イラク戦争に関する世界情勢のニュース

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学校に行けない少女たち

差出人: 山本史郎さん
送信日時 2008/06/03 16:30
ML.NO [URUK_NEWS:1887]
本文:

URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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2008/06/02 (月)

  [飛耳長目録 todays news list]

☆学校に行けない少女たち
☆イラク高官さえ米国との安全保障協定が気がかり


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☆★学校に行けない少女たち
 Girls Denied Education
By Samah Samad in Kirkuk  イラク・クライシス・レポート2008年5月30

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http://www.iwpr.net/index.php?apc_state=hen&s=o&o=l=EN&p=icr&s=f&o=344869

 13歳になるフーダ・アハメドの世界は、2年前に同級生が誘拐されたときか
ら一変した。その少女はキルクークの学校に登校する途中で武装した男たちに誘
拐され、家族が身代金3万ドル(米ドル)を支払って3日後に解放された。

 娘にも危害の及ぶことを恐れて、フーダの両親は娘を学校に行かせないように
した。彼女は憂うつな毎日を、家の掃除をしたり、電気が通じるときはテレビを
見たりして過ごしている。

 フーダはまだ学校に通っている2人の兄や級友たちがうらやましく、両親の決
断に不満を持っている。彼女は「私に対する犯罪よ」と言うが、しかし一息つく
と、両親の言うことも理解できると言った。

 「機会さえあれば学校にもどるけど、しばらくは両親の言うことを尊重するわ
。」

 NGO団体であるWomen for Women Internationalが今年発表した調査によると
、イラクの少女たちは恐ろしいほど多くが学校に通えなくなっている。調査した
女性1510人のうち4分の3が、女の子は教育を受けていないと答え、半数以
上がこの傾向は2003年の米軍侵攻以後のことだと言った。

 イラク北部に位置するキルクークでは、民族・宗派による暴力が断続的に発生
していて、教育委員会は、この5年間学校に通ってない少女たちは30%になる
と見積もっている。関係者は、治安のあやうさ、貧困、伝統などいくつかの要因
があるという。

 キルクークで教育問題を専門とするソーシャル・ワーカーのダリヤ・ムカラム
(33歳)は、地方に住む少女たちは常に教育を受けるのが難しい面があると話
した。厳しい部族の制約やデンドウゆえである。1970年代には、バース党政
府は、地方の少女たちは10歳まで学校に通うことを主張した。ムカラムの話で
は、それでも今では、良い教育を受けた親たちでさえ、暴力の治安の不安定を理
由に少女たちを学校に通わせなくなった。

 「治安の悪化とテロリスとに狙われる恐れから、少女たちの休学率は最近急上
昇している」と彼女は言った。

 フーダの父親アハメド・ラティフ(44歳)は、殺されたり性的暴行を受ける
と、「それは家族の名誉に汚点を残す」ので、娘を学校に行かせたくないと語っ
た。「犯罪者やテロリストから守るために娘を退学させた」という。

 母親のファザ・ムスタファ(39歳)は、「退学させられて悲しんでいる娘を
見るのは私もつらい。私たちは子どもたちには皆教育を受けさせて、将来、良い
仕事に就かせたいと願っている」と語った。

 フーダの両親は読み書きもできるし教育を尊重しているが、なかには女の子に
勉学をさせることに賛同しない家族もある。

 キルクークに住むナワル・ハサン(41歳の主婦)は、9歳、12歳、17歳
の3人の娘を学校にいかせなかった。ハサンの母親は彼女が教育を受けるのを許
したので、ハサンはアルファベットを学び自分の名前を書くこともできる。しか
し彼女は小学校を退学し、19歳で結婚した。

 「私は娘たちが家にいる方がよいと思う」と彼女は言った。学校に行って危害
を加えられるよりも良い。私たちの一族の伝統は女の子を学校にやるのを許さな
い・・・。家の外に出して見知らぬ者と交わるのは、彼らの評判と家族の名誉を
汚すことになる」。

 貧困も子どもを学校にやらない理由になっていて、その代わりに子どもたちは
働きに出る、と、Women for Women Internationalは報告書で指摘した。

 アル・インティサル女学校のナドワ・マフムード校長は、教育スタッフは出席
に柔軟だが、政府は2006年以降彼らに警備をつけるようになり、少女たちは
13歳か14歳で退学するケースが続いている。

 マフムードは、教育を受けないことが少女たちの将来に影響することを恐れて
いる。

 「文盲は少女たちに大きな影響を与え、彼女たちが結婚したとき、今度はその
子どもたちに影響する。将来母親になる彼女たちは一族の伝統を踏襲して、娘た
ちを学校にやらないかもしれないからね」と彼は言った。

 ムカラムによれば、家のなかにいる少女たちはしばしばウツロだったり、憂う
つだったり、テレビ漬けとか過食といった悪い癖を身につける。

 キルクーク出身の作家アリ・ガディル(35歳)は、治安情勢のために少女や
女性たちの自立が失われたり小さくなったりしていると言った。

 「将来、無学の女性が大きな階級を構成し、その子どもたちに影響するだろう
」と彼は言う。「こうした少女たちは自分の残りの人生を家庭で働くことに費や
し、両親の望む相手と結婚するだろう」。

 この問題に対処するために、教育省は可動班をキルクーク中の農村に派遣し、
退学した生徒たちを教育している−−キルクーク教育長の計画室長ナスラディー
ン・アブドルラーマンが説明した。

 ムカラムは、自宅で使える教材を提供することによって、慈善団体にも子ども
たちの教育機会を増やすことを助成することができる、と話した。

 しかし、それらは治安問題が理由で退学した少女たちへの解決策となりうるが
、家族が教育を尊重しない者は教育を受けさせるための外部の努力を尊重しない
、と、ガディルは言った。



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☆★イラク高官さえ米国との安全保障協定が気がかり
 Iraqi officials worry about security deal with U.S.
By Leila Fadel | McClatchy Newspapers  5月30日付
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 現在米軍や日本の航空自衛隊がイラクに駐留し作戦行動をおこなうことを保障
しているのは、イラクと国連(多国籍軍)との間の協定にもとづくが、これは今
年12月で有効期限が切れる。そこでイラク政府とアメリカ政府との間では、駐
留米軍の地位協定を7月までに締結すべく交渉しているが、これは米軍の地位協
定のみならず、イラクへの恒久基地建設を含む安全保障全般にわたるほか、経済
、政治的関係にも及ぶ条約が想定されている。

 ムクタダ・アッ・サドルはこの協定に反対する抗議デモを先週金曜日(5月3
0日)に呼びかけた。彼の反米姿勢を信用するわけにはいかないが、情報として
は、それがどのように展開されているかを知っておく必要もあるだろう。次に紹
介するのは、そのような観点からである。

Iraqi officials worry about security deal with U.S.
イラク高官は米国との安全保障協定が気がかり
By Leila Fadel | McClatchy Newspapers  5月30日付
http://www.mcclatchydc.com/iraq/story/39032.html

 バグダッド発 −− イラクとアメリカの二国間協定に抗議するようムクタダ
・アッ・サドルが呼びかけたことを受けて、サドルの支持者数千人は、5月30
日、街頭に出て平和的なデモをおこなった。この協定はイラクとアメリカとの間
の経済、安全保障、政治的関係を支配するものになるだろう。

 軍隊の地位協定及び経済・政治協定は7月までに締結されると見られており、
そのためには最終決定される前に議会を通過しなければならない。しかし既に反
対の声が広まっている。

 イラクを占領するために外国軍隊のイラク駐留を認める国連の権限は、今年末
に(期限切れとなるが)更新されることはないだろう。そこで将来、米軍のイラ
ク駐留はそのような条約(協定)が継されることによってのみ可能になる。

