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奪われた夢と希望: 田舎に避難したイラクの女性

差出人: 山本史郎さん
送信日時 2009/12/26 22:33
ML.NO [URUK_NEWS:2024]
本文:

URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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年2009年12月26日

  [飛耳長目録 todays news list]

☆奪われた夢と希望: 田舎に避難したイラクの女性

※もう一つ紹介したかったのですが、次回にまわします。


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☆★奪われた夢と希望: 田舎に避難したイラクの女性
  Murder of dreams and ambition: Iraqi women taking refuge in the
countryside
Al-Akhbar.com 2009年12月22日
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http://www.al-akhbar.com/ar/node/170210

www.uruknet.info?p=61344

 2009年12月22日

 今日のイラクで語られている言葉のなかで、400万という数字は自分の家か
ら避難せざるを得なかった人々の数を象徴する数字となっている。しかしながら
、その数字の大きさにもかかわらず、人々の注意はなかなか払われない事象も存
在する。それは宗派至上主義からの殺人予告によって田舎に移住することを強い
られたことだ。通常、どんな形であれもっとも暴力に脅かされるのは女性たちで
ある。住んでいた町から生活基盤のない田舎へ追われたイラク人女性の例を幾つ
か紹介する。

◆ザイディ・アル・ズバイディによるバグダッドからのレポート

 イラクにおいて、特にバグダッドにおいて、民族的ないし宗派的な理由で移住
を迫られる割合が少なからず減っているのは事実である。しかし、この事実は彼
らの目的が達成されたからと言える。今日では、以前は異なる民族・宗派の人々
が共生していた地域は、(民族的および宗派的に)分断されてしまった。宗派至上
主義の波で移住せざるを得なかった家族は、政府にすすめられても元の家に戻る
ことはできなかった。政府は戻ってくる家族には860米ドルを支給すると提案
したが、それは略奪を受けたり破壊された家の一部屋を修理する費用にも足りな
い。さらに言えば、戻ったとしても、何年も顔見知りでいた隣人たちがいないの
で、見知らぬ土地に来た感じがするのである。

 このような移住は、心理学的および社会学的に掘り下げると、多くの人々が考
える以上に深い問題であるように思われる。特に女性の場合、親しんでいた共同
体を追われて、言葉遣いも習慣も人間関係も異なる社会に一気に移ろうものなら
、それは深刻である。

 サジーダの場合は、移住せざるを得なかったイラク人女性を代表する、典型的
な例と言えよう。銃弾を包んだ紙袋を受けとったことから、サジーダの家族は、
シリアに住む彼女の兄たちのもとに合流するか、叔父が住む郷里に戻るかを選択
しなければならなかった。

 ある家族が家を離れなければならなくなったとき、銃弾が入った紙包みが玄関
に残されているという話がよく。それは「家を離れなければ殺す」というメッセ
ージであり、それだけで家族はパニックになり、何もかも残したまま急いで移住
するのだ。

 サジーダの家族は最初、シリアに移住しようとしたが、貧困生活とホームシッ
クに耐えられなかった。それで一家はあらゆる面で近代文明とかけ離れたこの村
に移住したが、サジーダが失ったものは大きかった。移り住んだバビル州の村に
いるあいだ、それまでの仕事を続けることはできないので、彼女は報道関係の職
場に長期休暇をつげた。

 好きだった仕事から離れると、村にはインターネット環境もなく、隣近所の家
には電話も電気さえもないために、彼女は深い悲しみとわびしさにさいなまれた
。それでもサジーダは、家と二人の子どもを失って親類を頼ってきた家族を受け
入れようとしている母親のために、献身的に振る舞おうとしてきた。

 内科医のジーナンは、軍の元将校だった夫と一緒に、命からがらバグダッドを
離れたため、もっとひどい困難を抱えた。夫の郷里にいても、診療所のドアを蹴
破って民兵が押し入ってきて、彼らの仲間を治療するか薬をよこせと脅迫され、
ジーナンはその恐怖感から逃れられないでいた。彼女はゲリラに「協力」したと
アメリカ兵に脅されるようにもなった。そのうち、彼女は親類の者と一緒にその
村を離れ、イラク中心部にある州の一つに移住した。そのとき移住に反対した夫
とは離ればなれになったが、結局、夫は一緒居とどまった家族ともども占領軍に
拘束された。

 イラク西部にある村が戦闘の最前線になりつつあった時、さらに米軍と政府軍
に対してゲリラが激しく戦うようになったあとも、夫と一緒にその村に住んだこ
とをジーナンは後悔している。彼女の人道的な職業意識は、人々に正しい救いの
手を伸ばすことはできたが、彼女が危険を回避する助けにはならなかった。

