イラク戦争に関する世界情勢のニュース

メールの詳細(メール表示)

件名:

「ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(前編)」

差出人: 山本史郎さん
送信日時 2009/01/29 20:25
ML.NO [URUK_NEWS:1994]
本文:

2009/01/29 (木)

  [飛耳長目録 todays news list]

☆ガザ2009年: 私たちは決して忘れない
☆イスラエル再び侵攻、「ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(前編)」

--------------------------------------------------------------------
☆★ガザ2009年: 私たちは決して忘れない
  動画紹介 & アフガニスタンでも
--------------------------------------------------------------------

◆Video: Gaza 2009: We Will Never Forget
ビデオ: ガザ2009年: 私たちは決して忘れない

http://www.uruknet.info/?p=51287


◆Video: Gaza Children
ビデオ: ガザの子どもたち
(YouTubeにアップされた10本の動画を紹介)

http://www.uruknet.info/?p=51288

http://sabbah.biz/mt/archives/2009/01/26/video-gaza-children/



◆Video: US air raid fuels Afghan anger
米軍の空襲がアフガンの怒りに油を注ぐ

http://www.uruknet.info/?p=51283




--------------------------------------------------------------------
☆★イスラエル再び侵攻、
  「ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(前編)」
どすのメッキーさんからのメール転送
--------------------------------------------------------------------
※転送にあたり、文章の長い段落に、読みやすさを考慮して、数カ所の改行を加
えました。段落冒頭が1字下げになっていないところがあるのは、そのためです
。あらかじめ、ご了承ください。


 どすのメッキーです

 28日未明、イスラエル軍地上部隊が再びガザに侵攻を始めました。

 前日、イスラエル南部キスフィム検問所付近で、道路脇の爆弾が爆発しイスラ
エル兵1名が死亡したことへの報復で、ラファのエジプトとの境界に掘られた密
輸用トンネルとガザ南部の都市ハンユニスを空爆し、検問所を閉鎖したといいま
す。

 ここで、わたし達が押さえておかなければならないのは、こうした報復に国際
法上正当性があるかどうか、ということです。パレスチナ人の武装組織によると
みられる爆弾攻撃で被害が起きたにせよ、翌日に空爆を加えるというのは、あま
りにも拙速すぎる対応です。その爆弾が停戦後に仕掛けられたものなのか、そう
だとして、それはパレスチナ自治政府、あるいはハマスが組織的に行った結果な
のか、それとも、個人や小規模の組織が行ったものなのか、などなど調査するの
が先でしょう。その上で、今は国連が現地の視察も行っているわけですから、調
査結果を国際機関に申し立てるのがルールというものです。

 イスラエル人の犠牲が軽視されていいはずはありません。しかし、一人の犠牲
が起こったからといって、無関係の市民を巻き添えにすることが分かっている空
爆を行っていい理由にはなりません。集団的懲罰は、ジュネーブ条約33条では
っきりと禁止されています。しかも、ガザのトンネルの復旧作業に一般市民が携
わっていたことをイスラエル軍が知らないはずはありません。

 停戦条件が双方で合意されていれば、イスラエルもここまで性急な攻撃はでき
ないかもしれません。しかし、今回の停戦は、双方の「一方的」攻撃停止である
ため、それを破るにあたって何の国際的合意も必要ありません。「一方的」とは
こういうことです。

 空爆はもちろん、インフラが徹底的に破壊され、復興のめどが立たないガザを
封鎖することは、個人でいえば未必の故意による殺人に相当します。イスラエル
政府は「黙って殺されるままになれというのか」と反論するかもしれません。そ
うしたら、こう答えるしかありません。「パレスチナはずっとそうしてきたのだ
」と。

 しかし、日本の血の通わないニュースを聞く多くの人々は、残念ながら、ああ
、またか、どっちもどっちという感想で終わってしまうのではないでしょうか。

 先日、アメリカの主要メディアに公正な報道を求める運動をご紹介しましたが
、NYタイムズの元中東支局長が、メディアの今の限界について、苦悶する文章
を書いています。その内容は、わたし達も共感させられるものです。

 長いので、また前後編に分けて紹介します。ガザ紛争を見る曇りを溶かす一助
としていただければ幸いです。


************************************************************

■ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(前編)
【With GAZA, Journalist Fail Again】
http://tinyurl.com/bgs9y3
(By Chris Hedges 27/Jan./2009 Mediachannel 上記URLは、TINYURLで短縮した
もの)