 サドルシティーからイラク南部のクーファまで、サドルの支持者数千人が祈り
をおこなったあと、平和的に抗議のデモをおこなった。サドルシティーでは、支
持者がアメリカの国旗とサダム・フセインの軍服を着せたマリキ首相の写真を燃
やした。

 デモ参加者は「条約を結ぶ者に呪いを!」と唱和した。「イラクを侵略者から
救うために、われわれはサドルとともにある」。

 彼らが掲げた横断幕には、イラクとアメリカが締結しようとしている条約は「
占領よりももっと悪い」と非難していた。

 サドルシティーでは、マフディ軍と米・イラク軍治安部隊との戦闘で近くのビ
ルは瓦礫に変わっていた。サドルシティーの南部と他の広大なスラム街を分離す
るコンクリート壁には、男たちが検問所に詰めていた。

 祈りに先だって、サドルシティーの男たち数千人がサドル事務所の外側に座っ
て、締結交渉を非難するモハメッド・アル・ガラウィの演説を聴いた。

 「協定はアメリカが支配する安全保障と軍事、経済を延長するものとなるだろ
う」と彼は指摘した。「なぜ彼らはイラクの骨格をへし折りたいのか? 協定は
アメリカ兵を各戸に招き入れるようなもの・・・この協定は、ハチミツではなく
毒の中にさらに毒を混ぜるようなものだ。ハチミツは既に空っぽだ」。

 クーファでは、アサアド・アル・ナシリ師の声がサドル派の会衆を前にこだま
した。

 ナシリは「この協定は、二国間関係が両国民に利益をもたらすと述べているが
、どちらの国もイラクに自由と民主主義をもたらすための犠牲にされてきた」と
述べた。「アメリカがイラク国民にどれほどの犠牲を強いてきたか? イラク国
民がアメリカから受け取ったのは、殺人、拷問、投獄だけだ」。

 しかし、将来の安全保障条約とそれに付随する協定について心配しているのは
サドル支持者だけではない。

 今行われている交渉は、米軍と治安要員(いわゆる傭兵)に人殺しをしても免
罪される特権を与えることを、イラクにごり押しするのではないか、アメリカが
イラク人を勝手に拘束する許すのではないか−−イラク政府高官もそれが気がか
りになっている。

 交渉は秘密に包まれており、イラク側当局者は詳細についてアメリカ側当局者
から口にしないよう指示されていると話した。しかし国内の同盟者(アメリカと
の)でさえ、自分たちは手玉にとられているのではないかと気をもんでいる。イ
ラクは今もって、国連安保理のもとで、憲章第7章にいう安全と安定に対する国
際的脅威とみなされているのだ。

 クルド人の無所属議員マフムード・オスマンは、「今もイラクは国連憲章7条
のもとにあって、完全な主権を認められていない。だから国連と交渉しても、結
果は公平ではない」と説明した。「アメリカ人は、この協定を締結するまでは、
諸君(イラク)は第7章から離脱できないと言う。なぜサダム時代の代償をわれ
われが払わなければならないのか。締結する前に、全国民がそれに反対している
ことを認めたまえ」。

 バグダッドにあるブラサ・モスクでは、シーア派最大の政党であるイスラム最
高評議会(ISCI)が、金曜日の礼拝でアメリカとの新たな協定を批判した。

 「受け入れるにせよ拒否するにせよ、協定のすべての文言がイラク国民に示さ
れ、透明であるべきだ」とISCIの議員ジャラル・ディン・アル・サギルは礼
拝で演説した。アメリカがもっともkだわっているのは、イラクの主権に反対す
ることだ。もしこの条約(協定)が締結されても、それはイラクの主権と憲法、
国土にもとづかないものだ」。

 サドル派は新たな協定が拒否されるまで、毎週の金曜礼拝で抗議することを呼
びかけている。
 



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