 ワッファ・サディックは、田舎に住む若者に嫁いで良かったと思っている。田
舎に住む人々の倫理観と伝統的価値観の尊重にはほとほと困らされた、と、彼女
は言った。夫は互いの結束が堅い家族に縛られていたので、彼女の一挙手一投足
が注目の的となった。

 ワッファは今でも小学校を卒業するために勉強を続けたいと夢見ているが、既
に3児の母となって、田舎での生活は大志を抱く女性から夢を奪うものだと認め
ている。女の子のための小学校も女子教育の機会さえもなく、それで彼女は初等
教育さえも終えることができなかったことから、彼女は自分の幼い娘が村の少女
たちにお決まりの運命をたどるようになることを恐れている。

 彼女は別の明るい人生を見いだそうと模索しつつも、「宿命に甘んじる」と言
う。「人は望むすべてを手に入れることはできあいでしょ。だから、良い夫とか
わいい子どもに恵まれて、自分の夢は実現できそうもないから、私の夢を子ども
たちに託すために未来をとっておくことで満足している」。

 ハナ・アブードは、今はマフムディア地区の村に住むようになった元技術者だ
。彼女が勤めていた企業が宗派対立の戦場となり、特定宗派のみの排他的な職場
となったことから、彼女の家族はハナの人生を心配して移住することを決め、彼
女は仕事を辞めることになった。

 田舎では就業機会が少なく、彼女のまわりにも若い女性がいないことに、ハナ
は不満を抱いている。彼女はさらに、もっと重要な問題を抱えるようになった。
都市で慣れ親しんだ人間関係から遠くなったことから、ふさわしい結婚相手を見
つける機会がなくなったことである。彼女は未婚のままでいることを避けるとい
うことだけのために、従兄弟との結婚を受け入れ泣ければならなかった。そう決
心したことを後悔してはいないが、かつて慣れ親しんだ社交的雰囲気や友人を失
い、友人と出かけることができなくなったことに、悲しみをぬぐいきれないでい
る。

 主婦であり7人の子どもの母親であるウム・アラの場合は、少し違っている。
彼女は田舎での生活に家計を切り詰める手段を見いだしている。彼女は住んでい
た家から移住したあと、家賃を払わずにすむようになった。今は拘束中の夫がや
がて相続することになっている土地に、義父が二部屋を増築してくれ、彼女はそ
こに住んでいる。

 ウム・アラは広い庭園に種をまいて野菜を栽培し、食用の鳥も飼育している。
そのうえ家族が必要とするミルクと酪製品を手に入れるために牛も買った。そう
してみると、都市での生活が困難になった今では、田舎での生活は経済的に恵ま
れている。

 彼女は自分たちが慣れ親しんだ生活から子どもたちを引き離すことを望んでい
ない。彼女はまた、3人の娘には学業を終えると結婚の機会を見つけてやりたい
と願っている。そして夫が釈放されると都市に戻るという決心を、先延ばしにし
ている。

 大学で文学部を卒業したウィダド・アブデル・ハクは、宗派至上主義の暴力で
父親と兄を殺されて、同じように移住するようになった。残された家族と一緒に
避難したが、彼女は別の家族に占拠された元のジタクに帰ることを夢見ている。
もっとも、その家族も自分の家を取り戻すまでは出て行きそうにない!

 ウィダドは仕返しを恐れて、この問題を当局に訴え出ようとは思わないでいる
。むしろ、ウィダドの叔父が住むこの村で生活することを望んでいる。しかし、
彼女は同じ趣味を持てない村の娘たちとは仲良くなれないでいる。でも彼女たち
が新設で純粋だということは彼女も認めている。彼女はこの「一連の不幸なでき
ごと」がやがて終わり、そのときはバグダッドに戻るという夢を抱き続けている


 このように都市から田舎に移住せざるを得なかった女性たちは、いくらかの適
切な住民サービスがあれば、そして人々に十分な就業機会があるなら、田舎での
生活は厳しくないだろうと感じている。しかし、水が少なくなり、燃料不足で揚
水ポンプも動かなくなってきたことから、農業は衰退している。

 さらに言うなら、種苗、堆肥、殺虫剤、家畜に関して、農民に対する政府の助
成措置はない。しかし田舎に住む人々は、都市においても公共サービスがほとん
ど提供されていないことを知っている。結局のところ、夫や父親、息子を失って
しまっては、子どもを抱えての都市での生活はギリギリの状態だったのだ。






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