イラク戦争に関する世界情勢のニュース

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シスタニの宗教令(ファトワ)をめぐる騒動

差出人: 山本史郎さん
送信日時 2008/05/27 14:39
ML.NO [URUK_NEWS:1882]
本文:

URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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2008/05/27 (火)

  [飛耳長目録 todays news list]

☆シスタニの宗教令(ファトワ)をめぐる騒動
☆ブッシュと距離を置くマケインの近況
☆イラクをめぐる最新ニュース 2008/05/27
 ・イラク再建の費用負担は誰が? イラクそれともアメリカ 
 ・イラク特措法、延長せず 与党調整、空自撤収議論へ
 ・米国、イランとアラブ諸国がイラク問題で会合


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☆★シスタニの宗教令(ファトワ)をめぐる騒動
イラク情勢ニュース 速報&コメント 5月27日 
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 今月23日、一部のメディアで、占領軍に対するジハードを宣言する非公開の
ファトワ(宗教令)をシスタニが出したと報道された。

 例えば、<Iraqi Cleric Flirting With Shiite Militant Message>。
 http://www.informationclearinghouse.info/article19976.htm

 それは「5月23日、バグダッド(AP発) −− イラクで最も影響力のある
シーア派の聖職者(シスタニ)が、アメリカの率いる外国軍隊への武装レジスタ
ンスは許されると述べる宗教令を出した」という内容である。もっとも、「シス
タニのファトワはライバルであるサドルとマフディ軍に対抗して、米軍に反対す
る姿勢を強めようということか」と説明しつつも、そのすぐあとに、「しかしサ
ドルの反米姿勢とは違って、このイラン生まれのシスタニはシーア派の支配する
マリキ政府を脅かすいかなる要素にも特別の注意を払うよう指示してきた」とい
う注釈を付けていた。

 また、このシスタニのファトワなるものが一部の側近にのみ示されたものだと
か、取材に応じたシスタニの側近は「微妙な問題」という理由でコメントを拒否
したことなども伝え、慎重に読めば、事実としては十分にいかがわしいものであ
ることが暗にほのめかされていた。

 そして同日中に、シスタニ事務所と親しいカルバラの聖職者が「シスタニはフ
ァトワを出してない」と語ったというニュースが流れた。Voices of Iraq(イラ
クの声)も、<Sistani does not issue fatwa allowing armed resistance
against foreign troops in Iraq-source
>というタイトルの記事を伝えた。

 http://66.111.34.180/look/english/article.tpl?IdLanguage=1&IdPublication=4&NrArticle=80157&NrIssue=2&NrSection=1

 その記事では、「外国軍隊をイラクから追い出すために武器を取ることを許す
というファトワが、シーア派聖職者シスタニから発せられたという報道は、根拠
のないものである」という、カルバラの聖職者の発言が引用された。

 またシスタニ自身によっても、同日のうちに「ニセのファトワだ」として、当
初の報道を否定する発表がおこなわれた。

 http://iraqalaan.com/bm/Politics/2258.shtml

 そして前日にシスタニと会見した(実はシスタニの息子の会見)マリキ首相も
、シスタニのファトワを否定する声明を出したわけだが、それはまたそれで面白
い。彼がいうには、シスタニは武装勢力に対するイラク政府の軍事作戦を支持し
たというのだ。そしてサドルの精神的指導者と目される人物(イラン在住)が、
このマリキ首相の声明に対して、それはウソだと反論した。

 どうやら、「シスタニのファトワ」をめぐる騒動は、マリキ首相とサドル派と
のあいだの抗争が武力衝突だけでなく、シスタニを味方につけようという圧力合
戦としても展開されているように見受けられる。

 その後も、「シスタニのファトワ」騒動をめぐって、シスタニの信用に疑問が
あるという見解が報道されたりしているが、これはどうやら、シスタニに袖にさ
れたサドル側がシスタニに泥を被せようとしているように見える。またサドル側
だけでなく、イラク南部のバスラで地方レベルの勢力を張ってきたファディラ党
も、シスタニの評判を落とす作戦に出ているという。

