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金融危機2

投稿者:sayusayuさん  2009/01/29 10:51  MLNo.12   [メール表示]

今回の不況で恐らく最も予想外と言える要素は、日本国民が受けている心理的打撃だろう。
そもそも日本は米国や大半の欧州諸国と異なり、信用の過剰供与問題は全く存在しなかった。

近年、日本の企業は借り入れを増やすどころか負債を圧縮し、家計は多額の貯蓄を維持した。
金融システムも概ね、不良資産や不良債権に汚染されておらず、地方銀行は公的資金注入の申請に動き出したようだが、
大手都市銀行については当面はその必要はないと見られている。

それなのに、6年間の景気回復期にも決して強いとは言えなかった消費者の需要が急速に冷え込んでいる。
12月の自動車販売台数は前年同月比で2割以上減少し、百貨店売上高は10%近いマイナスとなった。

1月20日に内閣府が公表した12月の消費動向調査では、消費者態度指数が3回連続で過去最低を更新。
同調査の結果は、深刻な不況がサービス産業に波及したことを示している。

揚げ句、日本は追い払ったとばかり思っていた亡霊、すなわちデフレの再来に直面している。

今夏までに物価は再び下落し始めるだろう。
これが昨年来のエネルギー価格下落を反映する程度なら有益ではある。
しかし、それ以上にしぶとい物価下落は、金融政策の失敗と言える。

日銀は昨年12月に、政策金利をゼロ近くまで引き下げることを余儀なくされた。
2006年の水準への回帰である。

1月22日、日銀は買い入れの対象をコマーシャルペーパー(CP)だけでなく、社債にまで広げる方針を打ち出した。
最近まで政府の経済財政諮問会議の民間議員を務めていた東京大学の伊藤隆敏教授は、
日銀はさらなる施策を実施する必要があると考えている。
物価上昇率をプラスにする目標(インフレターゲット)を明確に示すなどの施策だ。

悲観論を押しとどめる根拠も存在する。
家計には今でも多額の貯蓄があるし、企業に対する銀行融資も増加している。
ただし、融資増加の大部分は、干上がってしまった資本市場から直接供給されていた信用を置き換えるだけのものだが。

重要なのは、先の不況の際には苦境に陥った企業でもなかなか手をつけようとしなかった
余剰人員や過剰な生産能力などの領域で今回は急速に調整が進んでいる点だ。

過小評価されていた円の実効為替レートが急騰して適正な水準に近づき、資金調達がいよいよ難しくなったことで、
低利資金と円安のおかげで長らく生かされてきた「ゾンビ」企業の破綻が急増している。

また、派遣契約や臨時雇いの労働者を急激に増やしてきた10年間が過ぎ去った今、企業はこうした労働者を解雇し始めている。
在庫調整のために生産も削減されている。
こうした動きは、これまでの日本経済にはなかった柔軟性を示すものである。

現在の失業率は3.9%だが、バブル崩壊後で最も高かった5.5%の水準にまで戻る可能性がある。
ただ、日本の労働者の構成がその痛みを和らげるかもしれない。


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