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「聖戦と解放、国民救済戦線」の創設について

投稿者:山本史郎さん  2009/11/06 21:52  MLNo.2019   [メール表示]

URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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2009年11月6日(金曜日)
イラク情勢ニュース

  [飛耳長目録 today''s news list]

☆靴を投げたイラク人がジュネーブで英雄に 
☆「聖戦と解放、国民救済戦線」の創設に関する合意
★マリキ首相は<バース党>復権に脅える

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☆★靴を投げたイラク人がジュネーブで英雄に
  Iraqi shoe thrower gets hero''s welcome in Geneva
2009年10月19日付 AP通信
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 先月のニュースから

http://www.michaelmoore.com/words/latest-news/iraqi-shoe-thrower-gets-heros-welcome-geneva

October 19th, 2009 6:32 PM
Iraqi shoe thrower gets hero''s welcome in Geneva

Associated Press

 ジュネーブ発−− ジョージ・W・ブッシュ大統領に靴をなげたつけたイラク人
ジャーナリストは、イスに腰をおろして拍手喝采を浴びた。これはバグダッドや
ダマスカス、あるいはベイルート(といったアラブ諸国/訳註)での出来事では
ない。ジュネーブにおいての出来事であり、10月19日のジュネーブで、ムン
タダ・アル・ザイディは祖国における歓待よりももっと温かく、英雄として歓迎
された。

 現地の政治家2人とともに記者会見をおこなったザイディは、「私は占領によ
る犠牲者の1人」だと述べ、イラクで拘留されていた9ヶ月の間に、電気ショッ
クを含む激しい拷問(ごうもん)を受けたという証言を繰り返した。

 彼の主張は、とろどころ不正確なところがあったが、その混乱が通訳のせいに
よるものかどうかは判らない。

 彼は、「3ヶ月間拷問された」と話したあと、次には虐待は「3日以上」に及
んだとも言った。

 苦難にあえいでいるイラク人を支援する財団を設立するまでは、彼は裕福なア
ラブ人からの献金を辞退すると誓い、スイスなどの諸国訪問は友人からの資金援
助を得たものだと語った。

 彼はアメリカ合衆国を非難し、アメリカは100万人の命を奪い500万の人
々を難民化させた責任があると指摘した。2003年にアメリカが侵略してきて
以降の、イラク人グループの暴力については言及しなかった。

 国際難民化した200万のイラク人のほとんどは、シリアとヨルダンに住んで
いて、移民に関わる国際機関はほぼ同数のイラク人が国境地帯にいると発表して
いる。この6年半のあいだに、暴力事件(訳註:誘拐・殺人・弾圧・爆発・銃撃
・戦闘など)によって約10万人のイラク人が殺され、ロンドンに拠点を置くイ
ラク・ボディー・カウントという団体が発表した数字は、最低限の死亡者数とし
て広く信頼されている。

 スイスではザイディを歓迎する宴が開かれ、抗議として靴を投げた行為はイス
ラム社会では彼を英雄に押し上げたが、9月に彼が釈放されたとき、バグダッド
では大衆的な支持表明はほとんどなかった。

 例の事件以降、米軍はイラクの諸都市から撤退し、計画されているイラク完全
撤退を前に、米軍を見かけることが随分減った。

 またバラク・オバマ大統領は、イラクを混乱に陥れたと非難されるブッシュに
比べると、多くのイスラム教徒に大い歓迎されている。

 だがこうした話が色あせてしまうのは、ザイディがイラク人の手で拷問された
という話や、ブッシュに靴を投げたときの思い、そして米軍はイラクから撤退し
ブッシュは国際法廷で裁かれるべきだという要求などが語られたあとは、報道陣
などからザイディへの喝采が送られたからである。
 
 ザイディは米兵によっても拷問されたのかと尋ねられたが、彼はそれを否定し
た。ジュネーブに滞在するアメリカの外交関係者は、ザイディのジュネーブ訪問
についてコメントすることを辞退した。

 ザイディは3ヶ月早く釈放され、ジュネーブ在住の弁護士から支援を受けて、
スイスへの旅行ビザを取得した。

 マウロ・ポギア弁護士は、ジュネーブで外国人労働者を制限することを提案し
て人気を集めたジュネーブ市民運動の指導者の1人である。

 少なくとも2人以上の記者が、ザイディに反論を浴びせたために、ジュネーブ
のモスク指導者から叱責された。



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☆★「聖戦と解放、国民救済戦線」の創設に関する合意
   −−ムジャヒード・アブデル・ナシル・アル・ジャナビ
The agreement to form the Jihad, Liberation and National Salvation Front
2009年11月2日 アルバスラ・ネット
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http://www.albasrah.net/pages/mod.php?mod=art&lapage=../en_articles_2009/1109/janabi_031109.htm

 「聖戦(ジハード)と解放の最高指導部」と、「戦線と国民救済戦線」は、<
聖戦と解放と国民救済戦線>に統合されることで合意した。

 この戦線は、以下の諸点にもとづいて、軍事、政治とメディアの分野における
ジハード(聖戦)の指揮と、その他のあらゆる領域における指揮を担当すること
になるだろう。

 1.愛国的、国民的そしてイスラム的な原則と価値観の基礎となるべきジハー
ドのために誓約する文書を作製すること

 2.この戦線の指導部は、7人のメンバーで構成されることになる。4人は「
聖戦と解放の最高指導部」に所属し、2人は「聖戦と国民救済戦線」に所属する
。もう1人は武装部隊の統一司令部に所属し、軍事を担当する副官となる。

