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殺人がクルドのイメージを汚す

投稿者:山本史郎さん  2010/05/23 21:07  MLNo.2078   [メール表示]

URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・転載歓迎)
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2010/05/23 (日)

  [飛耳長目録 today''s news list]

★殺人がクルドのイメージを汚す

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☆★殺人がクルドのイメージを汚す
Killing Taints Iraqi Kurdistan''s Image
ニューヨーク・タイムズ 2010年5月20日付
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http://www.nytimes.com/2010/05/19/world/middleeast/19iraq.html?pagewanted=print

By SAM DAGHER

 スレイマニヤ発 −− イラクのクルド人記者と人権弁護人は、若いジャーナ
リストが拷問・殺害されたことに抗議し、安全と民主主義を自慢してきたクルド
地域において、言論の自由がひどく制限されていることを物語る、と訴えた。

 その反応は冷たかった。殺人に抗議して先週行われたデモの途中、大手のある
雑誌編集者の携帯にメッセージの言葉が届いた。その編集者が読んだメッセージ
には、「お前を犬のように殺してやる」と書かれていた。

 今月初め、ジャーナリストのザルダシト・オスマン(23歳)が、取締りの厳
重なアルビル(クルド地方の首都)で誘拐され、その後、西に50マイル離れた
モスル市近くの路上で、頭部に2発の銃弾を撃ちこまれて死んでいるのが発見さ
れた。

 彼の友人たちは、彼の書いた痛烈な批判記事がクルド自治区を長年支配してき
た2大政党を怒らしたのだ、と確信している。特にそのうちの1つは、クルド地
方大統領マスード・バルザニの娘と結婚して、貧しい生活環境から抜け出せない
ものかと空想するものだった。

 今では、彼の死は表現の自由の限界を教えたものとなり、ジャーナリストが自
分の生命をかけて発表することをめぐって激しい議論を呼び起こしている。多く
の者が、イラクのこの一角に本物の民主主義があるのか疑問を抱いている。過去
7年間に国内の他地域では多発したのに、暴力と治安の不安定は語られないで、
事業と投資の楽園だと見なされていた。

 クルドの中立紙『アウィーネ』の編集長アソス・ハルディは、「2つの勢力の
間の抗争だ」と指摘した。「1つは飲酒主義と開かれた社会を信念に掲げる陣営
で、もう一つは家族・政党・全体主義的な心情を守ろうとうする陣営である」。

 ハルディ氏と彼の同僚は、クルドの著名な記者や知識人の一部と同様に、オス
マンの事件に焦点を当てようと決心している。彼らはテレビやラジオでの討論を
はじめ、抗議や記事でキャンペーンを開始し、「私たちは沈黙しない」と呼びか
けた。

 そのキャンペーンは、クルド地方のジャーナリストに困難を強いることになっ
た。彼らは日常的に嫌がらせを受け、脅迫され、逮捕され、そして統治権力を持
つ政党に忠誠を誓った治安部隊から攻撃を受けている。

 バルザニを含む高官たちは、ジャーナリストを起訴する資料を作ってきた。2
つの支配政党に批判的な記者と、野党勢力につながりを持つ者は、しばしば裏切
り者とか外国政府の代理人というレッテルを貼られてきた。支配政党は、数え切
れないテレビ局と新聞を発足させて中立の報道機関をたちいかなくさせ、また高
額の給与や臨時収入で記者を買収したりしている。

 しかし、イラクの他の地域と違って、ジャーナリストが殺されることは稀(マ
レ)であったし、越えてはいけない一線がどこにあるのかという議論も多くあっ
た。

 クルド地域で最初の中立紙『ハウラチ』の編集長カマル・ラウーフは、オスマ
ン記者は地域の支配関係とバルザニ及びバルザニ一家について、痛烈で不敬な記
事を書いたために、その1線を越えたのだ、と語った。

 別のクルド人記者も、2年前、同じような1線を越えた。調査報道を得意とし
たソラン・ママ・ハマは、キルクーク市内のクルド人支配地において、両親の家
の外で2008年7月に殺された。クルド高官が売春組織とつながっていた疑惑につ
いて書いた後だった。

 スレイマニヤに拠点を置いているアメリカ人学者デニス・ナタリによると、「
越えてはならない1線」には、クルドの支配者2人バルザニ氏とジャラル・タラ
バニの家族への批判も含まれるという。タラバニはイラク大統領という形式的な
ポストに就いている。

 クルド地域の報道に関する法律は、表現の自由を保障しているが、「宗教的な
信念やシンボルを侮辱」し、「憎悪と確執」をあおり、一般市民の私生活を侵害
する記者には制裁を科している。

 クルド地方政府の当局者は、地域内には何百というメディア取次機関があるが
、「名誉の殺人」を当然視するほど保守的で部族社会に深く根ざしたなかでは、
ジャーナリズムとしての基本的標準にかなっているものはわずかしかないと語っ
た。彼はオスマンの死を正当化していると見られたくないという理由から、匿名
を条件に話したが、「ほんとにエゲツナイ状況だ」と述べた。

 クルド人作家バクティヤル・アリは、アルオスマン殺害について感情のこめた
記事のなかで、権力を持つ者が設定した許容範囲は、彼らの利益にかなうように
書き換えが続けられるだろう、と警告した。

 アリは自分のウェブサイトに掲載した記事のなかで、「ザルダシトを殺した者
は私たちのなかにいる」と書いた。「彼らは別のところで、別の誰かを、また殺
すのだろう」。

 ハウラティは特に挑戦的なコラムを先週書き、「私もバルザニの息子に恋して
いる」というタイトルをつけた。

 女性のコラム作家アリャン・ウミードは、「このコラムの筆者も死に値するの
だろうか、それとも、名誉も尊厳も傷つけるものではない以上、わが国では通常
の作品なのだろうか」と書いた。





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