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イラク3分割案−−クルドが踏み絵迫る

差出人: 山本史郎さん
送信日時 2010/05/22 23:16
ML.NO [URUK_NEWS:2077]
本文:

URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・転載歓迎)
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2010/05/22 (土)

  [飛耳長目録 todays news list]

☆アラウィは第一党だが後手に回る
☆イラク3分割案−−クルドが踏み絵迫る


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☆★アラウィは第一党だが後手に回る
Allawi ahead, but falls behind
アジア・タイムズ 2010年5月20日付
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http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/LE20Ak01.html

May 20, 2010
By Sami Moubayed

 ダマスカス発−−3月のイラク総選挙において、一部再集計においても、最高
裁決定においてもアラウィ元首相が勝利したものの、彼が次期首相になるという
保証は何もない。

 また月曜日(17日)には、バース党との結びつきを理由に失格とされた9人
の当選者も、再審理によって当選を宣告された。そのうち7議席はアラウィのイ
ラキーヤ陣営だったために、これでイラキーヤ陣営は国民議会に91議席を確保
し、最大会派となった。

 マリキの法治国家連合は不幸なことに89議席にとどまり、現職であるマリキ
首相とその支持者は、選挙の不正を申し立て、票の数え直しを求めたのだった。
そしてマリキは、バース党関係者の失格宣言を企んだ政府機関を督励したのだっ
た。

 しかし法廷がアラウィの明確な勝利を宣言したことは、司法が中央行政府から
の独立性と中立性を示したものと評価された。他方、再集計は選挙委員会の株を
押し上げた。マリキは法治国家連合が首都で過半数を制したはずだと主張したが
、数え直しの結果は最初の数字とほぼ同じものであった。

 マリキが属するシーア派社会においてさえ、マリキへの祝福は期待されてなか
った。シーア派聖職者であるサドルは、マリキがブッシュ政府と親密になったと
き彼と仲違いした。

 それでもマリキはあきらめなかった。彼はシーア派の宗教政党であるINA(
イラク国民合意)と連携することで自分の立場を誇示した。INAとマリキの会
派が連合することで、国民議会の過半数である163議席に4議席足りないだけ
になった。

 イラクの選挙法では、議会の最大会派が新政府樹立の提案を主導することにな
っている。現時点では、議会の最大会派は選挙で第1党になったアラウィではな
く、選挙では2番手だった現職のマリキとなった。

 INAは過去にマリキと口論したにもかかわらず、両者が共有する共通の地盤
を失うことはなかった。INAの宗教的なルーツは、INAであれマリキであれ
アラウィとも共通するもので、サドルもまた主要メンバーである。アラウィ自身
は元バース党員で世俗主義者であり、宗教勢力が政府を掌握することを憂慮して
いる。

 INAとマリキ周辺は、どちらも、テヘランにならって、神権政治のミニ政体
をバグダッドに築きたいと熱望している。両者とも、スンニ派社会と和解するう
えで、サダム・フセイン政権を生み出したスンニ派に貸しがある。彼らは200
3年のフセイン政権崩壊まで何十年もフセインとたたかったのだ。新しい連合会
派はイランの影響を深く受けており、フセイン政権の30年間、イランが彼らに
資金提供したうえ、安全地帯を提供していた。クリストファ・ヒル米国大使は、
この連合を「シーア派巨大政党」と呼んだ。

 この権力バランスのせいで、アラウィが首相になれない可能性がでてきた。ア
ラウィは国民議会選挙で最多議席をとったものの、主要な政治勢力が彼を承認し
なければ、政府を形成することはできないだろう。

 もし影響力の大きい政治家が野党側に転じる決意をしたら、それはアラウィに
とって地獄となり、彼を引きずり下ろそうとして暴動やデモが展開されるだろう
。もっと悪い展開だと、彼らは主要都市の街頭に惨状を生み出すだめに自派の民
兵を使うこともありうる。

 スンニ派教徒はアラウィを拒否しないし、世俗主義を拒否することもないが、
マリキの運命と一蓮托生の保守的シーア派は、アラウィ首班の内閣には参加を拒
否するだろう。またアラウィがためらうことなく、イラク国内へのイランの影響
拡大を抑制しようとするなら、イランもアラウィの仕切る政府を承認しないだろ
う。

 色とりどりのイラクの政治家たちは、皆マリキに近い人物だが、3月の選挙の
あとに、テヘランに招待された。アラウィはイランから招待されず、その替わり
にダマスカス(シリアの首都)とリヤドを訪問して、自分の立場を鮮明にした。

 バグダッドには国民の意志だけがあるのではない。重なりあったり対立したり
する利益の数々が何層にもあり、それが次期首相の任免を左右している。国民が
望んでいること以上に、イラン、サウジ、シリア、アメリカがイラクに何を求め
るかにかかっている。




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☆★イラク3分割案−−クルドが踏み絵迫る
Dividing Iraq
アルジャジーラ 2010年5月14日付
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http://english.aljazeera.net/programmes/insideiraq/2010/05/201051385530402985.html

◆最近行ったクルド人指導者マスード・バルザニのインタビュー
 (動画あり)

 イラクのクルド地域を支配するマスード・バルザニは、最近のインタビューに
おいて、どの連立パートナーであれ、産油都市キルクークに関するクルドの主張
と、クルドの軍事組織ペシュメルガ(要するに民兵/訳注)の役割を受け入れる
ことが必要になる、と語った。

 バルザニが宣言したことは、安定を求めるイラクの希望は国を3つに分割する
ことにかかっている、というものであった。

 彼はバグダッドを連邦の首都とすることを提案した。クルドの指導者はさらに
、強力な統一国家という話はすべて夢物語であると付け加えた。

 イラク分割という構想は、多くのイラク人からだけでなく、トルコ、シリア、
サウジ、イランといった近隣諸国からも拒否されるようだ。

 今週、私たちはバルザニの声明の背後に何があるのか、将来バグダッド(連邦
政府)とアルビル(クルド政府)の間に紛争が見込まれるのか、について討論す
る。

 番組参加者は、モハンマド・イッサン(クルド地域政府の代理人)、フィリド
ゥン・ヒルミ(クルド問題アナリスト)。




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