 ガザへの襲撃があらわにしたのは、イスラエルの国際法蹂躙だけではない。ア
メリカの報道の臆病さもはっきりさせた。イスラエルがガザ攻撃を正当化する捏
造や、イスラエルが毎日のように不正義を正義に擦りかえる嘘に挑戦した主要新
聞も、テレビ局も、ラジオ局も皆無だった。ほとんどすべてのレポーターは、イ
ラク戦争を準備した時と同様、主体性のないプロパガンダとオウム返しに終始し
た。われわれジャーナリストが売るものがあるとすれば、それは真実だけだ。そ
れを手放したら、われわれは権力の広告塔かスポンサーにすぎない。嘘を暴くの
をやめたら、われわれは、結局自分自身を滅ぼすのだ。

 戦争中どんな政府も本当のことを言わない。イスラエルも例外ではない。イス
ラエルは戦争で黒いプロパガンダを効果的に使った。攻撃の本当の姿がうっかり
漏れてはまずいので、口達者でよくリハーサルされた報道官が巧みに嘘をつき、
すべての外国人記者のガザへの立ち入りを禁止し、イスラエル兵は記者の携帯電
話とカメラを押収した。アラブのネットワーク・アルジャジーラは、一握りの地
元のレポーターと共にガザに入り、われわれの報道無しでは声をあげる術のない
人々の声を代弁し、一層増長する嘘に対抗して、圧迫の下のかすかな涙や痛みを
とりあげた。これは、われわれの職業的誇りを喚起したが、ジャーナリズムの誠
実さを示すこのような例はきわめて少なく、ほとんど耳にすることはなかった。

 われわれは、今度も、アメリカのジャーナリズムの空虚な教訓、空虚なバラン
スと客観主義に逃げ込んでしまった。悲しみも、痛みも、怒りも、不正義にも目
を瞑って、一方に偏ってはならないというばかげた考えが、人間存在の流れを無
視して、レポーターが、真実と嘘を同じ重みと放送時間で冷淡に報道するのを許
している。バランスと客観主義は、直面している不愉快な真実の解毒剤であり、
回避手段であり、権力と妥協する方法なのだ。

われわれは、イスラエルのガザへの空爆で子どもをなくしたパレスチナ人の怒り
を記録する一方、イスラエルの「自衛の必要性」、すなわち、ガザの家やモスク
や学校から攻撃されたため当然自衛する権利があると主張するイスラエル当局の
発言を押さえることも忘れない。われわれは、中東すべてにおいて、このように
している。われわれは、われわれの国の占領によって惹き起こされたイラクの犠
牲者を記録するが、「サダムが自分の国民を殺した」ということもすべての人に
思い起こさせる。空爆で亡くなったアフガニスタンの家族についても書くが、タ
リバンが「女性を抑圧する」ことも決して忘れはしない。それによって、われわ
れの罪はキャンセルされるからだ。こんな教訓は空しい。そして、われわれは何
より「対テロ戦争」について言及するのを決して忘れない。

われわれは、誰が、どうやって、と聞きたがるが、なぜかとは誰も聞かない。わ
れわれが、権力者の冷たく、死んだ言葉で話す限り、歴史のひとつの見方がもう
ひとつの見方と同じくらい意味を持つように、偽りを語る言葉も真実を語る言葉
と同じくらい力を持ち、われわれの言葉は問題のひとつであって、解決策ではな
い。

 「『爆弾とロケット弾がイスラエルとガザのパレスチナ人の頭上を飛び交って
いる』そしてもう一度、『ザ・タイムス』は、あらゆる立場の人から、不公平で
不正確だと起訴され、集中砲火を浴びている」ニューヨーク・タイムズの主筆ク
ラーク・ホイトは、新聞の守備範囲に関する彼の意見を快活に書き始め、そして
結論を下そうとしている。「イスラエルの最もやかましい支持者とパレスチナ人
は同意しないだろうが、戦場から遠く隔たってかつ戦争の混乱の只中で報道する
ザ・タイムスは、公正とバランスを最大限に保つようベストを尽くした結果、い
い仕事をしたと思う」

 イスラエルが、「イスラエルとガザのパレスチナ人の間を飛び交っている」ハ
マスのロケット攻撃から自らを防衛する権利があるという決まり文句は、記者の
間で明白な真実だと認められていた。それは、イスラエルの攻撃について費やさ
れたあらゆる空しい議論の出発点になった。学者とコラムニストも、それを前提
として、攻撃の合法性ではなく「釣り合い」について下らない議論を続けていた


イスラエルは、占領軍が民間人の安全を尊重する義務を規定した国際法に違反し
ていた。とりわけ、ジュネーブ条約第33条(【訳註】ジュネーブ第4条約第3
編「被保護者の地位及び取扱」第一部「紛争当事国の領域及び占領地域に共通す
る規定」第33条:被保護者は、自己が行わない違反行為のために罰せられるこ
とはない。集団に科する罰すべての脅迫または恐喝による処置は、禁止する。掠
奪は禁止する。被保護者及びその財産に対する報復は、禁止する)に。しかし、
報道からあなたがそれを知ることはないだろう。