New strategy: Creating doubts in Sistani’s credibility
http://www.roadstoiraq.com/2008/05/25/new-strategy-creating-doubts-in-sistanis-credibility/

 しかし、その醜い抗争のおかげで、シーア派の聖地カルバラに「復興センター
」なるものが建設され、そこに占領軍の諜報機関やCIAがとぐろを巻いている
という事実なども、報道されるにいたっている。占領軍に対するシスタニの姿勢
は、それを許可しているということに凝縮されよう。



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☆★ブッシュと距離を置くマケインの近況
イラク情勢ニュース 速報&コメント 5月27日 
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 米共和党の次期大統領候補となることが決まっているマケイン上院議員は、こ
こに来て、イラク戦争に対する国民の不人気を抑えることができないと気づき、
ブッシュ大統領のイラク政策と距離を置き始めた。といっても、イラク戦争の指
揮に誤りがあったと口先で表明するだけで、彼が追求するイラク政策はブッシュ
大統領がやってきたこと、やろうとしてきた(失敗した)ことを継承するもので
ある。次に紹介する記事は、そのことを確認するためのもの。

McCain "sick at heart" over mistakes in Iraq war
http://news.yahoo.com/s/nm/20080526/pl_nm/usa_politics_mccain_dc_1

 5月26日、ロイター発 −− 米共和党の次期大統領候補マケインは26日
、ブッシュ大統領のイラク戦争指揮とは距離を置こうとして、復員兵の記念日(
メモリアル・デー)に、6年になるイラク戦争における過ちに「心を痛めている
」と表明した。

 戦争で死んだ米軍兵士の追悼式典に集まった家族と帰還兵にむけて、マケイン
は、「皆さんご存じのように、アメリカ国民はイラク戦争に病んでウンザリして
いる」と述べた。「もちろん私はそれを理解しており、文民(政治家)と軍の指
揮官によってなされた多くの過ちと、そのために支払った代償の大きさに、私も
心を痛めている」。

 イラク戦争は有権者には不人気で、11月の選挙では民主党のバラク・オバマ
と対決することを予想して、マケインはますます政府のイラク政策と距離を置こ
うとしている。

 マケインは聴衆に、「イラクには新しい指揮官を宛てる。彼らは対ゲリラ作戦
を追求しており、われわれの強さを最大限に利して敵の戦術を強めることのない
その作戦を、われわれは最初から追求すべきだった」と呼びかけた。

 (民主党の)オバマとヒラリー・クリントンは、イラクに派遣された米軍15
万5000人の全兵力を、できるだけ早く撤退させると約束した。

 マケインはこれを非難し、「米軍撤退はアルカイダを強めるもので、中東でイ
ランその他の敵国を利することになり、イラクで内戦を本格化させ大虐殺を引き
起こしかねない」と述べた。

 彼は今月初め、イラク戦争は2013年までに勝利できるとして、そうすれば
イラクに民主主義を機能させ、ほとんどの米軍兵力も帰還することができると主
張した。

 マケインは昨年、イラクが宗派による内戦にむかうことを止めるために、3万
人の増派兵力をイラクに派遣することを支持し、「われわれの以前の戦術では失
敗したイラク」において、増派作戦は「成功している」と述べた。

 彼は終末の休日をほとんどアリゾナで、3人の共和党員とともに過ごしている
。3人は副大統領候補になりそうだと言われている者で、元マサチューセッツ州
知事ミット・ロムニー、フロリダ州知事チャーリー・クリスト、ルイジアナ州知
事ボビー・ジンダルである。


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☆★イラクをめぐる最新ニュース 2008/05/26
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1)
Who’s to pay for Iraq’s reconstruction, Iraqi or U.S. taxpayer?
イラク再建の費用負担は誰が? イラクそれともアメリカ 
http://www.azzaman.com/english/index.asp?fname=news2008-05-25kurd.htm

 戦後復興の費用をアメリカの納税者ではなくイラクに負担させよという要求が
、アメリカ議会で浮上してきた。このような要求は以前にはなかったが、アメリ
カの議員たちはイラクとアフガニスタンの2つの戦費が途方もない額にのぼるた
めに、そうしたことを考え始めた。こうした要求は受け入れられないだけでなく
、アメリカのイラク侵攻と占領が引き起こした破壊と被災をイラク国民に尻ぬぐ
いさせることになる。アメリカ議会は、米軍機と米軍の攻撃で破壊された都市や
町・村はもとより、橋や病院、学校を再建するために、何十億ドルという費用を
われわれに支払えというつもりなのか? イラク国民は米軍侵攻以来、川のよう
に血を流してきたではないか。まだ足りないというつもりなのか。


2)
Talabani, Crocker discuss long-term strategic Iraq-U.S. ties
タラバニとクロッカーがイラク・米国間の長期的同盟を協議
http://66.111.34.180/look/english/article.tpl?IdLanguage=1&IdPublication=4&NrArticle=80327&NrIssue=2&NrSection=1

 イラクのタラバニ大統領とクロッカー米国大使が、イラクとアメリカとの長期
的で戦略的な同盟関係について、25日に協議した。大統領が発表した声明によ
ると、両者は2つの友好国の協力と連携を強める方策を熟考したという。

 ※ クルド勢力が作戦構想を練って米軍とイラク政府に要請したというモスル
攻撃では、占領と傀儡政府に批判的な住民1000人以上があらかじめ作製され
た名簿にもとづいて拘束された。その「成功」が発表されたあと、5人の閣僚を
政府から引き揚げていたスンニ派のイラク合意戦線が「復帰」することを表明し
、そして今度の長期的戦略的同盟関係の協議。モスル作戦については真相として
イラク情勢ニュースで伝えてきたことが、このような事実によっても裏付けられ
ます。
 ちなみに、今年2月、モスルで起こった爆発事件がアルカイダによる犯行とさ
れ、モスル作戦の口実となったが、それは米軍とクルド勢力の自作自演だった。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan/view/20080127/1201436067


3)
U.S., Iran and Arab neighbors to meet on Iraq
米国、イランとアラブ諸国がイラク問題で会合
http://news.yahoo.com/s/nm/20080526/ts_nm/iraq_conference_dc_3

 今週スウェーデンで予定されている会合で、アメリカはスンニ派アラブ諸国に
イラク政府を支援するよう促すだろう。この会議は国連の潘基文事務総長とイラ
クのマリキ首相が議長をつとめ、昨年エジプトで開かれたイラク再建会議で採用
された構想の進展を確認するものである。アナリストたちは、この会議に出席が
予定されているライス米国務長官とイランのモッタキ外相が、どのような接触を
するかに注目しているが、米政府高官は誰が出席するか決まっていないと述べた



4)
イラク特措法、延長せず 与党調整、空自撤収議論へ
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2008052602000116.html
中日新聞 2008年5月26日 朝刊

 与党は25日、イラクへの航空自衛隊派遣の根拠で、2009年7月末に期限
を迎えるイラク復興支援特別措置法の延長を求めない方向で調整に入った。延長
には野党が反対するのが確実な情勢なのに加え、名古屋高裁がイラクでの空自の
活動を違憲としたことや、イラク戦争を推進したブッシュ米大統領が来年1月に
退任することなど内外の情勢を踏まえたもの。これを機に、自衛隊のイラクから
の撤収時期について議論が行われる見通し。  自民党外交調査会長の山崎拓前
副総裁は同日、都内で行われた討論会で「イラク特措法の延長は難しい」との見
通しを示した。 討論会後、山崎氏は記者団に、多国籍軍の駐留根拠である国連
決議が12月末で期限切れとなることも指摘した。 公明党幹部も「そろそろイ
ラクからの撤退時期を考えてもいい」と述べた。 ・・・ (略)






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※イラク・レジスタンス・レポート
    http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/Iraqi_resistance.html
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