 3.ムジャヒード(聖戦の戦士)である聖戦と解放の最高司令官はこの戦線の
指導部メンバーから選ばれ、であり、「聖戦と国民救済戦線」のメンバー2人の
うち1人は彼の副官となる。

 4.戦略的な決定はそれぞれの同意または総意にもとづいてなされる。

 5.情報発信と報道局は、戦いの必要に応じて、またジハードを完遂するため
に、責任を持って目的意識的にメディアに発表する戦線を創設する。

 6.2つの組織は、将来、神の意思によって両者が完全に融合するまでは、そ
れぞれの組織機構を維持する。

 7.合同作戦はこの戦線の名によって発表され、それぞれの組織によって遂行
される作戦はそれぞれの組織の名前で発表される。

 8.他のレジスタンス勢力との同盟は、互いの同意または合意のうえで結ばれ
なければならない。

 9.戦線の指導部は委員会と活動計画、組織を編成する任務を負い、それを通
じて戦線としての活動と、あらゆる軍事、政治、宣伝・報道部門における活動お
よび専門各局を指揮する。

 以上の原則にもとづいて協定は正式に結ばれたもので、われわれは成功を祈る



聖戦と国民救済戦線執行部
聖戦と解放戦線執行部

2009年11月2日 火曜日



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☆★マリキ首相は<バース党>復権に脅える
  Maliki says he fears return of Baath party to power
2009年11月3日 アッザマン
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http://www.azzaman.com/english/index.asp?fname=news2009-11-03kurd.htm

http://www.uruknet.info/index.php?p=59699

Azzaman, November 3, 2009

 マリキ首相は、みずからサダム処刑を決断しバース党を非合法化したにもかか
わらず、いまだに前指導者サダム・フセインに取り憑かれている。最近のマリキ
首相の発言では、「幾つかの州」政府はバース党がイラクで権力を握ることを希
望していると語っていると報道された。

 メディアに対する最近の彼の演説は、ほとんどすべてバース党に言及している
。彼は追放した汎アラブ主義勢力がバグダッドの爆発事件やイラク軍と米軍への
攻勢を強めていると非難した。

 三つのことがらが、マリキを恐怖心に駆り立てている。

 第一は、来年半ばのアメリカ占領軍の撤退である。米軍が要塞化された基地に
引きこもって以降、マリキの軍勢が方と秩序の維持に役立たないことは証明済み
である。

 第二は、アラウィによって率いられる新しい連合勢力にかかわっている。アラ
ウィはイラクの元高官、元バース党員で、サダム・フセインに反旗を翻した。彼
はマリキの指導部に失望したスンニとシーアの両派に勢力を拡大しつつある。

 そして第三は、これが最もマリキを脅えさせているのだが、サダム・フセイン
の側近イザト・イブラヒムによる宣言で、それはイラク・レジスタンスの複数の
グループが合同して新しい組織を結成した述べたものある。彼はこれまで拘束さ
れないできた。

 約50の反逆者グループが、イブラヒムの率いる新しいレジスタンスの傘下に
あると言われる。彼らは皆、米占領軍の即時撤退で困ることはなく、米軍が助け
てきた勢力による支配に終止符を打つことを望んでいる。

 治安の崩壊と暴力の増大がイブラヒムを有利にしているとみられ、彼は最近の
声明のおいて近い将来の復権を予測したと伝えられた。

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※訳者による若干の補足&註

 イザト・イブラヒムの声明というのは、バグダッド陥落後にバース党のレジス
タンス勢力を指揮してきたイブラヒム(フセイン元大統領の死後は後継者とされ
ている)が、「聖戦と解放、国民救済戦線」の創設について発表した演説を指す
。マリキ首相がこれに脅えるということは、これが「旧体制の残存勢力」ではな
く、多くのイラク国民の支持を集めていることを示唆する。

 イブラヒムの声明は、全文がアルバスラ・ネットにも掲載され、全文の英訳も
紹介されている。
http://www.albasrah.net/pages/mod.php?mod=art&lapage=..//en_articles_2009/1109/aldori_031109.htm

 日本でも簡単に知ることができるこの声明について、アッザマンの記事は伝聞
調で「・・・と報じられた」とか、「・・・と伝えられている」と書く。アルカ
イダ云云の記事なら、得体の知れない勢力の信憑性もない声明だが、これは所在
こそ判らないものの、発信者も組織もきわめて明確であり、伝聞調で報道する必
要なない。これは、いかにも得体の知れない勢力やその声明といった印象を与え
るためで、アッザマンの報道が傀儡政府や米軍と誓い立場に立っているかを示し
ている。

 アッザマンの報道の立場とかかわって、記事の最後に「約50の反逆者グルー
プ」と書かれているのは、レジスタンス勢力を指す傀儡政府側の評価であり、彼
らの立場からはイラクの解放を目指すことは「反逆」とされる。

 もう一つ、今さら・・・ではあるが、イブラヒム率いるバース党や真性のレジ
スタンス組織はテロは無縁であり、爆弾テロとレジスタンス勢力が関係している
ように描くのは、イラク戦争の初めから一貫する虚偽報道である。

 このように問題を多く含む記事を敢えて訳した理由は、その前に紹介した
「聖戦と解放、国民救済戦線」の創設が米・欧・日の報道では無視されているも
のの、実際には無視できない影響力を持っていることを確認するという意味から
である。




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