組織的な武力も水もなく、イスラエル軍に囲まれて、空腹の人々が暮らすスラム
を押しつぶすために世界で4番目の規模の軍事力の一部分である軍用機や軍艦を
投入した攻撃も、戦争とはこんなものだと漠然と報じられた。ニュースは、軽装
備しかない数人ばかりのハマスの戦闘員や、組織に属さない人々が、F−16ジ
ェット戦闘機や装甲車、数千人のイスラエル正規兵、輸送車、攻撃用舟艇、アパ
ッチ攻撃ヘリコプターに立ち向かっているという不条理な現実に気付くのを妨げ
る役割を果たした。旧約聖書(イスラエルの物語【訳註】イスラエルは旧約聖書
を曲解し、しばしば攻撃の理由に用いる)には合致しただろう。バランスがとれ
客観的であったかもしれない。しかし、それは真実ではなかったのだ。

 ハマスのロケット弾は粗末なものだ。たいていは古いパイプからできていて、
威力など期待できない。最初に自作されたカッサム・ロケットがイスラエルの国
境を越えて撃ち込まれたのは2001年10月だった。それから、2004年6
月までイスラエルに犠牲者はなかった。パレスチナの犠牲者5000人(その半
分以上はガザの人々で、少なくても3人に一人は子どもだ)に比べ、ハマスのロ
ケット攻撃で殺されたイスラエル人は24人。だからといって、住宅地域にハマ
スがロケットを撃ち込むのは戦争犯罪であり、それを放免はしない。しかし、こ
の数字は、ジャーナリズムが何の反省も無しに鵜呑みにしてきた筋書きに、疑問
を呼び起こす。

わたしは、コソボ自治州でアルバニア系住民がセルビア人に抵抗するため一か八
かの行動に訴え、数人のセルビア人を殺害した事件を取材したことがある。それ
まで、コソボでセルビア人が行った不公平な虐殺を戦争犯罪として記事にしたも
のはいなかった。それはジェノサイドと呼ばれ、それを止めるためにNATO軍
が介入することになった。

 昨年6月に確立された停戦を破ったのはハマスではなく、イスラエルなのだ。
これは、どの報道でも明確にされなかった。ガザで欠くことのできない資材と食
料の集荷をほとんど不可能にした厳しい封鎖をイスラエルが緩和するのと引き換
えに、ロケット攻撃をやめることを受け容れていた。そして、いったん合意に達
した時点でハマスはロケット攻撃をやめた。それなのに、イスラエルは、協定内
容を履行せず、包囲を更に強化させた。国連機関は協定を遵守するよう求め、国
際救援組織はイスラエルの封鎖を非難した。イスラエルの中にさえ不満が起こっ
た。

メディアに情報を漏らしたという申し立てによって、イスラエル防衛軍のガザ地
域の指揮官を辞職し、かつ軍から強制解雇されたシュムエル・ザカイは、12月
、イスラエルの新聞ハーレツにこう語った。「イスラエル政府は、ターディヤ、
つまり6ヶ月の停戦中、大きな誤りを犯した。ガザ回廊のパレスチナ人の経済的
苦境を著しく悪化させるよりもむしろ、平穏を進めることで有利に立つのに失敗
した。ターディヤ中、ガザ回廊に経済的圧力をかけ続けるなら、ハマスがその間
を活用して、カッサム・ロケット攻撃を再開しようとするのは明白だ。武力攻撃
だけを控えても、ガザのパレスチナ人を経済危機のまま放っておいたら、ハマス
が何もせず座って待っているなどと期待できるだろうか」

 たとえばハーレツなどの新聞を見れば、イスラエルがこの攻撃を昨年の3月か
ら計画していたことが分かる。イスラエル軍は、11月4日に、攻撃を実行に移
し、6人のハマス戦闘員を殺害して、故意に停戦を破った。ブッシュ政権が終焉
に近づいた頃に攻撃時期をあわせて、大規模な空爆、舟艇からの砲撃、ガザへの
侵入が行われた。もはやホワイトハウスは白紙委任状を出すだけだというのをイ
スラエルは知っていた。

ハマスは11月4日、イスラエルが予想した通り挑発に乗ってしまった。しかし
、そのときでさえハマスは、イスラエルが封鎖を解除するなら停戦を延長すると
提案している。イスラエルは提案を拒否した。「Operation Cast Lead」は解き放
たれたのだ。

(仮訳どすのメッキー 28/Jan./2009)
************************************************************

このエントリーをはてなブックマークに追加
添付: