://www.waseda.ac.jp/projects/artifblood/oxygen%20Hbvesicle.htm
    ヘモグロビン小胞体は7日以内に、代謝産物である鉄や
    脂質類は14日以内に消失するそうです。

    ところでアルブミン−ヘムとヘモグロビン小胞体はどのように
    使い分けるのでしょうか。多くの機能を持たせるのであれば
    後者でしょうし、その点に関しては上記HPにも以下のような
    記述があります。

    >溶液状態でも一年間以上の室温保存が保証されるようになりました。
    >簡単に粘度/膠質浸透圧/酸素親和度/体内滞留時間が調節できることも、
    >細胞型ヘモグロビン小胞体の特徴です。

    また適切な粒径を有することで、血管外への漏出を防止でき、
    血中滞留時間を長くすることができ、さらに血管内皮弛緩因子である
    NOやCO捕捉をしないので、血圧亢進などの副作用を惹起しないようです。
    約14日間というのがヘモグロビン小胞体の存在期間ですので、
    アルブミン−ヘムはもっと短いものなのでしょう。

    そういった観点から、アルブミン−ヘムはがんの放射線治療など
    一時的に作用があれば足りる場合に使用し、ヘモグロビン小胞体は
    長期間(少なくとも1週間)作用させる必要があるような場面で
    用いることが想像されます。

    > 急性期の脳のダメージ部分が減り、後遺症が軽減されるように
    > なればすばらしいことだと思います。

    私は最近このような研究が進んでいることを知りました。
    本当につい最近です。これからも色んな方面に情報網をはりつつ、
    さらに有用な研究をご紹介していけたらと思います。

    皆様におかれましても、何か面白い情報がございましたら、
    些細なことでも大歓迎ですのでMLに投稿して頂けたらと思います。

    それではまた。(^^)

    −−
    谷津裕介
    page-one@…


  • MLNo.1593   さん  (0) 2004/05/17 21:19  [メール表示する]
    皆さんこんばんは。谷津@管理人です。

    今回は自分の投稿に関する追加情報ということで、
    関連したテルモの特許文献をご紹介いたします。

    先日自己紹介した通り、現在私は特許事務所に
    特許翻訳者として勤務をしております。

    そこでは特許関連を中心とした各種翻訳の他、
    海外特許担当者として海外出願の中間処理
    (オフィスアクションへの対応等)などもしております。

    仕事量で考えると、ぶっちゃけ翻訳と中間処理は
    50:50くらいになってます。半分は特許屋してます。

    そのため特許調査は日常的に行っておりまして、
    今回私がご紹介した東海大とテルモの研究に関連する
    特許文献はないものかとWeb検索したところ、
    日本の公開特許広報(まだ特許になる前のもので、
    特許になった特許広報より最新度では上)を
    発見いたしました。URLをメールに載せてそこから
    たどって行ってもエラーになってしまいますので、
    特許請求の範囲とその他タイトル等だけを
    ご参考までに転記します。

    ちなみに特許庁HPの以下の場所から検索できます。
    http://www7.ipdl.jpo.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108

    下記の【特許請求の範囲】の【請求項6】が前回ご紹介した
    内容に相当する発明です。

    *****************

    (19)【発行国】日本国特許庁(JP)
    (12)【公報種別】公開特許公報(A)
    (11)【公開番号】特開2002−161047(P2002−161047A)
    (43)【公開日】平成14年6月4日(2002.6.4)
    (54)【発明の名称】ヘモグロビン溶液およびヘモグロビン含有リポソーム
    【請求項の数】6
    (21)【出願番号】特願2000−361082(P2000−361082)
    (22)【出願日】平成12年11月28日(2000.11.28)
    (71)【出願人】
    【氏名又は名称】テルモ株式会社

    (57)【要約】

    【課題】ウイルス感染リスクが低減され、安全性が高く、
    かつヘモグロビンのメト化進行の抑制作用を有し、
    人工赤血球 および人工酸素運搬体として有用な
    ヘモグロビン溶液およびヘモグロビン含有リポソームの提供。
    【解決手段】ウイルス除去処理されたストローマフリーヘモグロビン溶液と、
    (A)酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)および/または
    還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)と、(B)イノシン、
    イノシン酸、グアノシンおよびリボース-1- リン酸からなる群より選ばれる
    少なくとも1つとからなるヘモグロビン溶液。

    【特許請求の範囲】

    【請求項1】分子量150kD以上の成分が除去された
    赤血球 由来のストローマフリーヘモグロビン溶液と、
    (A)酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)
    および/または還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
    (NADH)と、(B)イノシン、イノシン酸、グアノシンおよび
    リボース-1- リン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つとからなる
    ヘモグロビン溶液。

    【請求項2】分子量150kD以上の成分が除去された赤血球
    由来のストローマフリーヘモグロビン溶液と、(A)酸化型ニコチン
    アミドアデニンジヌクレオチド(NAD)および/または還元型
    ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)と、
    (B’)リボース-1- リン酸または代謝系で最終的に
    リボース-1- リン酸となりうる物質からなる群より選ばれる
    少なくとも1つとからなるヘモグロビン溶液。

    【請求項3】前記ストローマフリーヘモグロビン溶液は、
    分子量15万以上の解糖系酵素を実質的に含まない
    請求項1または2に記載のヘモグロビン溶液。

    【請求項4】前記ヘモグロビン溶液がヘモグロビンを
    30〜60重量%の濃度で含有する請求項1〜3の
    いずれかに記載のヘモグロビン溶液。

    【請求項5】前記ヘモグロビン溶液のpHが7.0〜8.5である
    請求項1〜4のいずれかに記載のヘモグロビン溶液。

    【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のヘモグロビン溶液が
    リポソームに内包されてなるヘモグロビン含有リポソーム。

    ********************

    この他に関連外国出願を米国と欧州について調査いたしましたが、
    今のところは発見することができませんでした。

    テルモくらいの規模の企業だと、この日本の出願をベースに
    さらに進んだ内容の海外出願をしているでしょうから、
    恐らくまだサーチエンジンの方でWeb公開できる状態に
    なっていないのだと思います。出願が2000年ということから
    考えて、もっと進んだ内容の出願がされていることでしょう。
    (いくつかの国内出願を併合して出願にした可能性もあり)

    外国出願もやがて時期がきたら検索可能な状態に
    なるでしょうから、その時はまたMLに流してみたいと思います。

    とりあえずテルモ側の、産業サイドからの情報(特許文献)は
    上記のとおりですが、東海大学側の、アカデミックサイドからの
    情報(学術論文)はどうなってるんでしょう?PubMedで
    調べてみましたが見つかりませんでした・・・。(検索下手)

    −−
    谷津裕介
    page-one@…



  • MLNo.1594   きよのりさん  (0) 2004/05/18 23:55  [メール表示する]
    なかお@副管理人 です

    こんにちは、最近様々な話題で情報根管がなされておりますが、ここで少し皆
    さんに質問が...
    結構前(1年前?)に
    「素人でもわかりやすい、バイオ関係の本がないか?」
    という投稿をしたさい、かなりおおくのレスを頂きました。
    その節はありがとうございました。

    今回も参考書の相談です。

    最近僕の周りの人に
    「(英語)論文を書くときに参考になる本は何かないか?」
    という相談をよくうけます。 
    そういったたぐいの本を使用したご経験のある方
     1.使用した参考書の名前
     2.その参考書の長所と短所
     3.おすすめ度(5段階評価で 1←(低い)おすすめ度(高い)→5 )

    で、ご教授頂けないでしょうか?
    おそらく、これから論文を書くことになる人々にも参考になると思います。
    もちろん、バイオ系に絡む方がよいのかもしれませんが、
    せっかくですので、文人系・理科系 にかぎらず、使用したご経験のある方な
    らどなたでも結構です、
    情報をおまちしています。

  • MLNo.1595   さん  (0) 2004/05/19 00:25  [メール表示する]
    谷津@管理人です。

    最近私は投稿しすぎな感じで恐縮ですが、
    専門の英語の話題ですのでついつい。
    とりあえずは短めに・・・。

    1.使用した参考書の名前
     崎村耕治『英語で論理的に表現する』(創元社)
     
     学部時代、卒論を英語で書いたときに参考にしました。
     今も時折参考にしております。また、私が個人的に
     英語を教えている大学生にも同書を薦めています。

    2.その参考書の長所と短所
     長所は話を論理的に展開する際重宝する表現を
     取り上げてくれていること。短所はけっこうな文量と
     値段が高い(2300円)こと。そして飽きやすいこと。

    3.おすすめ度(5段階評価で 1←(低い)おすすめ度(高い)→5 )
     4といったところでしょうか。5は参考書ではなく、
     英語の文芸書が数冊といったところですが、論文などとは
     無関係になってしまいますね・・・。(^^;)

    −−
    谷津裕介
    page-one@…


  • MLNo.1597   Junさん  (1) 2004/05/19 13:16  [メール表示する]
    谷津さん、
    JUNです。

    > 外国出願もやがて時期がきたら検索可能な状態に
    > なるでしょうから、その時はまたMLに流してみたいと思います。
    確かに、ESOのサイトでも「Terumo」「red blood cell」で検索しても、
    ・JP2001252350
    のみのHitでpatent familyでの他国での記載はないようですね・・・?
    しかし、「Terumo」「liposome」では45件Hitしますね!
    その中で詳細に見てませんが、関連するのは
    ・US2003211142(JP2001055343 A)
    ・WO03015753(JP20010248454)
    あたりでしょうか・・・?

    > とりあえずテルモ側の、産業サイドからの情報(特許文献)は
    > 上記のとおりですが、東海大学側の、アカデミックサイドからの
    > 情報(学術論文)はどうなってるんでしょう?PubMedで
    > 調べてみましたが見つかりませんでした・・・。(検索下手)
    確かに、PubMedで、「テルモ」の文献は5件Hitします(いずれも
    '97-98)が東海大は
    Paperは未だなのでしょうかね・・・?
    ⇒学会発表はあるのでしょうが・・・?
    ◎http://www.hokuyu-aoth.org/11jbs/index.html
    (第11回日本血液代替物学会年次大会)
    この学会で発表するのかあるいは過去のAbst.を調べればあるのかも
    しれませんが・・・?

    因みに「川口助教授」は「心臓血管移植外科」なのですね・・・?



  • MLNo.1598   Junさん  (1) 2004/05/19 13:24  [メール表示する]
    谷津さん、
    JUNです。

    追加情報です。

    http://www.id.yamagata-u.ac.jp/O2/6-7.pdf
    (リポゾーム封入ヘモグロビン:第6回酸素ダイナミクス研究会、’01)

    「ネオレッドセル(NRC)」と命名しているようですね?



  • MLNo.1599   さん  (0) 2004/05/19 21:52  [メール表示する]
    JUNさん、みなさんこんばんは。
    谷津@管理人です。

    ご紹介していただいた外国の公開公報
    (米国公開公報2003/211142)を私も検索
    いたしましたが、これらはリポソーム関連特許とはいえ
    あくまで薬物を封入するタイプであり、残念ながら
    ヘモグロビンを封入した今回の件とはやはり異なるものですね。
    しかし恐らく同じリポソーム関連ということで、特許審査の
    段階では参考文献として審査官に参照される
    可能性はあるでしょう。

    テルモの人工赤血球はネオレッドセル(NRC)としてすでに
    製品化されてるんですね。ご紹介頂いたpdfの資料は
    まさに今回の件そのものでした。

    その資料の1ページ目に、代替赤血球として以外の用途として
    (4)創傷治癒促進、(5)毒物キレート剤
    という2つの用途が挙げられていますが、人工赤血球は
    どのようにしてそれらの効果を奏するのでしょうか。

    (4)に関しては、高酸素濃度化では骨折の治りが早いとか
    (かのベッ●ムなんかはこれで骨折をすぐに治しました)
    言われていますが、実際の作用機構はどのようなものでしょうか。

    (5)はNRC中の鉄を用いるのであろうと想像できます。

    −−
    谷津裕介
    page-one@…


  • MLNo.1601   さん  (0) 2004/05/20 22:35  [メール表示する]
    連続投稿恐縮です。谷津@管理人です。

    表題の件に関しまして、少し気になったことが
    ありましたので、もう一度失礼させていただきます。

    > その資料の1ページ目に、代替赤血球として以外の用途として
    > (4)創傷治癒促進、(5)毒物キレート剤
    > という2つの用途が挙げられていますが、人工赤血球は
    > どのようにしてそれらの効果を奏するのでしょうか。
    >
    > (5)はNRC中の鉄を用いるのであろうと想像できます。

    上記仮定はポルフィリン環に配位しているFeが
    脱落しないと仮定して、Feが他の、Feと錯体形成する毒物を
    ポルフィリン環に配位した状態のまま捉えることで
    キレート作用をすると考えてのことです。

    しかしもしFeが生理条件下で脱落できるのであれば、
    ポルフィリン環を用いて他の金属含有毒物(FeやMgなど)を
    キレートすることが可能なのではないか、とも思いました。

    この辺の化学的なことは詳しくないので、予想される
    作用機構についてどなたかのフォローを頂けたら幸いです。

    化学のバックを持っている方も当MLには
    大勢いらっしゃるでしょうから・・・。
    (あくまで他力本願、笑)

    −−
    谷津裕介
    page-one@…

    P.S.台風が徐々に関東に接近しつつあります。
    明日の出勤時間が一番ひどい状況だそうです。
    反対に関西方面は、明日は台風一過の青空だそうです。
    いいなぁ〜。

    台風の影響を受ける地域の方々はくれぐれも
    お気をつけ下さい。



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